SUBARU BRZ R&D SPORTが第3戦・鈴鹿の予選でポールポジションへ戻ってきた!【スーパーGT 2023 GT300】

■レースクイーンのいない予選日

6月3日(土)、4日(日)に三重県の鈴鹿サーキットで開催の2023 AUTOBACS SUPER GT第3戦『SUZUKA GT 450km RACE』。6月3日には公式予選が行われました。

PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG
PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG

6月2日に日本に近づいてきた台風の影響で本州四国の太平洋側は豪雨に見舞われ新幹線や東名高速道路、新東名高速道路など主要な交通機関がマヒするなどがありましたが、そのマヒが新幹線では6月3日の午前中まで続き、東京方面からやってくる予定であったレースクイーンがピットウォークやステージイベントに間に合わない、という事態となるチームも多数となりました。

また、第3戦では開幕戦岡山でクラッシュし第2戦には修復が間に合わず出場を断念した9号車 PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMGがマシンを箱替えしてレースに復帰してきました。

●順調に行われた予選

レースクイーンが来れなかった、というアクシデントのほかにサポートレースのFIA-F4においてもアクシデントがあり予選開始が20分ほど遅れるという事態とはなりましたが、スーパーGTの予選自体はGT500も含めてクラッシュやコースアウトなどはなく、クリアな状態で行われていました。

apr LC500h GT
apr LC500h GT

第2戦富士までのポイント集計などによりGT300クラスの予選Q1は2組に分けられ、そのA組の予選が15時25分より開始されます。ここで速さを見せたのが31号車 apr LC500h GTで、小高一斗選手がいきなり57秒台を切りそうな1分57秒084というタイムでトップでQ2進出を決めます。

SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORT

またA組では61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが今シーズン初めてのQ2進出を果たしています。

ANEST IWATA Racing RC F GT3
ANEST IWATA Racing RC F GT3

15時43分から始まったB組では50号車 ANEST IWATA Racing RC F GT3のイゴール・オオムラ・フラガ選手が計測時間の終わり近くに1分57秒505を出してトップタイムとなります。

イゴール選手はe-Sportのグランツーリスモ ワールドシリーズでワールドチャンピオンになるなどから今年スーパーGTにデビューのルーキー。そんなイゴール選手が早くもスーパーGTで頭角を現し始めたという事になります。

●異次元の速さを見せたSUBARU BRZ R&D SPORT

午後4時18分から開始された予選Q2。

HACHI-ICHI GR Supra GT
HACHI-ICHI GR Supra GT

ここで速さを見せたのはQ1で見ることのなかった56秒台、1分56秒827を出してきた244号車 HACHI-ICHI GR Supra GTの三宅淳詞選手。そして10号車、11号車のGAINER勢も56秒台を出してきます。

SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORT

そんな中、異次元の速さを見せてきたのがSUBARU BRZ R&D SPORT。1分55秒531という、唯一の55秒台を山内英輝選手が叩き出し、文句なしのポールポジションとなりました。SUBARU BRZ R&D SPORTにとってはノーポイントでノーウエイトだったという部分もありますが、開幕以来かみ合っていなかった何かがやっとかみ合った、という部分が非常に大きいのではないかと思われます。

SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ R&D SPORT

2番手には11号車 GAINER TANAX GT-Rが、3番手には60号車 Syntium LMcorsa GR Supra GT入り、予選上位3台すべてがダンロップタイヤとなっています。

11号車 GAINER TANAX GT-R
11号車 GAINER TANAX GT-R

2022シーズンではポールポジションが定位置といわれたSUBARU BRZ R&D SPORTですが、2023シーズンは3戦目にしてやっと定位置に帰ってきたといえるのかもしれません。

ポールポジションを喜ぶSUBARU BRZ R&D SPORTのドライバー、井口選手と山内選手
ポールポジションを喜ぶSUBARU BRZ R&D SPORTのドライバー、井口選手と山内選手

第3戦にして70kgオーバーのサクセスウエイトを積んでいる65号車 LEON PYRAMID AMGや66kgを積む昨年のチャンピオンで第2戦富士の優勝者である56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rなどには辛いレースかもしれませんが、給油を伴う2回のピットインが義務付けられている長丁場の450kmレース。

SUBARU BRZ R&D SPORTが逃げ切るのか、はたまたサクセスウエイト重量勢が作戦で前に出てくるのか。非常に注目を集める決勝レースになりそうです。

LEON PYRAMID AMG
LEON PYRAMID AMG


●スーパーGT 2023第3戦 鈴鹿 GT300予選結果

順位 ゼッケン 車名 ドライバー タイム
1 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口 卓人、山内 英輝 1’55.775
2 11 GAINER TANAX GT-R 富田 竜一郎、石川 京侍、塩津 佑介 1’56.095
3 60 Syntium LMcorsa GR Supra GT 吉本 大樹、河野 駿佑 1’56.454
4 2 muta Racing GR86 GT 堤 優威、平良 響、加藤 寛規 1’56.484
5 25 HOPPY Schatz GR Supra GT 菅波 冬悟、野中 誠太 1’56.552
6 20 シェイドレーシング GR86 GT 平中 克幸、清水 英志郎、山田 真之亮 1’56.798
7 244 HACHI-ICHI GR Supra GT 佐藤 公哉、三宅 淳詞 1’56.827
8 10 PONOS GAINER GT-R 安田 裕信、大草 りき 1’56.978
9 56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R J.P.デ・オリベイラ、名取 鉄平 1’57.007
10 88 JLOC ランボルギーニ GT3 小暮 卓史、元嶋 佑弥 1’57.092
11 31 apr LC500h GT 嵯峨 宏紀、小高 一斗、根本悠生 1’57.134
12 65 LEON PYRAMID AMG 蒲生 尚弥、篠原 拓朗 1’57.223
13 18 UPGARAGE NSX GT3 小林 崇志、小出 峻 1’57.330
14 87 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 松浦 孝亮、坂口 夏月 1’57.560
15 50 ANEST IWATA Racing RC F GT3 I.オオムラ・フラガ、古谷 悠河 1’57.594
16 7 Studie BMW M4 荒 聖治、柳田 真孝 1’58.193
17 4 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口 信輝、片岡 龍也 1’58.442
18 6 DOBOT Audi R8 LMS 片山 義章、R.メリ・ムンタン、神 晴也 1’58.472
19 9 PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG 阪口 良平、リアン・ジャトン、川端 伸太朗 1’58.449
20 52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 吉田 広樹、川合 孝汰 1’58.617
21 96 K-tunes RC F GT3 新田 守男、高木 真一 1’58.532
22360 RUNUP RIVAUX GT-R 青木 孝行、田中 篤、大滝 拓也 1’59.200
23 27 Yogibo NSX GT3 岩澤 優吾、伊東 黎明 1’58.617
24 5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 冨林 勇佑、松井 孝允 1’59.957
25 30 apr GR86 GT 織戸 学、上村 優太、小河 諒 1’58.892
26 48 植毛ケーズフロンティア GT-R 井田 太陽、甲野 将哉、眞田 拓海 2’01.358
27 22 アールキューズ AMG GT3 和田 久、城内 政樹、加納 政樹 2’01.175

(文:松永 和浩/写真:吉見幸夫、松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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