125cc超のバイクは希望ナンバーを取れるようになる? ナンバープレート様式の変更も含め国土交通省が検討開始

■バイク用ナンバーの組合せ変更や希望ナンバーを検討

ナンバープレートに大きく表示してある最大4ケタの数字を、自分の希望するものにできる「希望ナンバー」。4輪車ではかなり一般的になってきた制度で「2525(ニコニコ)」や「1122(いい夫婦)」といったごろ合わせ番号が人気ですよね。

125ccを超え250cc以下のバイクのナンバープレート例(写真はBMW CE04)
125ccを超え250cc以下のバイクのナンバープレート例(写真はBMW CE04)

一方、この制度はバイクには導入されておらず、オーナーが自由に番号を選ぶことは基本的にできません。

ところが、国土交通省は、2023年5月13日にバイクのナンバープレート様式を見直すことと同時に、希望ナンバー制の導入も検討を開始することを発表。

もし実現すれば、125ccを超えるバイクについては、ナンバーの記載内容が変わると共に、自分の好きな番号を選べるようになるかもしれません。

●希望ナンバーとは?

希望ナンバーは、4輪車の普通車が1999年(一部地域は1998年)、軽自動車は2005年から導入された制度です。希望できる番号は、大きく表示されている最大4ケタのアラビア数字となります。

自動車のナンバープレートは、上段の左から「地名」「分類番号(3ケタ)」、下段が「区別番号(ひらがななどで表示)」「一連指定番号(最大4ケタ)」で表示されますが、そのうちの一連指定番号を選ぶことが可能です。

クルマのナンバープレートの例
クルマのナンバープレートの例

ただし、「1111」や「3333」「7777」とか「8888」といった特に人気が高い番号は、抽選対象希望番号となっており、抽選に当たらないと付けることはできません。

なお、希望ナンバー制度を利用できるのは、新車または中古車を購入して新規登録を行う場合、管轄変更を伴う名義変更または住所変更を行う場合、ナンバープレートが破損または汚損した場合のいずれかとなります。

●クルマと違うバイクのナンバープレート

一方、現在、バイクについては、前述の通り、この制度は導入されていません。おそらく、バイクのナンバープレートは、番号の付け方がクルマと違うことが関係しているのでしょう。

たとえば、251cc以上のバイクでは、上段が左から「地名」「区別番号(ひらがななどで表示)」、下段が「一連指定番号(最大4ケタ)」といった表示。

クルマのナンバープレートは分類番号が3ケタ
クルマのナンバープレートは分類番号が3ケタ

125ccを超え250cc以下のバイクでは、上段が左から「分類番号(1または2)」「地名」「区別番号(ひらがななどで表示)」、下段が「一連指定番号(最大4ケタ)」。

125cc以下の原付では、上段が「地名(管轄する自治体名)」、下段が「区別番号(ひらがななどで表示)」「一連指定番号(最大4ケタ)」。なお、プレートの色は、原付一種(50cc以下)は地色が白、原付二種は黄色(51cc〜90cc)かピンク(91cc〜125cc)となっています。

こうしてみてみると、クルマとバイクでは、たとえば、分類番号などに違いがありますよね。バイクでは排気量によって分類番号がなかったり、あっても1または2で、分類番号が3ケタあるクルマとは数が違います。

こうした違いから、バイクに希望ナンバー制度を導入すると、人気ナンバーはすぐに無くなってしまうため、導入されていないといった説もあります。

●対象は総排気量が125ccを超える2輪車

そんなバイクのナンバープレートですが、国土交通省の発表によれば「現行の二輪車のナンバープレートに記載される番号や平仮名などの組合せは、一部の地域で底を突くおそれがある」とのこと。

バイクにも希望ナンバー制が導入される?(写真はBMW・K1600GT)
バイクにも希望ナンバー制が導入される?(写真はBMW・K1600GT)

そこで、「ナンバープレートの様式見直しが必要」となっており、その検討を開始するのだそうです。

つまり、現在のナンバー表示様式では、すでに数に限界がきているので、もっと組み合わせを増やせるように変更することを検討し始めます、ということですね。

また、国土交通省は「(今回の)様式の見直しに伴い、番号や平仮名などの組合せが大幅に増える見込みであることから、2輪車ユーザーなどから要望のある希望ナンバー制の導入も検討する」ことにしたのだそうです。

ナンバープレートの表示様式をどのように変更するかは、まだこれから検討されますが、この発表を見る限り、おそらくクルマのように、たとえば分類番号が3ケタになるなど、もっと入る内容が増えそうですね。そして、バイクの希望ナンバー制も、その変更内容次第で導入が決まりそうです。

ちなみに、これも、国土交通省によれば、今回の見直し検討の対象となるのは、「総排気量が125ccを超える2輪車」についてだとか。

理由は、「総排気量125cc以下の2輪車(原動機付自転車)のナンバープレートの表示については、各市町村で所管されている」ためだそうです。つまり、原付一種や原付二種のバイクは、国土交通省の管轄外なので、そもそも変更すること自体を決められないということのようです。

国土交通省では、今回の見直しに関し「二輪車のナンバープレートの様式の見直しおよび希望ナンバー制導入に係るワーキンググループ」を設置し、第1回の検討会を2023年6月27日に実施予定。その後も、検討を重ねるようです。

導入時期なども含め、具体的な内容はまだこれからですが、バイクのナンバーが、果たしてどう変わるのかや、実際に希望ナンバーが導入されるのかなど、今後の動向に注目したいところです。

(文:平塚直樹 *写真はすべてイメージです)

【関連リンク】

国土交通省ホームページ
https://www.mlit.go.jp/index.html

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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