4輪の「Weds（ウェッズ）」が2輪の「ヨシムラジャパン」とスポンサー契約を結び、バイクのロードレースへ進出

■4輪界の大手と2輪界の大御所がタッグを組んだ！

ありそうでなかったようなあったかも知れないけどメジャーではなかった画期的な発表がありました。

7月8日、新東名高速道路・ネオパーサ清水PAで行われた「ヨシムラツーリングブレイクタイムVol.59 鈴鹿8耐 直前スペシャル」において、日本のアフターマーケットホイールの最大手「Weds（ウェッズ）」が2輪レースの超老舗「Yoshimura SERT Motul」をスポンサードすることを発表しました。

ヨシムラと言えば、ちょっとでも2輪に興味を持ったら日本人で知らない人はいないんじゃないかと言えるほどの大御所。例年、鈴鹿8耐を始め、各レースで大活躍する2輪レース＆用品界の重鎮です。

かたや、Wedsと言えば、日本におけるアフターマーケット自動車用ホイールで最大の販売を誇る、これまた大手。

そのWedsがなぜヨシムラへスポンサードするのか、Wedsの石田純一代表取締役社長にお聞きすると、「執行役員の石津克也販売統括部長が2輪好きで、ヨシムラさんとなにかやれないかと、飛び込んでいったのが始まりでした。これまで、実は、2輪のレースにいくと、駐車場には4輪で来ているひとたちのクルマが並んでいて、それを見ているとやっぱりクルマにも興味ある人はたくさんいそうだな、ということに気付いたんです。それで、2輪のファンの人にもWedsのことや4輪のことに興味を持ってもらえるんではないかなと思いました。いまやっと、ヨシムラさんとは握手をしてこれからなにかやっていきましょうという段階なので何も決まってませんが、きっとマーケットが広がっていくと信じています」。

その石津克也販売統括部長によると、「4輪業界で2輪業界へスポンサードするというのは、日本で聞いたことがないです。これまでにやったことがないんだったらやってみたいと思いました。MotoGPでYAMAHAのマシンにFIATの文字が大きく描かれていたこともあったじゃないですか。アレもありなんだったら、ウチもやれると信じてやっています。これからはまずはファン層を広げていけるといいですね」。

また、スポンサードを受ける側のヨシムラジャパン常務取締役の加藤陽平チームレースマネージャーは「Wedsさんにお話を持ってきていただいたときは少し驚きましたが、2輪と4輪の架け橋になれるのならと、喜んでお受けしました。実はヨシムラも少し4輪のこともやってました、キャリイのマフラーや、他ブランドですがジムニーのマフラーなどを手掛けてもいます。モータースポーツではダカールラリーに出場の日野レンジャーの（エンジン部品の）カムを開発したりもしてるんですよ」。

「ヨシムラツーリングブレイクタイムVol.59　鈴鹿8耐 直前スペシャル」イベントでは、スポンサーである「Motul Japan 株式会社」「株式会社デンソー」「ブリヂストンモーターサイクルタイヤ株式会社」「アールケー・ジャパン株式会社」「日本ハイドロシステム工業株式会社（JHI）」「エリーパワー株式会社」「日本特殊螺旋工業株式会社」「株式会社ウェッズ」の各代表が登壇し、出典ブースについての説明などを行いました。

また、2023 DENSOレースクイーンの山本 ゆうさん、TGR TEAM WedsSport BANDOH 坂東 正敬監督、2023 WedsSport Racing Galsの南 真琴さん、日南 まみさんもゲストに訪れ、撮影会やトークショーで盛り上がりを見せていました。

さらに、展示されたSUPER GT500参戦の「WedsSport ADVAN RC F」のドライバーズシートにお客さんが座れるサービスも実施。2輪ファンの中にはこれがきっかけで4輪レースに興味を持つ人が現れたかもしれませんね。

聞くところによると、2輪と4輪のアフターマーケットの流通はほとんど違う商流なのだとか。そういった面からも両社は食い合うことなく、ファン層に届けていくルートが広がっていくのではないでしょうか。

これからのWedsとヨシムラが起こしてくれる革命に期待したいところです。

（文・写真：クリッカー編集長 小林和久）