■「ID.7」ベースで開発、「ID. Space Vizzion Concept」の市販型に
フォルクスワーゲン(VW)は4月の上海モーターショーにて、アッパーミドルクラスでブランド初となるグローバル電動モデル「ID.7」を発表しましたが、その派生ワゴンモデルの市販型プロトタイプを、カメラが初めて捉えました。
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ID.7のワゴンバージョンは、2019年に初公開された「ID. Space Vizzion Concept」の市販型です。
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ドイツのキール近郊で捉えたプロトタイプは、グリルやバンパーのインテークにデカールを貼り、ICEを搭載したパサートを模しています。
しかし、そのプロポーションと偽装されていない側面から、このプロトタイプがVW ID.7セダンをベースにしたワゴンモデルであることがわかります。
プロトタイプは、ヘッドライトとテールライトもデカールで覆われているほか、全幅LEDライトバーも隠されています。ID.7セダンと同様に、生産バージョンのワゴンはコンセプトに比べてトーンダウンされているようですが、いくつかの基本的な機能は保持されるはずです。
Bピラーまでのフロントセクション全体をID.7と共有、15インチのインフォテインメントタッチスクリーンや、クライメートシステム用の洗練されたスマートエアベントを含むダッシュボードレイアウトも同様です。
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ベースのID.7は、テールゲートがリアウィンドウと共に開き、リフトバックになっています。が、ワゴンでは、新設計されたルーフラインと背の高いリアセクションにより、より大きなラゲッジスペースが得られる可能性が高いと思われます。
後席の乗員もヘッドルームがわずかに拡大され、実用性の点でSUVに近づきそうです。しかし、全体のフットプリントは、スパイショットから判断すると、全長195.3インチ(4,961mm)のID.7セダンとほぼ同じと予想されます。
市販型では、アップグレードされた「MEB」アーキテクチャーを採用、パワートレインとバッテリーのオプションをセダンと共有します。
おそらく、77kWh(総容量82kWh)または86kWh(総容量91kWh)のバッテリーパックを積み、それぞれ382マイル(615km)、および435マイル(700km)のWLTP後続を提供するでしょう。
パワートレインに関しては、後部に取り付けられたモーターにより、最高出力286PS、最大トルク550Nmを発揮、将来的にはデュアルモーターAWDバリエーションが導入されると思われます。
このプロトタイプは、IDブランド初のワゴンとなるため、市販型の車名は確定していません。ワゴンのみ提供される、ICE搭載パサート次期型で使用予定の「ヴァリアント」ではなく、電動ワゴンの新しいネーミング戦略を選択する可能性もあるといいます。