EV時代へどう生きる? ポルシェ「パナメーラ」次期型の反撃が始まる

■カイエン同様に2.9リットルV6エンジンを4.0リットルV8に変更

ポルシェは現在5ドアサルーン「パナメーラ」次期型の開発に取り組んでいますが、その最新プロトタイプをカメラが捉えました。

ポルシェ パナメーラ 改良型プロトタイプ スパイショット
ポルシェ パナメーラ 改良型プロトタイプ スパイショット

2021年の販売台数において、フルエレクトリック「タイカン」は9,419台を販売、911を上回る大ヒットを記録しました。対してパナメーラは4,257台と同ブランドのラインアップ中で最も販売台数が低いモデルとなっており、その存続さえ危ぶまれていました。

しかしパナメーラは、2022年には13%増と持ち直すなど健闘。同ブランドでは、この内燃セダンをすぐに廃止するつもりはないようです。

ポルシェ パナメーラ 改良型プロトタイプ スパイショット
ポルシェ パナメーラ 改良型プロトタイプ スパイショット

ドイツのヴァイザッハにある同社の研究開発センター近くで捉えた最新プロトタイプは、これまでで最もカモフラージュが削ぎ落とされ、フィラーキャップが正方形から楕円形に変更されていることがわかります。

しかし、ヘッドライトにはカイエンでみられたHDマトリックスLEDセットアップを部分的に隠すためのステッカーを貼り、フロントフェンダーのエアベントは実際のサイズより大きく見せているようで、ディテールはまだ明かされていません。

後部では、リアピラーが部分的に隠されていますが、LEDテールライトはよりスリムに新設計されるでしょう。刷新されたバンパーにはクワッドエキゾーストパイプがインストールされており、足回りにはセンターロックホイールを装着していることからも、高性能な派生モデル、あるいはトラック(サーキット)に焦点を当てたバージョンの可能性もありそうです。

ポルシェ パナメーラ 改良型プロトタイプ スパイショット
ポルシェ パナメーラ 改良型プロトタイプ スパイショット

キャビン内では、フルデジタル化されたインストルメントクラスターと、ダッシュボードに取り付けられたコンパクトなギアセレクターがありますが、「カイエン」改良型のものに似た12.3インチの新しいインフォテインメントシステムを備えています。

そのほかの部分は覆われていますが、オプションで10.9インチのパッセンジャー(助手席側)ディスプレイが提供される可能性がありそうです。

また、センターコンソールもカイエン改良型と共通しており、タッチ「ボタン」と物理的なスイッチギアを備えた、「ブラックパネルデザイン」を特徴とするシンプルな造形となっています。

ポルシェ パナメーラ 改良型プロトタイプ スパイショット
ポルシェ パナメーラ 改良型プロトタイプ スパイショット

次期型のパワートレインについては不明ですが、カイエンSはフェイスリフト時に2.9リットルV6エンジンを4.0リットルV8に交換。最高出力を440psから475psに引き上げています。同じ2.9リッターV6を使用しているパナメーラ4Sも同様であると推測するのが合理的と思われます。

また、ハイブリッドオプションのEV走行の大幅な改善もなされるといわれます。現行のパナメーラ4 Eハイブリッドは、旧型カイエンEハイブリッドと同じ17.9kWhのバッテリーを使用していますが、フェイスリフトでは25.9kWhに改善されているのもヒントになるでしょう。

ワールドプレミアは最速で2023年内、遅くとも2024年前半となり、パナメーラ次期型の逆襲が見られるはずです。

(APOLLO)

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アポロニュースサービス代表取締役。1965年東京生まれ・世田谷区在住。通信社を経て1996年に独立、レンタルポジ&ニュース配信会社アポロニュースサービスを設立した後、2016年にはカーメディア「Spyder7」編集長に兼任、多数のメディアへ新車スパイショット配信も手掛けております。
通信社入社と同時に新車スクープに関わり、これまで35年間、新型モデル開発を追い続け、現在は新車スクープ原稿を年間800本以上執筆、日本で一番新車スクープ記事を書く男としてギネス申請中!?
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