■衝突被害軽減ブレーキ義務化への対応と、今後もMT車を作っていくという宣言!?
2023年6月20日(火)、SUBARUはMT車向けの運転支援システム「アイサイト」を開発し、今秋発表予定のスバル BRZの改良モデル(日本仕様車)に初めて採用すると明らかにしました。
筆者もMT車に乗っていますが、MTであっても安全装備はもちろん、アダプティブクルーズコントロール(ACC)や車線維持機能などがあると重宝するのは間違いないでしょう。
なお、商用車や一部のスポーツカーなどをのぞき、MT車も依然として少数派であるものの、スバルやマツダ、トヨタ、ホンダも、探してみるとかなり設定しています。スバルでは、WRX S4にMTモデルが追加されるのでは?という憶測も流れているようです。
「アイサイト」に含まれている衝突被害軽減ブレーキは義務化が決まっていて、国産新型車の場合は2021年11月〜(輸入車は2024年7月〜)、国産の継続生産車は2025年12月〜(輸入車は2026年7月〜)となっています。
つまり、MT車であっても衝突被害軽減ブレーキの装着は既定路線であり、新型車はもちろん、継続生産車も今後はマストになるわけです。
スバルが誇る「アイサイト」は、導入から10年で死亡事故50%低減、追突事故発生率は84%減少させています。
「アイサイト」は世界で初めて、ステレオカメラのみで、自動車だけでなく歩行者、二輪車までも対象としたプリクラッシュブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)、追従機能付クルーズコントロール(アダプティブクルーズコントロール)を実現した同社独自の運転支援システムです。
なお、アイサイトが搭載されたスバル車の世界累計販売台数は、2008年5月の発売以来、550万台超に達したそうです(2023年5月末現在)。
今回、BRZ改良モデル(日本仕様車)に搭載されるMT車向けアイサイトは、BRZのAT車向けのアイサイトをベースに、衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロール、車線逸脱、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、後方ソナー警報機能のクリアランスソナーが用意されます。MT車の特性に合わせた制御が施され、リアルワールドの幅広いシーンでの安定した動作を実現しているそうです。MTならではの、運転する愉しさと安心を高い次元で両立したとしています。
MT車の人気がじわじわと復活しているかは分かりませんが、意外と各社でMT車が設定されている今、今後MT車が生き残るには、衝突被害軽減ブレーキへの対応も不可欠になります。
軽トラックや軽バンのMT車でも衝突被害軽減ブレーキを採用している車種がある反面、未対応というMT車もあります。スバルはBRZに対応したことで、ほかのMT車、たとえば噂されているWRX S4 MT車の日本導入への期待も膨らみます。
※上記写真には、AT車も含まれます。
(塚田 勝弘)