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■誕生50周年を迎える伝統のオフロードモデル
1973年の登場以来、モトクロスなどのオフロード競技で活躍し続けている競技用の市販マシン・カワサキ「KX」シリーズ。現在では、気軽にオフロードを楽しめるファンオフローダーの「KLX」シリーズも加えると、全11モデルものラインアップを揃え、キッズからベテランライダーまで、幅広い層が楽しめることが人気です。
そんな「KX/KLX」シリーズに2024年モデルが登場。しかも、フラッグシップともいえる449cc・水冷単気筒エンジン搭載の「KX450」と、それをベースとしたクロスカントリーモデル「KX450X」はフルモデルチェンジを敢行し、より戦闘力をアップしました。
「KX450」「KX450X」は2023年10月14日(土)、そのほか9モデルは2023年9月1日(金)にぞれぞれ発売されます。
●AMAスーパークロスやAMAモトクロスでも大活躍の「KX450」
アメリカで最も権威があるAMAスーパークロスやAMAモトクロスなど、世界的オフロードレースの最高峰450ccクラスで活躍するのが、市販モトクロッサーの「KX450」。
その2024年モデルでは、前述の通りフルモデルチェンジを実施。主な変更点はまず、新設計のダウンドラフトインテークを採用したこと。混合気を直線的に燃焼室へと送り込み、インテーク同様に中央に配置されたエキゾーストポートが優れたエアフロー効果を実現し、エンジン性能を向上しています。
また、エンジン吸排気系のアップデートに合わせて車体も改良。新設計のアルミペリメターフレームを採用することで、最適な剛性バランスを実現し、軽快なハンドリングや直進安定性に貢献します。
ブレーキシステムには、フロントキャリパーやマスターシリンダーにブレンボ製、リヤキャリパーとマスターシリンダーにはニッシン製をマッチングさせ、制動時の高いコントロール性を実現。
エンジンシュラウドやサイドカバー、リヤフェンダーは、新デザインを採用することで、ライディング中にライダーの動きを妨げない工夫もなされています。
最新の電子制御システムでは、「ノーマル」「マイルドレスポンス」といった2つのエンジンマップを選択することができる「パワーモード」を設定。ハンドル左グリップ基部にあるモード(M)ボタンにより選択が可能です。
また、滑りやすい路面など、さまざまな状況に応じて安定した車体の挙動維持をサポートする「KTRC(カワサキトラクションコントロール)」も搭載。ハンドル左グリップ基部にあるトラクション(T)ボタンにより、2段階にトラクションを選ぶことができます。
ほかにも、工具を使わず脱着でき、エアフィルターエレメントのメンテナンスも容易に行える「クイックリリースサイドカバー」を装備するなどで、作業性も向上。
価格(税込)は107万8000円です。
●クロスカントリー競技向けモデル「KX450X」
KX450をベースに、フロント21インチ/リヤ18インチ(KX450はリヤ19インチ)のクロスカントリーホイールや、サイドスタンドなどを標準装備したクロスカントリー競技向けモデルが「KX450X」です。
フルモデルチェンジを受けた2024年モデルでは、KX450と同様に、新設計のダウンドラフトインテークやアルミペリメターフレームを採用。新デザインのエンジンシュラウドやサイドカバー、リヤフェンダーを装備するほか、ボタン操作で簡単に設定できるパワーモードや、トラクションコントロールのKTRCなどを備えています。
さらに、これもKX450と同じく、専用スマートフォンアプリ「RIDEOLOGY THE APP KX」を使うことで、エンジンマップの調整も可能とするなどで、セットアップ時の利便性もよりアップさせています。
価格(税込)は110万円です。
●KX250など6モデルにも2024年モデル
KXシリーズには、ほかにも、65ccから250ccといった豊富な排気量のマシンが揃っていますが、それらにも2024年モデルが登場しました。
まず、激戦が繰り広げられるアメリカのAMAスーパークロスやAMAモトクロスの4ストローク250ccクラスにおいて、最多タイトルを獲得している「KX250」。
2023年に大幅な改良を加えられたこのモデルは、エンジン性能を全回転域で向上。新しいタイヤとサスペンションのセッティング変更などで、コーナーリング時のハンドリングを改善するなどで、戦闘力を大幅に向上させています。
その2024年モデルでは、カラーやグラフィックを変更。価格(税込)は84万7000円です。
一方、KX250をベースにしたクロスカントリー競技向けモデルが「KX250X」。249cc・水冷単気筒エンジンなど、基本構成はKX250と共通ながら、エンジン、サスペンション、ブレーキをX専用にチューニング。
フロント21インチ/リヤ18インチのホイール(KX250はリヤ19インチ)やエンデューロタイヤ、サイドスタンドやスキッドプレートなど、クロスカントリー競技で役立つ装備を持つことが特徴です。
その2024年モデルでは、こちらもカラーやグラフィックを変更。価格(税込)は85万8000円です。
KXシリーズには、ほかにも、111cc・水冷2ストローク単気筒エンジンを搭載、フロント19インチ/リヤ16インチのホイールなどを採用する「KX112」をラインアップ。
さらに、84cc・水冷2ストローク単気筒エンジンを搭載し、フロント17インチ/リヤ14インチホイール装備の「KX85」と、同じ車体にフロント19インチ/リヤ16インチの大径ホイールを採用した「KX85L」、64cc・水冷2ストローク単気筒エンジン搭載のキッズ向けモトクロッサー「KX65」を用意しています。
いずれも、2024年モデルでは、基本スペックはそのままに、カラーやグラフィックを変更。価格(税込)は、KX112が47万3000円、KX85が44万円、KX85Lで45万1000円、KX65では33万5500円となっています。
●KLX230Rなどファンオフローダーもカラーを変更
幅広いライダーが本格的なオフロードライディングを楽しめるKLXシリーズにも、同じく2024年モデルが発表されました。
ラインアップには、低中回転域からの力強いトルクを生み出す232cc・空冷4ストロークSOHC単気筒エンジンを搭載する「KLX230R」、それをベースにシート高を25mm低く設定した「KLX230R S」、111cc・空冷4ストロークSOHC単気筒エンジンを搭載し、子どもから大人まで幅広く楽しめる「KLX110R L」の3モデルを用意。
いずれも、カラーやグラフィックが変更され、「ライムグリーン」と「バトルグレー」の2色を設定しています。
価格(税込)は、KLX230Rが52万8000円、KLX230R Sは52万8000円、KLX110R Lでは29万7000円となっています。
(文:平塚 直樹)