2代目「オレンジ・ブサ」にそっくり? スズキが市販最速バイク「ハヤブサ」の25周年記念モデルを販売

■ハヤブサ・ファン注目の300台限定車

かつて市販量産車で初めて300km/hをマークしたことから、「市販最速」の伝説を作ったバイクが、スズキのフラッグシップ「ハヤブサ(Hayabusa)」。2023年は、その初代モデルが発表された1998年から数えて25周年を迎えます。

スズキは、そんな記念すべき年にスペシャルカラーを施した「ハヤブサ25周年記念モデル」を発売することを発表しました。

スズキのハヤブサ25周年記念モデル(写真はシングルシートを装備した海外仕様)
スズキのハヤブサ25周年記念モデル(写真はシングルシートを装備した海外仕様)

日本では300台限定で販売されるというのがこのモデル。かつてハヤブサ乗りだった筆者は、その写真を見てドキリとしました。

採用されている「オレンジ×ブラック」のカラーが、2007年に登場した2代目モデルのイメージ色で、まさに筆者が所有していた愛車の車体色に酷似していたからです。

しかも、当時の日本で、このカラーはかなりレアだったはず。これは、筆者だけでなく昔からのハヤブサファンなどには、かなり注目だといえます。

●初代から3代目に続くハヤブサの軌跡

ハヤブサは、スズキが「Ultimate Sport(究極のスポーツバイク)」というコンセプトで開発した1300ccのスポーツモデルです。

初代GSX1300Rハヤブサ
初代GSX1300Rハヤブサ

1998年にドイツの国際見本市「インターモト」で発表され、翌年1999年に発売されたのが初代モデル。当時は輸出専用車で、「GSX1300Rハヤブサ」の名称で販売されていました。

この頃の大排気量バイクは各メーカー間における最高速競争が過熱していた頃で、カワサキの「ZZ-R1100」やホンダの「CBR1100XXスーパーブラックバード」など、いずれも最高速度300km/hを謳ったモデルが人気を博していました。

そんな中に登場したハヤブサは、個性的で空力特性にも優れたフォルムと、最高出力175psを発揮する排気量1298cc・直列4気筒エンジンを搭載。完全ストック状態の市販量産車で初めて実測300km/h以上をマークしたことで大きな話題を呼び、「メガスポーツ」というジャンルを作り上げた伝説のマシンです。

2代目ハヤブサの国内仕様(2017年モデル)
2代目ハヤブサの国内仕様(2017年モデル)

その後、2007年に2代目が登場(2008年モデル)。基本的な構造に大きな変更はなかったものの、エンジンのストロークを2mm延長し、排気量を1340ccへ拡大。最高出力を145kW(197PS)にまでパワーアップし、動力性能により磨きをかけました。

その後、2014年には、国内仕様車が正式発売され、日本でもハヤブサ・ファンが増加。北米などハヤブサは「Busa(ブサ)」の愛称で親しまれていたことから、オーナーは「ブサ乗り」などと呼ばれるようになりました。

そして、2021年には約13年ぶりにフルモデルチェンジを受け、エンジンや車体を全面改良、電子制御も数多く取り入れた3代目が登場しました。

2021年に登場した3代目ハヤブサ(写真は海外仕様)
2021年に登場した3代目ハヤブサ(写真は海外仕様)

現行モデルとなる3代目は、よりシャープなイメージのフォルムになったほか、パワートレインに先代と同様の1340cc・直列4気筒を搭載します。

エンジンの最高出力は登場当時で140kW(約190ps)、最新モデルでは138kW(188PS)と、2代目よりややダウンしていますが、空力特性の追求によって高速性能を維持。また、電子制御スロットルの採用や吸排気の機構変更などにより、低中速域における出力とトルクを向上しています。

ほかにも、最新の電子制御システム「S.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)」を搭載。出力特性、トラクションコントロール、エンジンブレーキコントロールなど5つの制御を設定パターンから選択できる「SDMS-α(スズキドライブモードセレクターアルファ)」を採用するなどで、街乗りからツーリング、サーキットまでの様々な走行シーンやユーザーの好み、スキルなどに対応できる懐の深さも魅力です。

●25周年記念エンブレムなども追加

スズキは、そんなハヤブサの25周年記念モデルを日本を含む全世界で発売するといいます。主な特徴は、ボディにオレンジとブラックを基調としたカラーを採用、ドライブチェーンアジャスター、フロントブレーキディスクインナーの色も変更していること。

また、マフラーボディやドライブチェーンにはオリジナル刻印も追加。燃料タンクには25周年記念エンブレムと「SUZUKI」立体エンブレムも施されるといいます。

筆者が所有していた2代目ハヤブサ
筆者が所有していた2代目ハヤブサ

そんな特別モデルのカラーにピンときた人は、かなりのハヤブサ通ですね。そう、まさに、2代目モデルが登場した際、イメージカラーとして最初に採用されたカラーリングにかなり似ているのです。

前述の通り、筆者は、2代目ハヤブサの2008年モデル(カナダ仕様の逆輸入車)に乗っていたことがあります。そして、オレンジとブラックを基調とした25周年記念モデルの配色は、当時の愛車にうりふたつなのです。

スズキは、25周年記念モデルに、このカラーを採用した背景などについて特に言及していません。なので、あくまで筆者の妄想ですが、これだけ似ていると「あのカラーを意識したのでは?」と思わざるをえません。まるで、3代目に2代目をマッチングしたような雰囲気があります。

ちなみに、2代目のオレンジ×ブラックは、2008年モデルだけに採用され、翌年以降のモデルにはなかったはず。また、当時ハヤブサに国内仕様はなかったため、日本ではかなりレアなカラーリングだといえます。そういった意味でも、25周年記念モデルは長年のハヤブサ・ファンに注目だといえますね。もちろん、筆者もかなり欲しいですが、お金の工面が……無理かも(泣)。

スズキのハヤブサ25周年記念モデル
スズキのハヤブサ25周年記念モデル

価格(税込)は、スタンダードの215万6000円に対し、5万5000円アップの221万1000円。これも前述の通り、日本では300台限定で発売されます。

なお、販売方法は、インターネットを利用したスズキの販売サイト「S-MALL(エスモール)」で予約を受け付け、抽選を行った後に全国の「ETC2.0車載器標準搭載車取扱店」で販売するのだとか。

また、抽選は複数回に分けて行い、第一回目の予約期間は、2023年7月3日午前10時から7月10日午後5時までを予定しているそうです。

(文:平塚直樹

【関連リンク】

スズキ S-MALL
https://s-mall.jp/

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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