ゴルフGTIからMTが消滅? 排ガス規制の施行で48年の歴史に幕を降ろす

■ユーロ7排出ガス規制が現在の形で承認された場合の措置

フォルクスワーゲン(VW)は現在、世界のベンチマーク「ゴルフ」改良型を開発中ですが、ユーロ7排出ガス規制が現在の形で承認された場合、オートマチックギアボックスが搭載される可能性が高いことがわかりました。

VW ゴルフ改良型 プロトタイプ スパイショット
VW ゴルフ改良型 プロトタイプ スパイショット

ゴルフ改良型は2024年に発売予定で、前後エクステリアデザインの刷新、インテリアの改良などが含まれますが、欧州の新しい法律の結果次第では、最も根本的な変更がマニュアルギアボックスの廃止となるかも知れないといいます。

VW ゴルフ改良型 プロトタイプ スパイショット
VW ゴルフ改良型 プロトタイプ スパイショット

「ユーロ7」排出規則として知られるこの法律は、内燃機関車両からの二酸化炭素排出を規制するものです。同ブランドによると、マニュアルトランスミッションのホットハッチゴルフ「GTI」は、オートマチックバージョンの160g/kmと比較して、162g/kmのCO2を排出するといい、 これは非常にわずかな違いではありますが、大きな影響を与えるようです。

このため、特にユーロ7法案は自動車メーカーからの大きな批判を受けており、ステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は、新基準は自動車価格に悪影響を及ぼし、顧客や環境に利益をもたらさないため「役に立たない」とまで断言しています。

ヨーロッパでは、オートマチックトランスミッションを搭載したゴルフの価格は、マニュアルトランスミッション車より約1,642ドル(約23万円)高く、ゴルフGTIの価格が31,000ドル(約436万円)以上から始まることを考えれば高いと感じないかもしれませんが、初代GTIから約50年間製造され続けてマニュアルギアボックスの消滅は、マニアにとって一番の衝撃となるはずです。

オリジナルのGTIは、「Mk1ゴルフ」のパフォーマンスバージョンとして1975年に登場、当初はクロスレシオの4速マニュアルが装備されていましたが、1979年に5速ギアボックスが追加されました。そして、1983年に米国市場に導入されるまでに、多くの改良が加えられています。 1.6リットル直列4気筒からは最高出力110psを発揮、最高時速は113マイル(181m/h)でしたが、当時としては速かったものです。

法律が変更された場合、フォルクスワーゲンが欧州でマニュアルギアボックスの執行猶予を与えるかどうかは不明ですが、次期ゴルフICEバージョンは計画されていないため、法案の結果に関係なく、その変更は遅かれ早かれ起こるでしょう。

(APOLLO)

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APOLLO

アポロニュースサービス代表取締役。1965年東京生まれ・世田谷区在住。通信社を経て1996年に独立、レンタルポジ&ニュース配信会社アポロニュースサービスを設立した後、2016年にはカーメディア「Spyder7」編集長に兼任、多数のメディアへ新車スパイショット配信も手掛けております。
通信社入社と同時に新車スクープに関わり、これまで35年間、新型モデル開発を追い続け、現在は新車スクープ原稿を年間800本以上執筆、日本で一番新車スクープ記事を書く男としてギネス申請中!?
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