ホンダ「シビック・タイプR」、ニュルブルクリンク北コースのFF最速ラップタイム更新!

■先代の7分43秒80から現行型は7分44秒881に。その理由とは?

2023年4月20日現在、タイプRも含めてホンダ・シビックは、半導体不足により一時的にオーダーストップとなっています。とくにタイプRは、長い納期待ちも含めて、今から手に入れるのは受注が再開されたとしてもかなり先の話になりそうです。

ニュルブルクリンク北コースでFF最速ラップタイムを記録したシビック・タイプR
ニュルブルクリンク北コースでFF最速ラップタイムを記録したシビック・タイプR

いずれにしても現行型は、史上最高、史上最速のシビック・タイプRであることは間違いないでしょう。

そして、またしても! タイムアタックの聖地、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースでFF最速を記録したというニュースが飛び込んできました。

ニュルブルクリンク北コースでFF最速のラップタイムを記録したシビック・タイプR
ニュルブルクリンク北コースでFF最速のラップタイムを記録したシビック・タイプR

シビック・タイプRといえば、最終モデルの発売がアナウンスされたルノー・スポールのメガーヌ R.S.と同コースでのFF最速タイムを競ってきました。季節や天候など同一条件下ではないため、あくまで参考記録とはいえ、その速さをアピールするトピックスになっています。

新型(現行)タイプRもFFモデルで最速(ホンダ調べ)の7分44秒881のラップタイムを記録しました。なお、このタイムは、ニュルブルクリンク公式測定値で、2019年より制定されたニュルブルクリンク公式ルールに基づいている、北コース(Nordschleife:ノルトシュライフェ)20.832kmでの測定値。2019年以前は、20.600kmでの測定かつNürburgring非公式タイムになります。つまり、2019年以前よりも現在の公式タイムの計測距離は、わずかに延びています。

新型シビック・タイプRの走行シーン
新型シビック・タイプRの走行シーン

先代タイプRは、2017年4月に7分43秒80と発表されています。先述したように、今回は、ニュルブルクリンク公式ルールに基づいたタイム。なお、先々代のラップタイムは7分50秒63 (ホンダ測定値)で、先代は先々代から6秒83も更新していました。

メガーヌR.S.トロフィーは、2019年4月に7分40秒100を記録。新型シビック・タイプRと同じ20.832kmのコースでの公式タイムでは、7分45秒389でしたので、今回、7分44秒881を記録した現行タイプRが最速の座に輝いたことになります。

現行タイプRは、乗り心地の良さ、低回転域から扱いやすいエンジンや6MTのシフトフィールが美点で、ホンダは、スポーツモデルの本質的価値である「速さ」、官能に響く「ドライビングプレジャー」を両立した究極のピュアスポーツ性能を目指したとしています。

新型シビック・タイプRのニュルブルクリンク北コースでの走行シーン
新型シビック・タイプRのニュルブルクリンク北コースでの走行シーン

最速ラップタイムをたたき出した技術としては、まずエンジンがあります。新型は、先代の2.0L VTECターボエンジンをベースに、ターボチャージャーの刷新などにより最高出力243kW、最大トルク420Nmを発揮。

また、フロントグリル開口面積拡大、ラジエターの有効開口面積の拡大などにより、冷却性能、排熱と空力性能の向上が盛り込まれています。前後ともに、細部の形状にこだわったデザインにより効果的にダウンフォースを高め、限界走行時の安定性も向上。

さらに、先代から採用されている2ピースディスクブレーキシステムのマスターパワーの特性が変更され、低速から高速までのさらなるブレーキのコントロール性も追求されています。ブレーキへの導風効率も高まり、クローズドコースでの連続走行時におけるブレーキ温度の上昇を低減。これにより、安定したブレーキ効力と耐フェード性が得られているそうです。

「MICHELIN PILOT SPORT CUP 2 CONNECT」をミシュランと共同開発された
「MICHELIN PILOT SPORT CUP 2 CONNECT」をミシュランと共同開発された

また、標準で装着される「MICHELIN PILOT SPORT 4 S」の開発ノウハウが活かされた「MICHELIN PILOT SPORT CUP 2 CONNECT」が、ミシュランと共同開発されたのも見逃せません。サーキットでの走行性能をより高め、ドライグリップ性能を向上させるとともに、バランスのよいハンドリングに寄与しているそう。

なお、MICHELIN PILOT SPORT CUP 2 CONNECTのタイヤサイズは、前後ともに265/30ZR19(93Y)XL HOとなっています。

新型シビック・タイプRのニュルブルクリンク北コースでの走行シーン
メガーヌR.S.トロフィーを抜いて最速ラップタイムを記録

こうしたニュースに接すると、すでにオーナーの方はより愛車に愛着がわくでしょうし、納車待ちという方は、いつ手元に来るのかより心待ちになりそうです。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる