近藤真彦監督率いるリアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rが優勝!【スーパーGT 2023 GT300】

■入場者数がコロナ禍前に戻りつつあるスーパーGT

5月4日(木・祝)の富士スピードウェイは、晴れ渡る青空。その青空の元で行われた2023 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJIMAKI GROUP FUJI GT 450km RACEの決勝レースには、4万8600人(予選・決勝では計8万200人!)という大観衆が訪れ、コロナ禍の前を思わせる盛況ぶりを見せていました。

スタート周の接触の様子
スタート周の接触の様子

決勝レースは、13時30分より静岡県警察の白バイやパトロールカー先導の交通安全啓発パレード、そしてフォーメーションラップを経てスタートが切られます。

スタートラップでは10号車 PONOS GAINER GT-Rと88号車 JLOC ランボルギーニ GT3などがTGRコーナーで接触する場面もありましたが、ほどなく復帰し、レースはそのまま続行されます。

このレースでは、給油を伴う2回のピットストップが義務付けられており、2周目には2号車 muta Racing GR86 GTと52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTが、レース後半を有利に進めるために、早々に給油のための1回目のピットストップを行います。

埼玉トヨペットGB GR Supra GT
埼玉トヨペットGB GR Supra GT

レース前半は、ポールポジションの56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rがトップのまま進んでいきますが、30周を過ぎ全車が1回目の給油を伴うピット作業を終えると、すでに2周目にピットインしていた2号車と52号車がトップ2となっています。

この2台に続くリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは、J.P・デ・オリベイラ選手が連続スティント。

PONOS GAINER GT-Rのピット作業
PONOS GAINER GT-Rのピット作業
グッドスマイル 初音ミク AMG
グッドスマイル 初音ミク AMG

序盤から上位に位置していた4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGは右側フロント部あたりから白煙が上がり、42周目に緊急ピットインします。

このピットインからそのままリタイアとなってしまったグッドスマイル 初音ミク AMGですが、レース後にドライバーの片岡龍也選手は、「攻めすぎた結果、縁石にオイルパンがヒット」してしまいオイル漏れがあった、と語っています。

●リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rの名取選手が自力で逆転初優勝

トップとなっていたmuta Racing GR86 GTが46周目に、2番手の埼玉トヨペットGB GR Supra GTが48周目に2回目の給油を伴うピットインを行いますが、3番手につけていたリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは、ピットインを61周まで引っ張ります。

これが功を奏したのか、名取鉄平選手にドライバーチェンジしてコースに復帰すると、リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは実質2位。トップのmuta Racing GR86 GTとの差は5秒ほど。残り30周ほどで追いつけるかどうかという距離ですが、70周に異変が訪れます。

LEON PYRAMID AMGのピット作業
LEON PYRAMID AMGのピット作業

70周目にmuta Racing GR86 GTが96号車 K-tunes RC F GT3を抜いてトップに立ちますが、その後ろ、2秒もないところにリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが迫ります。そこからこの2台のテールtoノーズなドッグファイトが始まっていきます。

リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R
リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R

muta Racing GR86 GTとリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rの1秒前後の攻防が繰り返されていた終盤、80周目にGT500マシンが追い抜きにかかろうというタイミングに引っかかってしまったmuta Racing GR86 GTは、若干ペースが落ちてしまいます。

その瞬間を見逃さなかったリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rの名取選手は一気に前へと出ていき、81周目のTGRコーナーでトップを奪い取っていきます。

終盤のトップ争い
終盤のトップ争い

前へ出たリアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rのすぐ後ろ、1秒未満のところにぴったりとついてくるmuta Racing GR86 GT。しかし、前へと出るタイミングは無く、リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは逃げ切っての優勝を飾りました。

リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rチェッカーの瞬間
リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rチェッカーの瞬間

2022年チャンピオンの56号車 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは今季初勝利、そして名取鉄平選手はスーパーGTでの初優勝となります。

2位は2号車 muta Racing GR86 GT、3位は52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GT。

シリーズランキングトップは4位になった65号車 LEON PYRAMID AMG。開幕戦でポールからの2位で16ポイント、富士で4位の8ポイントの合計24ポイントでランキングトップとなり、ポイントを取りこぼさない大切さを教えてくれています。なお、リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは22ポイントでランキング2位となります。

リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rのドライバーと近藤真彦監督
リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rのドライバーと近藤真彦監督

次戦は6月3日(土)、4日(日)に鈴鹿サーキットで開催される2023 AUTOBACS SUPER GT Round3 SUZUKA GT 450km RACE。4連戦続く450kmレースの2戦目で、各チームのユニークな作戦を見ることが出来そうな予感がします。

GT300暫定表彰式
GT300暫定表彰式


●スーパーGT2023第2戦 富士 GT300決勝結果

順位 ゼッケン 車名 ドライバー 周回数
1 56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R J.P.デ・オリベイラ、名取 鉄平 93
2 2 muta Racing GR86 GT 堤 優威、平良 響、加藤 寛規 93
3 52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 吉田 広樹、川合 孝汰 92
4 55 LEON PYRAMID AMG 蒲生 尚弥、篠原 拓朗 92
5 10 PONOS GAINER GT-R 安田 裕信、大草 りき 92
6 88 JLOC ランボルギーニ GT3 小暮 卓史、元嶋 佑弥 92
7  6 DOBOT Audi R8 LMS 片山 義章、R.メリ・ムンタン、神 晴也 92
8 31 apr LC500h GT 嵯峨 宏紀、小高 一斗、根本 悠生 92
9  96 K-tunes RC F GT3 新田 守男、高木 真一 92
10 25 HOPPY Schatz GR Supra GT 菅波 冬悟、野中 誠太 92
11 61 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口 卓人、山内 英輝 91
12 20 シェイドレーシング GR86 GT 平中 克幸、清水 英志郎 91
13 7 Studie BMW M4 荒 聖治、柳田 真孝 91
14 50 ANEST IWATA Racing RC F GT3 I.オオムラ・フラガ、古谷 悠河、小山 美姫 91
15 27 Yogibo NSX GT3 岩澤 優吾、伊東 黎明 91
16 244 HACHI-ICHI GR Supra GT 佐藤 公哉、三宅 淳詞 91
17 11 GAINER TANAX GT-R 富田 竜一郎、石川 京侍 91
18 30 apr GR86 GT 永井 宏明、織戸 学、小河 諒 90
19 360 RUNUP RIVAUX GT-R 青木 孝行、田中 篤、大滝 拓也 90
20 48 植毛ケーズフロンティア GT-R 井田 太陽、田中 優暉 90
21 22 アールキューズ AMG GT3 和田 久、城内 政樹  89
22  5 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 冨林 勇佑、松井 孝允 87
23 60 Syntium LMcorsa GR Supra GT 吉本 大樹、河野 駿佑 74
R 18 UPGARAGE NSX GT3 小林 崇志、小出 峻 46
R  4 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口 信輝、片岡 龍也 42
R 87 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 松浦 孝亮、坂口 夏月 9

(写真:吉見 幸夫 文:松永 和浩

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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