■「東京オートサロン」でも注目を集めた「キャラバン MYROOM CONCEPT」をベースに市販化
2022年のキャンピングカー販売総額が過去最高を記録するなど、空前のキャンピングカーブームが続いています。
コロナ以前から右肩上がりという傾向でしたが、コロナ禍により販売が加速したのは間違いないはず。また、キャンピングカーショーを取材していると、ひと昔前の熟年層中心から若い層も劇的に増えているほか、ペット連れも増加している印象を強く受けます。
そんな中、日産自動車はキャラバンをベースとした「キャラバン MYROOM」を2023年度内に発表、発売すると明らかにしました。
車中泊のコンセプトカー「キャラバン MYROOM CONCEPT」は「東京オートサロン2022」に初出展されて以降、「ジャパンキャンピングカーショー2022」などの各展示会で市販化を望む声が多かったそうです。
日産は、AUTECHブランドからセレナ、キャラバン、NV200バネットのマルチベッド、キャラバン・トランスポーターを設定するなど、車中泊仕様やトランスポーターなどの遊びグルマに注力しています。日本の自動車メーカーの中でもキャンピングカーショーの常連でもあります。
市販化が決定した「キャラバン MYROOM コンセプト」は、2023年で誕生50周年を迎えたキャラバンをベースとした車中泊を提案するコンセプトモデル。「MYROOM」といえば「キューブ・マイルーム」のキャッチコピーを思い出す方も多いのではないでしょうか。
キューブだけでなく、クルマを部屋のように仕立てるコンセプトも日産が得意とするところといえるでしょう。「モダンリビングコンセプト」と題して、キューブ、フーガ、シルフィと受け継がれてきました。
キャラバンの「MYROOM」も、自分のお気に入りの部屋ごと自然の中に持ち込んでリラックスできるというコンセプトを掲げ、さまざまな憩いのスタイルを楽しめるクルマとして開発したとしています。
市販モデルのインテリアは、コンセプトカーに限りなく近い形を維持しているそう。日常の延長線上で居心地の良さを求めるユーザーに向けて、木目をふんだんに使うことで、クルマの内装感を徹底的に消すことを目指したとしています。
シンプルでミニマルなデザイナーズホテルのような洗練された雰囲気が特徴。また機能面は、市場からのニーズに応じて、さらに利便性の向上が図られるようです。
ベースとなる仕様や架装内容などはまだ明らかにされていないものの、自動車メーカー自ら手がけるキャンピングカーに注目が集まることは間違いなさそうです。
(塚田 勝弘)