■湾曲したドライバーディスプレイはタイカンのものより若干コンパクト化
ポルシェは現在、エントリークロスオーバーSUV「マカン」次期型、およびフルエレクトリック「マカンEV」を開発中ですが、マカンEVの最新プロトタイプを捉えるとともに、そのコクピットをカメラが初めて鮮明に捉えました。
印象的なのは、ほとんどの機能へのアクセスがメイン画面に統合されているため、タッチコントロールが少ないことです。
そのコクピットは、タイカンに似たデジタルインストルメントクラスターと、インフォテイメントディスプレイのデュアルスクリーンで構成されていますが、湾曲したドライバーディスプレイはタイカンのものより若干、コンパクト化されているようです。
またタイカンでは、センターコンソールの下部に別のタッチスクリーンが取り付けられていますが、マカンEVでは気候制御設定にアクセスするための、従来からの5つのトグルスイッチを備えたタッチセンシティブパネルが配置されています。
現行型のガソリン燃料マカンと比較すると、ソフトキーが少ないため、EVマカンではキャビンがすっきりしている印象が伺えます。
ダッシュボードの助手席側にある光沢のある黒いパネルは、オプションのサードスクリーンの可能性が高いです。ドライバーズディスプレイとタッチスクリーンの間にはギアセレクターがあり、ステアリングホイール(ドライブモードセレクター付き)はタイカンから引き継がれているようです。また、シルバーとメタリックのアクセントが施されたインテリアドアパネルも確認できます。
インストルメントクラスターのクローズアップ画像を見ると、82%の充電状態を示しており、航続距離が145マイル(234km)しか残っていないことが見てとれます。ただし、プロトタイプが生産仕様のバッテリーパックではない可能性があるか、極端なテストにより、効率が低下しているのではないかとも推測できます。
エクステリアショットでは、EVマカンをICEモデルとほぼ同じに見せるために、おなじみの欺瞞的なカモフラージュがいまだになされています。
生産仕様のヘッドライトとテールライトは、現行モデルのライトを模したステッカーの後ろに巧妙に隠され、ダミーのデュアル排気口を装備。フロントグリルやCピラーまでもがデカール(転写シート)です。
また足回りには、21インチのホイールにフロント255/45、リア285/40のウィンタータイヤを装着していることが確認できます。
市販型プラットフォームは、アウディと共同開発する「PPE」を採用。100kWhのバッテリーパックに対応するように開発されており、使用可能容量は96~98kWhで270kW以上の急速充電に対応します。
また、デュアルモーターのセットアップにより、最高出力は603ps、最大トルクは1000Nmを発揮するとみられるほか、48:52の重量配分、800Vセットアップ、リアの電子ロックディファレンシャル、全輪駆動、後輪ステアリング、および最大22インチのホイールの提供が予定されています。後輪駆動となるシングルモーターバージョンも導入されると予想されます。
マカンEVのワールドプレミアは11月のロサンゼルスモーターショーが有力視されており、マカン次期型との同時発表に期待がかかります。