トヨタ「スープラ」復活。BMWの直6ターボを搭載した共同開発モデル【今日は何の日?5月17日】

■17年ぶりに復活した5代目スープラ

2019年に復活したGRスープラのダイナミックなフロントフェイス
2019年に復活したGRスープラのダイナミックなフロントフェイス

2019年(平成31年)5月17日、2002年に生産を終了したトヨタのスープラが、「GRスープラ」として17年ぶりに復活を果たしました。

トヨタのフラッグシップスポーツとして君臨するスープラ。5代目はBMWとの包括提携による、初の共同開発モデルということでも注目を集めました。


●3代目セリカXXから国内でもスープラを名乗る

1978年に登場したA70型スープラ、日本でもスープラを名乗る
1978年に登場したA70型スープラ、日本でもスープラを名乗る

国内で初めて登場したスープラ(A70型)は、「セリカ」をベースに1978年に誕生した上級スペシャリティカー「セリカXX(ダブルエックス)」の3代目。セリカXXの“X”は、当時のライバルである日産「フェアレディZ」の“Z”を意識したものですが、海外ではスープラと名乗っていました。1986年にモデルチェンジして3代目となった時点で、日本でもスープラを名乗ることになったのです。

3代目スープラは、“TOYOTA 3000GTスープラ”というキャッチコピーを掲げ、ロングノーズ/ショートデッキで構成される3ドアハッチバックで、リトラクタブルヘッドライトや大型エアカットフラップなどを採用し、スポーツカーらしいシャープなシルエットが注目されました。

トップグレード「3.0GTターボ」には、当時最強の230PSを発生する3.0L直6 OHCインタークーラー付ターボ(7M-GTEU)を搭載し、0-100km/h加速は6.4秒、最高速度は232km/hと圧巻の走りを記録。その他にも、日本初のツインターボを搭載した2.0直6 DOHC(1G型)とNA(無過給)エンジンも用意され、多くのスポーツカーファンを魅了しました。

●17振りに復活したGRスープラは、伝統の直6ターボを搭載

1993年にモデルチェンジした4代目(A80型)スープラもマッシブなスタイリングで人気を獲得しましたが、2002年に生産終了。そして17年ぶりに、GRスープラとして復活を果たしたのです。

ロングノーズショートデッキの低重心フォルムにダブルバブルルーフを採用したGRスープラ
ロングノーズショートデッキの低重心フォルムにダブルバブルルーフを採用したGRスープラ

GRスープラはBMWとの包括提携による初の共同開発モデルということでも注目を集めました。ダイナミックなロングノーズ/ショートデッキの低重心フォルムを継承し、ダブルバブルルーフやヘッドライトの位置を車両の内側に寄せたシルエットは、名車「トヨタ2000GT」を彷彿させるものがありました。

スープラにはエンジン出力で、RZ、SZ-R、SZの3グレードがあり、最高峰はRZでパワートレインは最高出力387PSの3.0L直6ツインターボ。および258PS&197PSの2.0L直4ターボの3種のエンジンと、8速マニュアルモード付ATの組み合わせとなっていました。FR駆動ながら前後重量配分50:50によって、力強い動力性能とシャープな操縦安定性が実現されました。

多くのファンの期待に応えて復活した5代目、発売当初は海外生産のためか供給が追い付かず、発売前に予約であっという間に売り切れてしまいました。

●ライバルのフェアレディZも新型が登場

2022年に登場した6代目(現行)フェアレディZ
2022年に登場した6代目(現行)フェアレディZ

2019年の復活で大きな話題を呼んだGRスープラでしたが、ライバルの日産自動車「フェアレディZ」も2022年に新型(6代目)が登場しました。ともに排気量3.0Lのツインターボエンジンながら、スープラが直6エンジンに対して、フェアレディZはV6エンジン(VR30DDTT型)であることが大きな違いです。

GRスープラの最高出力387PS/最大トルク500Nmに対してフェアレディZは405PS/475Nm。GRスープラ型は、新型フェアレディZに対して最高出力は劣るものの、トルク重視となっています。

トップグレードの価格は、GRスープラの731.3万円に対して、フェアレディZが696.6万円と、ややスープラが高価ですが、どちらを選ぶかは難しいところですね。


今や希少となったFRのピュアスポーツ、今後ピュアエンジンのクルマが生き残るのは難しいご時世。スポーツモデルでも電動化が加速する中で、スープラはどうしていくのか、注目ですね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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