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■300ccと155ccの計4バージョンをラインアップ
1946年から続く、伝統あるイタリアのスクーターブランドが「ベスパ」。そのフラッグシップモデルの「GTS」シリーズに、2023年モデルが登場しました。
スチール製ボディやフロントの片持ちサスペンションなど、ベスパが長年採用する基本構成を継承しながらも、パワフルなエンジンや洗練された外装などが特徴のGTSシリーズ。
その2023年モデルでは、300ccモデル2機種、155ccモデル2機種の計4バージョン構成となったほか、キーレスシステムなどの最新技術を投入することで、使い勝手などをアップデートしています。
●フロントサスペンションもアップデート
ベスパ伝統のスチール製ボディを採用しつつ、最新テクノロジーなども搭載することで、レトロな雰囲気と現代的なテイストを融合させたフラッグシップモデルがGTSシリーズです。
その2023年モデルでは、まずラインアップに155ccのi-get単気筒エンジンを搭載する「GTS150クラシック」と「GTS150スーパー」、300cc(排気量278cc)のHPE(ハイパフォーマンスエンジン)を採用する「GTS300スーパースポーツ」「GTS300スーパーテック」といった4バージョンを用意します。
いずれのモデルも、エンジンの性能向上やCO2排出量削減、低燃費化を実現。また、伝統の片持ちアームを持つ独自のフロントサスペンションも、システムを見直すことで、特に高速走行時の安定性を向上させたほか、快適性やハンドリング性能の改善にも貢献するといいます。
さらに、2人乗り時のパッセンジャー(後席乗員)にも配慮した新型シートを採用。他にも、キーレスシステムの導入により、エンジンの始動はもちろん、シート開閉やステアリングコラムのロックなどを、キーをイグニッションへ挿入しなくても操作できる機能も追加。操作に関する利便性の向上も図っています。
●新型GTS300スーパーテック
スポーティな外観と最新技術を融合させた、ベスパGTSモデルの最高峰がGTS300スーパーテックです。
エンジンには、最高出力23.8馬力を発揮する278cc・水冷単気筒エンジンを搭載。独特なサテンクロームグレー仕上げのボディパーツや、ダイヤモンドカット仕上げが美しいグラファイトカラーのホイール、専用グラフィックの描かれたシェードなどが、洗練された印象を与えるモデルです。
その2023年モデルでは、ボディカラーに「クオーツグレー(マット仕上げ)」と「ディープブルー」の2色を用意。いずれも、ステアリングコラムカバーの装飾や蛍光グリーンのフロントショックスプリングなども採用し、ボディカラーとのコントラストがより際立つ仕様となっています。
他にも、このバージョンでは、メーターに最先端のフルカラー4.3インチTFTディスプレイを装備。速度、総走行距離、部分走行距離、外気温、燃料レベルなど、さまざまな情報を表示することが可能です。
また、スマートフォンとバイクを接続できる「ベスパMIA接続システム」も標準装備(ほかの3バージョンはオプション)。スマホに専用の「Vespa MIAアプリ」をインストールし、Bluetoothで車両と接続することで、ツーリング時の走行データにアクセスできたり、ハンドルバーから手を離すことなく、通話の発着信、メッセージの受信、プレイリストの管理などを可能とします(日本国内では一部利用できない機能あり)。
価格(税込)は88万円です。
●新型GTS300スーパースポーツ
GTSシリーズのなかで、最もスポーティなデザインが施されたバージョンが、GTS300スーパーテックと同様のパワフルな278cc・水冷単気筒を搭載するGTS300スーパースポーツです。
外観は、グラファイトカラーのホイールに加え、ボディ細部のパーツをブラック仕上げに統一することで、高性能さをイメージさせる力強いスタイルを実現。
また、レッグシールド中央にあるベスパを象徴するステアリングコラムカバーをカーボン風仕上げにしたほか、蛍光オレンジのアクセントも加えることで、よりアグレッシブな印象を加味しています。
その2023年モデルでは、ボディカラーに光沢塗装の「イノチェンツァホワイト」と、マット(ツヤ消し)塗装の「オリーブ グリーン」といった2種類を用意。いずれも新しい専用グラフィックが施されていることで、より個性的なスタイルを実現しています。
価格(税込)は91万3000円です。
●新型GTS150スーパー
一方の155ccモデル。まず、現代的なスタイルと、ベスパの伝統を漂わせる細部のアクセントを融合させたバージョンがGTS150スーパーです。
主な特徴は、まず、グラファイトカラーのホイールに、ダイヤモンドカット仕上げを施すことで、最新のトレンドを演出。それに、パイピング付きシートなど、レトロなスタイルの装備が絶妙にマッチし、全体的にスタイリッシュな雰囲気を醸し出しています。
エンジンには、最高出力15.5馬力を発揮する排気量155cc・水冷単気筒エンジンを搭載。アイドリングストップ機能の採用により、高い燃費性能に貢献するほか、ASR(トラクションコントロール機能)の採用で、どんな路面状況でも安定した走行性能を実現します。
その2023年モデルでは、ボディカラーにグロッシーな「イノチェンツァホワイト」と「パッショーネレッド」の2色をラインアップ。いずれにも、多数のクロームメッキパーツを装備することで上質さを演出。フロントサスペンションのスプリングなど、各部にブラック仕上げのパーツも用いることで、スポーティなイメージも加味しています。
価格(税込)は64万9000円です。
●新型GTS150クラシック
シリーズ中で、最もベスパの伝統を感じられるデザインを採用したモデルがGTS150クラシックです。
エンジンには、GTS150スーパーと同じ155cc・水冷単気筒エンジンを搭載。「ネクタイ」の愛称を持つ伝統のステアリングコラムカバーなど、ボディ各部にクロームメッキパーツを施すことで、レトロで優美な雰囲気を演出していることが特徴です。
その最新モデルでは、ボディカラーに「サッビアベージュ」と「リラックスグリーン」といった2タイプをラインアップ。いずれも、グリップラバーと、フットボードラバー、ホイールリムなどにグレーの仕上げを採用。同じくグレーのシートには、縦方向に走るスリット状のパターンや、同系色のステッチも施すことで、上質さやビンテージ感も演出しています。
価格(税込)は64万9000円です。
なお、これら新型GTSシリーズの4バージョンは、2023年5月9日よりすでに発売中。出荷は2023年6月頃より順次開始される予定です。
(文:平塚 直樹)