■ルーテシア燃費チャレンジの賞品でルノーの聖地ディエップへ
古今東西、競技に参加することは自動車趣味の王道の一つとされている。実際、ラリーやレースに出場したことのある人なら解って頂けると思うけれど、街中で走るのと全く違う速度レンジでコーナーをクリアした時の楽しさときたら、筆舌に尽くせない魅力を持つ。そしてクルマの運転が上手になります。おそらく速いドライバーは、どんなジャンルでもクルマの性能をフルに引き出せると思う。
当然ながらエコランしたって素晴らしい燃費を出せることだろう。ルノー主催の東京~松山800kmで行われたメディア対向エコランは、ライバルに競技ドライバーがいなかったこともあり、辛くも一番良い燃費を出せた。そもそも使った車両はルーテシア。私が昨年からラリーの相棒にしているモデルである。美味しい部分を上手に引き出せたようで、何とか優勝出来た次第。
優勝賞品はフランス取材とのこと。アルピーヌの本拠地となるディエップ(ノルマンディ地方)でアルピーヌの大きなイベントが行われるという。そこにご招待してくれるそうな。
アルピーヌといえば私のラリーカーのメーカーです。実は一昨年(2021年)にルノーのモータースポーツ部門をアルピーヌに移管した。ルーテシアのラリーカーもアルピーヌ担当になったワケ。
●2022年のラリージャパンで手負いとなったルーテシアのパーツを求めに
折しも昨年のWRC(ラリージャパン)でコースアウトしドライブシャフトなど破損。アルピーヌから取り寄せようとしていたのだった。とはいえフランスから送って貰うと、9万5000円のドライブシャフト1本で4万円程度の送料が掛かってしまう。どうやったら普通の通信販売と同じくらい安く送れるか算段していた。そこにフランス取材のオファー。これぞ「渡りに船」というヤツです。
本来の予定は木曜日にディエップ入りだったのだけれど、パーツを買うべく月曜日に渡航。こうなればルノー祭りだ、ということからシャルル・ドゴール空港のレンタカーはトゥインゴを指名。レンタカーって基本的に「がちゃ」なんだけれど、見事ご指名通りでした。月曜日はディエップ到着が夜になったため、フランスのビールとワイン飲んで爆睡。火曜日、アルピーヌへ。
ディエップは美しいノルマンディ地方の港町。だからこそ週末にイベントを行うんだと理解した。アルピーヌのロケーションはディエップの工業団地。オフィスを訪ねるとメールでパーツのオーダーなどをしている方が居て歓迎してもらう。とっても良い人です。せっかく来たからとスペアのパーツをアポ無しで40点ほどオーダーしたのだけれど、迷惑そうな顔一つせず受けてくれる。
「部品多いから明日までに用意しておきますね。支払いはその時で」。ということになり翌日部品を取りに行き、請求書見た時点で「ううっ!」。30万円くらいは覚悟してました。けれど70万8000円とな! 競技用の部品は安くないものの、一番の大物が9万5000円のドライブシャフト。その他はタイロッドエンドや、ブッシュなどの消耗品。フォグランプの樹脂製カバーといった内容。
もっとショックだったのはフランスで買うと20%という消費税が掛かること。今回のお買い上げだと10万8000円! ブランド品など海外に持ち出すと税金を払い戻してくれるのだけれど、なぜか自動車部品は対象外らしい。知らなかった~(泣)。日本への通信販売ならフランスの消費税は課税対象外。送って貰った方が安かったかもしれません。泣きっ面に蜂というやつか。
今年のWRCでコースアウトしてクルマ壊したら、その時点で競技から足を洗うしかない。お財布すっからかんです(笑)。かくなる上はビールとワイン飲んで過ごすしかない! 幸い天気も良い。この時期のヨーロッパってどんな基準を持ってしても素晴らしいとしか表現出来ない。しかも週末はアルピーヌのイベントとA110によるお遊びのラリーなど行われるそうな。楽しみです!
(国沢 光宏)