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■道路標識の奥深い世界。あなたの街にもあるかもしれない「ハト標識」とは?
●ふたつの標識が生んだ珍風景
「ハト標識」ってご存じですか?
ハト標識とは、幅員減少標識の「ハ」と、ト形道路交差点標識・合流交通あり標識の「ト」が縦に並んで「ハト」と読める標識の事です。
「ハト標識」はふたつの条件が重ならないと成立しないので、設置場所はかなり少ないのだそうです。そんな「ハト標識」を見に行ってきました。
探すのが大変そうな「ハト標識」ですが、実は熱心なマニアがいて、ネット上で設置場所を公開しています。
それによると、実は都内でも2ヵ所確認されているようです。そのうちのひとつは、練馬区下石神井3丁目の石神井川沿いの道にあります。
「ハト標識」の多くは、この幅員減少標識とト形道路交差点標識の組み合わせのようです。
都内にあるもうひとつの「ハト標識」は、東京高速道路と首都高速が合流する汐留料金所付近にあります。こちらはトの字の合流交通あり標識なのですが、幅員減少標識の「ハ」が左右対称になっていません。
「ハト標識」ってなんだか見ていて面白い! もっと見たくなったので、取材のついでに茨城県の「ハト標識」を見てきました。
ひとつめは稲敷郡美浦村木原、霞ヶ浦のすぐ近くにある「ハト標識」です。道路的にはトの字合流に見えますが、実際の標識はト形道路交差点標識となっています。
もうひとつは、つくば市駒込のキヤノン化成の裏手にあります。場所的には常磐道谷田部インターチェンジの南側になります。
いろいろな「ハト標識」を見ていくと、今度は左右対称奈ハ型の幅員減少標識と、トの字の合流交通あり標識を組み合わせた「ハト標識」が見たくなってきました。
そんな理想的な「ハト標識」は、神奈川県座間市緑が丘2丁目にあります。
冒頭で紹介した「ハト標識」はこの場所にあるもの。やっぱりこの「ハト」が一番美しいと思います。
この「ハト標識」を探し求めているマニアな方も結構いるらしいのですが、これはこれでドライブの楽しみのひとつになりそうですね。
●なんと本物の「鳩標識」が父島に!?
偶然が生み出した「ハト標識」。実は、本物の鳩が描かれた標識が小笠原諸島の父島・母島にあるのだそうです。
このハトは、正確にはアカガシラカラスバトという、小笠原諸島に生息している日本固有亜種の鳥で、絶滅危惧種なのだそうです。
鳩を描いた標識は、いわゆる動物注意標識のひとつ。動物注意標識は1986年に制定され、当初はシカ、タヌキ、ウサギ、サルの図柄4種類が用意されました。
その後、イラストのバリエーションが増え、自治体特定のバージョンも登場。アカガシラカラスバトの標識は、そんな特定標識のひとつです。もし、父島・母島に行く機会があれば見に行きたいものです。
ちなみに、動物注意標識のイラストバリエーションは160種類ぐらいあるらしく、これはこれで熱心なマニアもいる模様。
道路標識の世界って奥深いですね。
(ぬまっち)