ホンダ20年ぶりの快挙! 2輪オフロードレース北米最高峰「AMAスーパークロス」450SXで2023年チャンピオン獲得

■チェイス・セクストン選手が初タイトルを奪取

アメリカで最も権威があるオフロードレースのひとつが「AMAスーパークロス」。

野球場などのスタジアムに作った人工的なコースを使い、ダイナミックで派手なジャンプなどが見所のレースです。その最高峰クラス「450SX」で、ホンダが20年ぶりの快挙を達成しました。

チェイス・セクストン選手とスタッフ
チェイス・セクストン選手とスタッフ

ホンダワークスチーム「Team Honda HRC」に所属し、ホンダ「CRF450R」を駆るチェイス・セクストン選手(23歳)が、自身初となる2023年度のシリーズチャンピオンを獲得し、2003年にリッキー・カーマイケル選手が獲得して以来、久々のタイトルをホンダにもたらしたのです。

●スタジアムを使ったダイナミックなオフロードレース

AMAスーパークロスとは、AMA(アメリカモーターサイクル協会)が主催するオフロードレースで、AMAモトクロスと並びアメリカで最も権威がある大会です。

AMAモトクロスが、自然の地形を活かしたアウトドアのコースを使うのに対し、AMAスーパークロスは野球場などのスタジアムが舞台。つまり、インドアのレースです。

AMAスーパークロスの最高峰450SXで、ホンダに20年ぶりの快挙をもたらしたセクストン選手
AMAスーパークロスの最高峰450SXで、ホンダに20年ぶりの快挙をもたらしたセクストン選手

人工的に造られたタイトコーナーや、多数のリズム&ジャンプセクションで構成する特設コースで行うオフロードレースで、前述の通り、ダイナミックなジャンプなどが楽しめることが魅力です。

開催クラスは、使用するバイクの排気量により、4ストロークの450ccマシンなどで競う450SXと、4ストロークの250ccマシンなどで争われる250SXに分かれます。

そのうち450SXは、アメリカを中心に世界中からトップライダーが集う、スーパークロスの世界最高峰クラスといえます。

●シーズン全6勝をマーク!

主にウインターシーズンに開催されるAMAスーパークロスですが、2023年シーズンは1月のアナハイムを皮切りに、5月13日に行われた最終戦のソルトレイクまで、全17戦が開催されました。

2023年シーズンの王者となったチェイス・セクストン選手
2023年シーズンの王者となったチェイス・セクストン選手

そのうち、今回タイトルを獲得したセクストン選手は、第4戦のアナハイム2でシーズン初の優勝を獲得したものの、その後はやや苦戦。ところが、シーズン後半に入ると、第10戦のデトロイト、第13戦アトランタで優勝。第15戦ナッシュビル、第16戦デンバーでも連勝し、ランキングトップに浮上します。

そして、タイトルが掛かった最終戦でも見事に勝利を獲得し、3連勝を達成。シーズン全6勝をマークし、見事450SXのシリーズ・チャンピオンを獲得すると共に、前述の通り、ホンダに20年ぶりの快挙をもたらしたのです。

●2023年シーズンは3冠も達成

なお、ホンダは、2023年のAMAスーパークロスで、450SXだけでなく、250SXでもタイトルを獲得しています。

450SXの登竜門的なクラスで、主に若手ライダーが中心に参戦するのが250SX。こちらは、大会が開催されるエリアでウエスト(東地区)とイースト(西地区)という2つのシリーズ戦が設けられているのですが、これら2シリーズでもホンダのライダーが年間チャンピオンを獲得したのです。

250SXイーストでハンター・ローレンス選手、250SXウェストでジェット・ローレンス選手がそれぞれ王者となったことで、ホンダは実に3冠を手にしたことになります。

なお、AMAでは、同じく前述したAMAモトクロスの2023年シーズンが5月27日から開幕し、全11戦で開催されます。こちらのシリーズでも、ホンダが好調を維持して活躍することに期待したいですね。

(文:平塚直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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