カワサキの4気筒400ccスポーツバイク「ZX-4R」シリーズは112万2000円から【バイクのコラム】

■4気筒エンジンの新しい選択肢は2023年7月15日発売

ワークスカラーとなるライムグリーン×エボニーを与えられたNinja ZX-4RR KRT EDITION。メーカー希望小売価格は115万5000円
ワークスカラーとなるライムグリーン×エボニーを与えられたNinja ZX-4RR KRT EDITION。メーカー希望小売価格は115万5000円

東京モーターサイクルショーでも話題となったカワサキNinja ZX-4Rシリーズの国内発売が2023年7月15日となることが正式に発表されました。現在空白となっている「400cc 4気筒」カテゴリーを埋めるニューモデルです。

ラインナップは、Ninja ZX-4R SEとNinja ZX-4RR KRT EDITIONの2グレード。前者のメーカー希望小売価格は112万2000円、”R”がひとつ増えた後者の価格は115万5000円となっています。

見ての通り、トレリスフレームにフルカウルをまとったスーパースポーツ系モデルです。

同社が発売している250ccクラス唯一の4気筒エンジンモデル「ZX-25R」シリーズと共通のアーキテクチャーを利用することで、189~190kgと軽量に仕上がっていることも特徴でしょう。

Ninja ZX-4R SEのメーカー希望小売価格は112万2000円(写真のボディカラーはキャンディプラズマブルー×メタリックフラットスパークブラック)
Ninja ZX-4R SEのメーカー希望小売価格は112万2000円(写真のボディカラーはキャンディプラズマブルー×メタリックフラットスパークブラック)

シート高も800mmとスーパースポーツとしてはさほど高くないのはユーザーフレンドリーな印象を受けます。

注目のエンジンスペックは次のようになっています。

種類:水冷 4ストローク 並列4気筒/DOHC 4バルブ
総排気量: 399cm3
内径×行程:57.0mm×39.1mm
圧縮比: 12.3:1
最高出力 57kW(77PS)/14500rpm ラムエア加圧時:59kW(80PS)/14500rpm
最大トルク 39Nm(4.0kg-m)/13000rpm
WMTCモード燃費:20.4km/L(1人乗り)

Ninja ZX-4R SEにはメタリックフラットスパークブラック×メタリックマットグラフェンスチールグレーのカラーも設定される
Ninja ZX-4R SEにはメタリックフラットスパークブラック×メタリックマットグラフェンスチールグレーのカラーも設定される

トラクションコントロールとパワーモードを統合したインテグレーテッドライディングモードを装備しているのも特徴。シフトアップ&ダウンにおいてクラッチレバーを握らなくともスムースに操作できるデュアルディレクションKQS(カワサキクイックシフター)も標準装備となっています。

ブレーキはフロントが290mmデュアルディスク、リヤは220mmシングルディスクとなっています。

ちなみに、250ccクラスのZX-25Rはフロントがシングルディスクとなっています。基本アーキテクチャーを共有しながら、ハイパワーに見合うストッピングパワーが与えられているといえるでしょう。

高性能エンジンに合わせてサスペンションも凝っています。両グレードとも、フロントにはSHOWA SFF-BPフロントサスペンション(プリロード調整機構付き)を採用。グレードごとに専用セッティングを施しているということです。

●3万3000円高ZX-4Rの差別化ポイントはリヤサスにあり

ZX-4RRのリヤサスペンションにはフルアジャスタブル SHOWA BFRC-lite を採用
ZX-4RRのリヤサスペンションにはフルアジャスタブル SHOWA BFRC-lite を採用

さて、Ninja ZX-4R SEとNinja ZX-4RR KRT EDITIONには、どのような違いがあるのでしょうか。

価格だけを見ると、ZX-4R SEは廉価版のように感じるかもしれませんが、そうではありません。こちらのグレードには、スモークウインドシールド、USB電源ソケット、フレームスライダーが標準装備されています。ストリートを意識したスポーツモデルというキャラクター設定といえます。

ZX-4RR KRT EDITIONには、そうした快適装備は省かれていますが、かわりにフルアジャスタブル SHOWA BFRC-lite リヤサスペンションが与えられています。ワークスカラーにふさわしい、走りを重視した仕様となっているのです。

逆にいえば、それ以外の機能は共通です。

スマートフォンと連携できる4.3インチデジタルメーターを搭載する
スマートフォンと連携できる4.3インチデジタルメーターを搭載する

前述したように街乗りでの快適性、サーキットでのタイム削減につながるクイックシフターはいずれのグレードも標準装備しています。

4.3インチのデジタルメーターはスマートフォンと連携することでログデータを取得できるなど拡張性があるのもうれしいポイントです。

さらにメーターの画像をみるとETCのインジケーターが備わっています。ETC車載器はオプション扱いとなるようですが、このインジケーターと連動するオプションを選ぶことでスマートにETCが利用できそうです。

このあたりもストリートでの使い勝手を考慮した部分といえるのではないでしょうか。

●美しいエキマニが堪能できるネイキッド版にも期待したい

新設計の399cm³水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒エンジンは最高出力57kW(77PS)を発揮する
新設計の399cm³水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒エンジンは最高出力57kW(77PS)を発揮する

というわけで、2023年の大注目モデル「ZX-4R」シリーズが、予想よりはやく、そしてリーズナブルな価格で販売されることが発表されたわけですが、そのメカニズムやスペックを調べたり、公開されている画像を眺めたりしていると、しみじみ思うのは機能美にあふれているということです。

個人的には、とくに4本の長いエキマニが絡み合う様子にマルチシリンダーらしさを感じます。四輪ではシリンダーヘッド内でエキゾーストを集合させ、出口が一か所になる構造が増えていることもあって、いかにもバイクらしい魅力をアピールするポイントだとも感じます。

だからこそ、この美しいエキマニをフルカウルで隠してしまうのはもったいないと思ってしまうのです。

機能美あふれるフレームはネイキッド版での満足度も高そうだ
機能美あふれるフレームはネイキッド版での満足度も高そうだ

ネイキッドバージョンの登場に期待したい、と妄想が膨らみます。

カワサキのネイキッドといえば、大型二輪クラスの「Z900RS」が人気モデルです。クラシカルな雰囲気と、いまどきのメカニズムの融合が幅広いユーザー層から支持されている理由でしょう。

もし、ZX-4Rのカウルを外し、ちょっと懐かしい系の外装を与えた「Z400RS」のようなモデルが登場すれば、普通二輪免許で乗れることも合わせて、Z900RS以上の大ヒットになること確実ではないでしょうか。

もっとも、ZX-4Rシリーズが爆売れすることも確実視されています。将来のバリエーション拡大より、当面は納期優先でデリバリーされることが重視されるべきフェイズとなるかもしれません。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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