ヤマハ「SR400」生産終了後の大ヒット空冷シングル、ホンダ「GB350」「GB350S」2023年モデル登場

■ネオクラシックなスタイルや出力は維持

往年の名車を彷彿させるネオクラシックなスタイルや、独特の鼓動感などで高い人気を誇っているのが、シングル(単気筒)やツイン(2気筒)の「空冷エンジン」搭載バイク。

ホンダ・GB350Sの2023年モデル
ホンダ・GB350Sの2023年モデル

ところが、最近は厳しい排出ガス規制などへの対応が難しく、新車で買えるモデルは年々数が減少しています。

特に、クラシカルなスタイルを持つ空冷シングルの国産車といえば、2021年にヤマハ「SR400」の生産終了が発表されたことなどで、かなりの激減ぶり。

今では同ジャンルに属する国産バイクといえば、ホンダの「GB350」と「GB350S」くらいですが(輸入車にはまだありますけどね)、これら2タイプはかなりのレア感もあるのか、2021年の登場以来、大ヒットを記録している人気バイクだといえます。

そんなホンダのGB350とGB350Sに、2023年モデルが登場。

新型は、いずれも最新の排出ガス規制に適合させると共に、新色を追加するなどのアップデートが施されました。

●高い質感やトラディショナルな外観を演出

前述の通り、2021年の登場以来、現在も大ヒットを続けているのがホンダのGB350とGB350Sです。

車体には、スチールのしなやかさを引き出しながら、縦、横、ねじれ剛性をバランスさせたセミダブルクレードル形式のフレームを採用。また、パワーユニットには、存在感のある直立シリンダーの348cc OHC空冷シングルを採用し、力強いトルク感と味わいある走りを実現しています。

GB350(マットパールモリオンブラック)
GB350(マットパールモリオンブラック)

スタイリングでは、燃料タンクやサイドカバーに、丸味を帯びた温かみのある形状を採用。さらに、金属ながら表情豊かな造形としたクランクケースカバーやシリンダーヘッドなどにより、高い質感やトラディショナルな外観も演出します。

ラインアップには、スタンダード仕様のGB350と、スポーティ仕様のGB350Sを用意。GB350のホイールがフロント19インチ、リヤ18インチなのに対し、GB350Sはリヤホイールを17インチに小径化し、ワイドなラジアルタイヤをマッチングすることで、より俊敏な走りを実現します。

GB350S(パールディープマッドグレー)
GB350S(パールディープマッドグレー)

また、ハンドルもGB350Sではより低く、より遠い位置に設定したバータイプを採用。よりアクティブなライディングに対応しています。

●新型はニューカラーも採用

そんな2タイプの2023年モデルでは、まず、いずれも平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合させています。

GB350には、カジュアルなイメージの新色「マットパールグレアホワイト」を追加
GB350には、カジュアルなイメージの新色「マットパールグレアホワイト」を追加

ちなみに、エンジンの最高出力15kW(20ps)/5500rpmや、最大トルク29N・m(3.0kgf-m)/3000rpmといったスペックは先代モデルと同様。燃費性能のみ、WMTCモード値で41.0km/L→39.4km/Lへ変更されています。

また、車両重量は、GB350が180kg→179kgとやや軽量化、GB350Sは従来モデルと同様の178kgになっています。

さらに、両モデルともに新色を追加。GB350では、カジュアルなイメージの「マットパールグレアホワイト」を採用し、継続色の「マットパールモリオンブラック」と、「マットジーンズブルーメタリック」とあわせた全3色をライアップします。

また、いずれのカラーも、リヤサスペンションのスプリングをブラックに変更することで、より引き締まった足まわりを演出しています。

GB350Sでは、清涼なイメージの「プコブルー」を新色に採用
GB350Sでは、清涼なイメージの「プコブルー」を新色に採用

一方、GB350Sでは、清涼なイメージの「プコブルー」を新色に採用。継続色の「パールディープマッドグレー」と、「ガンメタルブラックメタリック」と合わせ全3色を設定しています。

また、いずれのカラーも、ハンドルパイプをマットシルバー塗装に変更したほか、サイドカバーエンブレムをシンプルなデザインに変更するなどで、より精悍なイメージを演出していることもポイントです。

価格(税込)は、GB350が56万1000円、GB350Sが60万5000円。2023年7月6日(木)に発売される予定です。

(文:平塚 直樹

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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