■電動化モデルが世界的に権威のあるデザイン賞を獲得
ヤマハ発動機の電動トライアルバイク「TY-E 2.0」と、バッテリー着脱式電動スクーター「NEO’S」が、世界的に権威のあるデザイン賞「Red Dot Award:プロダクトデザイン2023」を受賞しました。同社製品の「Red Dot Award」の受賞は、2012年から12年連続になります。
「Red Dot Award」は、ドイツの「Design Zentrum Nordrhein Westfalen(ノルトライン・ヴェストファーレン・デザインセンター)」主催による、世界的な格式の高いデザイン賞です。
電動トライアルバイク「TY-E 2.0」は、2022年3月に発表。軽量化や剛性の最適化に貢献するコンポジット(積層材)モノコックフレームを採用。パワーユニットやバッテリーのレイアウトが見直され、前モデルよりも大幅な低重心化を達成しています。
「内燃機関を上回る楽しいEV」の開発に向けたアプローチとして、幅広く難度の高い運動性能が求められるトライアル競技のフィールドで、その実現を目指す研究開発を目的としたレース実証車両です。電動ならではの高度な駆動力制御や大容量軽量バッテリーが搭載され、内燃機関搭載車との混走となる世界選手権にチャレンジしています。
「FUN×EV」というコンセプトを掲げ、電動ならではの力強い低速トルクや加速性能などが魅力。電動化することで、先述したように、内燃機関を上回る楽しさを目指しています。アウトドアシーンをはじめ、インドアでのトライアルをより身近なものにし、モータースポーツとして楽しむことができる可能性もあるそうです。
デザインは、トライアルライドでよく見られる、静止した状態から岩壁を駆け上がるような「静」と「動」の動きがイメージされています。
バッテリー着脱式電動スクーター「NEO’S」は、2022年3月に欧州で発売されました。シンプルでスタイリッシュなボディ、電動モデルならではの機敏で滑らかな走行が美点。
欧州では、内燃機関の進入禁止などの都市制度の変化や駐車問題、渋滞などにより、四輪車通勤から二輪車通勤へ切り替える新規層、従来の50ccスクーター利用者層の電動シフトの市場のニーズに応えるモデルです。
「New STD Mobility for Next generation」というコンセプトを掲げ、50.4Vの着脱式バッテリーとブラシレスモーターをスタイリッシュなボディに搭載し、EVならではの機敏で滑らかな走りが得られるそう。航続距離は満充電で約37km、セカンドバッテリー(別売)の併用も可能です。
(塚田 勝弘)