松永 和浩 
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■台風一過の晴れ渡る空
6月3日（土）、4日（日）に三重県の鈴鹿サーキットで開催の2023 AUTOBACS SUPER GT第3戦『SUZUKA GT 450km RACE』。6月3日には公式予選が行われました。
6月2日に日本に近づいてきた台風の影響で本州四国の太平洋側は豪雨に見舞われ新幹線や東名高速道路、新東名高速道路など主要な交通機関がマヒするなどがありましたが、6月3日の鈴鹿サーキットはそんな悪天候が嘘のように晴れ渡り、まさにレース日和ともいえる天候となりました。
●予選Q1はヨコハマ同士のバトル
サポートレースのFIA-F4がアクシデントなどで長引き20分遅れで開始となった公式予選。その予選Q1は午後3時58分より10分間で行われます。
そのQ1で最初にタイムを出してきたのが24号車 リアライズコーポレーション ADVAN Zの佐々木大樹選手。この日初めての1分44秒台に突入します。そこから各チームが次々とタイムアタックをしていきますが、リアライズコーポレーション ADVAN Zには及ばず。
そのリアライズコーポレーション ADVAN ZをQ1の終盤で上回ってきたのが19号車 WedsSport ADVAN GR Supra。阪口晴南選手が1分44秒366でQ1最速に躍り出ます。
そして、そのタイムを上回るチームは現れずQ1は終了。
Q1トップのWedsSport ADVAN GR SupraからQ2に進出できないラインの9番手までが、なんと1秒以内に収まってっしまうという僅差の予選。その9番手は開幕戦岡山で優勝した23号車 MOTUL AUTECH Zでした。
●ヨコハマバトルに割り込んだブリヂストンのau TOM’S GR Supra。そして・・・
予選Q1でダンロップ勢とミシュラン勢が沈んだために予選Q2ではヨコハマ勢とブリヂストン勢だけで争うという展開となります。
GT500の予選では珍しく、Q2開始直後から各チームのマシンがコースインしウォームアップを行います。しかしヨコハマタイヤの2台はコースインせず。特にWedsSport ADVAN GR Supraでは開始2分後にようやくドライバーの国本雄資選手が乗り込むという余裕ぶり。そして5分経過でコースイン、ウォームアップをたった1周で1分44秒679。直前にブリヂストンタイヤのau TOM’S GR Supra、坪井翔選手が出した1分44秒585nわずかに及ばず2番手となります。
その直後、やはりウォームアップ1周からのタイムアタックとなったリアライズコーポレーション ADVAN Zが1分44秒320を叩き出しトップに躍り出ます。このタイムを上回るチームは現れずにタイムアップでチェッカーとなります。
これでポールポジションはリアライズコーポレーション ADVAN Zに決まった！と誰もが思っていました。それこそスーパーGTの公式サイトの予選結果も19時45分に確認した際はポールポジションはリアライズコーポレーション ADVAN Zと記載されていました。
しかし19時55分に正式結果が発表され、順位のある欄にリアライズコーポレーション ADVAN Zは無く、最後の欄に順位なしで記載されることとなってしまいます。その理由はガスパック容量違反による全タイム抹消。つまり燃料タンクが既定の100リットルよりも大きい容量だったということで予選タイムを抹消されてしまったのです。ガスパック容量違反については後日詳しい記事を掲載させていただくつもりでおります。
これにより順位が繰り上がり、ポールポジションはau TOM’S GR Supraとなりました。
2番手にはWedsSport ADVAN GR Supra、3番手には100号車 STANLEY NSX-GTが、4番手にはMARELLI IMPUL Zが入りました。
リアライズコーポレーション ADVAN Zには残念な結果でしたが、予選で燃料を満タンにしてアタックすることはないので、予選で最速のタイムを出したという事は間違いありません。その速さを決勝でも生かせれば最後尾からの大逆転劇もあり得るかもしれません。
その決勝レースは2023年6月4日（日）の13時30分から77周で争われます。
●スーパーGT2023第3戦 鈴鹿 GT500予選結果
順位 ゼッケン 車名 ドライバー タイム
1 36 au TOM’S GR Supra TOYOTA GR Supra GT500 坪井 翔、宮田 莉朋 1’44.585
2 19 WedsSport ADVAN GR Supra 国本 雄資、阪口 晴南 1’44.679
3 100 STANLEY NSX-GT 山本 尚貴、牧野 任祐 1’44.763
4 1 MARELLI IMPUL Z 平峰 一貴、ベルトラン・バゲット 1’44.920
5 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 関口 雄飛、中山 雄一 1’44.924
6 16 ARTA MUGEN NSX-GT 福住 仁嶺、大津 弘樹 1’44.945
7 17 Astemo NSX-GT 塚越 広大、松下 信治 1’45.275
8 23 MOTUL AUTECH Z 松田 次生、ロニー・クインタレッリ 1’45.347
9 64 Modulo NSX-GT 伊沢 拓也、太田 格之進 1’’45.441
10 14 ENEOS X PRIME GR Supra 大嶋 和也、山下 健太 1’45.666
11 8 ARTA MUGEN NSX-GT 野尻 智紀、大湯 都史樹 1’45.785
12 3 Niterra MOTUL Z 千代 勝正、高星 明誠 1’46.069
13 37 Deloitte TOM’S GR Supra 笹原 右京、ジュリアーノ・アレジ 1’46.106
14 38 ZENT CERUMO GR Supra 立川 祐路、石浦 宏明 1’50.030
24 リアライズコーポレーション ADVAN Z 佐々木 大樹、平手 晃平
（文：松永 和浩 ／写真：吉見 幸夫、松永和浩）
