■隙間時間で教育でき、イラストとアニメで分かりやすく交通ルールを学べる
このほどホンダは、「Honda交通安全かるた」をデジタル化し無償配布を開始しました。
「Honda交通安全かるた」は、交通ルールやマナーが親しみやすいイラストで分かりやすく紹介された教材。小学校の先生が、子どもたちへ向けて手軽に交通安全教育を実施できる内容になっています。
ホンダは、「2050年に全世界でホンダの二輪車と四輪車が関与する交通事故の死者をゼロにする」ことを掲げています。
目標を達成するため、多様な視点から安全に関する取り組みを実施。子ども向けの交通安全教育にも長年注力してきました。
ホンダによると、子どもが関与する交通事故は、14時~17時の下校時、放課後を中心とした時間帯に多く発生しているそうです。1人での行動が多くなる小学校入学前から、交通ルールや道路の安全な歩き方を覚えることがとても重要です。
また、通学路の危険な場所を親子で確認しながら、何度も一緒に歩いておきたいところ。筆者も子どもと同じ低い目線になり、事故が起こりやすい場所をチェックしながら教えたことがあります。
先述したように、ホンダは自社の車両が関わる死亡事故ゼロを目指すだけでなく、幼児から高齢者までさまざまな年代に向けた交通安全教育教材の開発、普及を推進しています。
その中で、小学校入学前の4~5歳の幼児、小学校低学年の児童を対象とした交通安全教育プログラム「できるニャンと交通安全を学ぶ」は、多くの自治体が活用しているそうです。
楽しんで学ぶことができるようにキャラクターが登場し、アニメでの問いかけを交えた対話型のプログラム、子どもが自ら考え行動する道路横断体験プログラムなど、安全な交通行動を学べる内容になっています。
こうした教育プログラムや教材は、1970年に設立された安全運転普及本部が開発し、全国の交通安全指導者や正規販売店などで活用されています。2022年度は、幼児や児童に向けた交通安全教室が全国で8400回以上開催され、合計46万人以上の子どもが参加。
なお、2022年には、ホンダの教材を使った交通安全教室の効果検証を実施し、受講直後には歩行状態の改善、横断歩道通行での手上げの増加、道路への飛び出しの減少が見られたそうです。
一方で、時間の経過とともに受講前の状態に戻る傾向が見られたとのことで、教育効果を維持するには、継続的な指導が必要ということも分かったとしています。
従来の教材は、年に数回実施される交通安全教室などの特別な授業で使われるものが多かったのに対し、「デジタル交通安全かるた」は日常的に継続した教育が可能になるように、小学校の朝の会や帰りの会などでの隙間時間を使って指導ができる教材として検討されたそう。
現場の声である先生方からの意見を参考に、短時間で教えることができ、子どもたちが楽しみながら安全な行動を意識できるような教材として開発されています。
「デジタル交通安全かるた」は、子どもたちに覚えてほしい45の交通ルールやマナーが、親しみやすいイラストやアニメでわかりやすく紹介されています。
パソコンやタブレット端末を使って、絵札を見て子ども自身が考え、読み札で答え合わせを行い、教員が解説するという構成。「安全な交通行動」や「命の大切さ」についてクイズ形式で楽しみながら、手軽に学べる教材になっています。
ホンダでは、子どもたちの安全意識を継続的に高めることを願い、小学校の先生を対象に無償配布することにしたそうです。
また、家庭向けとして「大切な命を守るための交通安全」を、かるたで遊びながら学べるホンダの交通安全かるたも販売されています。
(塚田 勝弘)
■デジタル交通安全かるたについての問い合わせ先
安全運転普及本部:TEL 03-5412-1150
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