トヨタ2代目「カローラ/スプリンター(E20系)」デビュー。レビン/トレノが生まれる2代目は43.9万円〜【今日は何の日?5月6日】

■ボディを大きくしてファミリーカーとしての快適性を追求

1970年に登場した2代目カローラ
1970年に登場した2代目カローラ

1970年(昭和45年)5月6日、トヨタから2代目「カローラ/スプリンター」が発売されました。

1966年に登場した初代カローラは、手頃な大衆車として大ヒット。引き継いだ2代目は、ボディとエンジンを拡大してファミリーカーとして快適性をさらに向上させたのです。

●初代カローラはサニーに対抗して排気量を100ccアップし登場

日産自動車の「サニー」から遅れること約半年、初代カローラ(E10系)がデビューしました。1961年にデビューした小型大衆車「パブリカ」が簡素過ぎて不評だったため、ユーザーの上級志向に応える大衆車となることが、カローラの使命でした。

1966年の誕生して大ヒットした初代カローラ
1966年の誕生して大ヒットした初代カローラ

ライバルのサニーに負けられないトヨタは、“プラス100ccの余裕”というキャッチコピーで、サニーより100cc排気量が大きい、最高出力60PS を発揮する1.1L直4 OHCエンジンを搭載。スタイリングは、当時最先端のセミファストバックが採用されました。

サニーより遅れてデビューしたカローラですが、標準仕様で43.2万円というリーズナブルな価格設定もあり、販売台数でサニーを凌ぎ、発売から3年半で100万台を超える、当時のミリオンセラー最短記録を達成。日本を代表する大衆車トップの座を獲得します。

●ボディとエンジンを大きくして上級化を図った2代目

ライバルのサニー初のモデルチェンジに対抗する形で1970年5月6日に登場したのが、2代目カローラ/スプリンター(E20系)です。

ボディタイプは、2/4ドアセダンに2ドアクーペ、3/5ドアライトバンを用意してユーザーの多様性に応えました。最大の特長は、ホイールベースを50mm伸ばして全長で90mm、全幅で20mmほどボディを拡大し、車室内空間を広げてファミリーカーとして快適性を向上させたことです。

2代カローラのリアビュー(4ドアセダン)。全体的にやや膨らみを帯びたスタイル
2代カローラのリアビュー(4ドアセダン)。全体的にやや膨らみを帯びたスタイル

パワートレインは、1.2L直4 OHVエンジンのチューニングを変えた3機種と4速MTおよび2速ATの組み合わせ。さらに、ボディサイズの拡大に合わせて、1.4Lエンジンが搭載された「カローラ1400」が追加され、ファミリーカーの概念を超えた上質なクルマとして高い評価を受けました。車両価格は、大型化、上質化したにもかかわらず、初代とほぼ同額の43.9万円でした。

またこの2代目を機に、1968年に設定されたスポーティなクーペスタイルの「カローラスプリンター」は、単独ネームの「スプリンター」となり、それぞれ独立した兄弟モデルが誕生したのです。

●カローラレビン/スプリンタートレノも登場

そして1972年3月には、カローラ/スプリンターの2代目で、初めて「カローラクーペ/スプリンタークーペ」よりさらにスポーティなモデルとして初代「カローラレビン/スプリンタートレノ(TE37型)」が追加されました。

1972年に追加されたカローラのホットモデル・カローラレビン
1972年に追加されたカローラのホットモデル・カローラレビン

レビン/トレノは、クーペボディに「セリカ1600GT」に搭載されていたパワフルな2T-G型1.6L DOHCエンジンを搭載。ハイオク仕様が115PS、レギュラー仕様が110PSを発揮し、セリカよりも小柄なボディだったレビン/トレノが飛ぶように走るのは当然のこと、まさにホットモデルとしてデビューしたのです。

ちなみに、レビン/トレノの中でも特に人気が高い4代目の名車AE86が登場したのは、1983年のことです。


初代で大ヒットしたカローラ、2代目は市場のマイカーブームや上級志向に応える形で、大型化やパワーアップを追求。初代に続いた2代目カローラは、ベストセラーカーの地位を盤石にした貴重なモデルだったのです。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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