■ヘリテージモデル第3弾、ポルシェにとって記念の6月8日デビューの可能性
ポルシェは現在、クラシックな「ヘリテージモデル」シリーズを展開していますが、その最新モデルとなる「911 ST」市販型プロトタイプをカメラが捉えました。
1970年代、現在よりもレース界は非常に熱く、競争が激化していました。当時、フォードやBMWなどのメーカーで争う激しい競争の中、ポルシェは他車よりも優れた車両を提供する必要がありました。
そんな中で誕生したのが、「911 ST」です。この新しいレースカーは1970年から1971年のわずか1年間に製造され、デイトナ、タルガフローリオ、ニュルブルクリンクなどの様々なレースに参戦、ル・マン24時間レースのGTクラスでも優勝しました。
しかし、わずか24台しか製造されておらず、幻のモデルとなっています。
その「ST」のネーミングが52年振りに復活します。ヘリテージシリーズでは、第1弾となる「911タルガ4S ヘリテージデザインエディション」、第2弾「911スポーツクラシック」に続く第3弾となります。市販型では、911をベースに開発、特別エディションで911 STとその成功に敬意を表するのです。
ニュルとその周辺で捉えたプロトタイプは、911 GT3ツーリングをベースとして使用しており、ダブルバブルルーフが最も明白な変更となっています。
フロントフェンダーのカモフラージュは、GT3 RSのようなエアインテークを隠しているように見え、 911 STのドアはGT3 RSから借用、カーボンファイバー製で可能な限り軽量になっています。
ドアはGT3ツーリングやスポーツクラシックとは異なり、STにはクラシックなドアハンドルが提供されるようですが、もちろん軽量化を図るため、より軽量な素材で作られます。
オリジナルの911 STでは、ポルシェの目標は最軽量の911を製造することでした。しかし、現代の安全性と排出ガス要件を考慮すると、911 ST新型ではそうはいかないようですが、992世代の中で最軽量ではないにしても、その1つになる可能性があり、そのためにはポルシェは可能な限り軽量化する必要があります。
おそらく、カーボンファイバーのエンジンカバーとフロントボンネットとともに、キャビン内にも追加のカーボンファイバーが使用されることが予想されます。
パワートレインは不明ですが、GT3ツーリングをベースとしているため、4.0リットル水平対向6気筒エンジンを搭載、最高出力は502psと予想されます。ただし、ST新型は非常に限定された特別エディションとなるため、パワーアップされる可能性を秘めています。
また、同ブランドのオートマチックトランスミッションと組み合わせられると思われますが、マニュアルバージョンが提供されるかも注目でしょう。
911ST新型のワールドプレミアは、2023年後半と予想されていましたが、最新情報では、1948年にポルシェの名を冠した最初のスポーツカーが認証されたことを記念して、同日の6月8日になる可能性があるといいます。