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■モーターサイクルショーの主役「Ninja ZX-4RR」
五十路でリターンライダーした自動車コラムニストの山本晋也が経験したことや、ライダーに戻って気づいたことなどを毎週お伝えしている連載「バイクのコラム」ですが、今週も第50回 東京モーターサイクルショーの観覧レポートです。
筆者がメインで楽しんでいるバイクは、ホンダCBR1000RR-R FIREBLADEという200馬力超の4気筒エンジンを積むリッターバイクで、いわゆるスーパースポーツと呼ばれるカテゴリーのフラッグシップといえるモデル。
そんなこともあって、4気筒エンジンでフルカウルのスーパースポーツ系モデルというのは、個人的な目線でも気になる存在。
今回の東京モーターサイクルショーでは、カワサキが久しぶりにリリースした400cc級4気筒エンジンを積む「Ninja ZX-4RR」が展示されるということで、入場して、いの一番に見に行ってきたのでした。
Ninja ZX-4RRを見ての第一印象は「意外にコンパクト?」というものでした。
400ccのスーパースポーツということで、ミドル級(600cc以上)のサイズ感をイメージしていたのですが、個人的な想像よりはギュッと凝縮した印象。お立ち台の上に飾られていたことも影響しているかもしれません。
基本的には250ccの4気筒エンジンを積むNinja ZX-25Rと同じ車体ということなので、コンパクトに感じるのは当然といえます。そうはいっても、会場に置かれていたZX-25Rと見比べると、同じ車体という風に感じなかったのは、400ccエンジンを積んでいるという先入観ゆえでしょうか。
個人的に、ZX-4RRで気に入ったのは、スッと伸びたサイレンサーのたたずまい。排ガス規制をクリアするための触媒なども目立たないよう処理されていたのは、美学を感じさせるものでした。
●バイクとしては高価だがBMW Mとしては安い?
冒頭で記したように、個人的にリッターバイクのスーパースポーツに乗っている身としては、ライバルモデルも気になります。
東京モーターサイクルショーのタイミングで発表された新型BMW M1000RRは、その最たるものといえるでしょう。
心臓部である1.0L級の4気筒エンジンが発する最高出力は、156kW(212PS)。このスペックは従来モデルと変わっていませんが、最新版では最高速を306km/hから314km/hに向上しているというのがアピールポイント。
エンジンをそのままに最高速を上げた理由は空力性能で、M1000RRのカーボンカウルには、非常に大きなウイングが備わり、フロントスクリーンもライダーを覆うように大型化。フロントにはカーボン製のブレーキ冷却ダクトも備わっています。
メーカー希望小売価格は、スタンダードで384万9500円、M Competition Package(プレミアム・ライン)で448万8500円と非常に高価。それでも、価格以上の満足感がありそうと感じたのは、四輪のMモデルに比べると半額以下の価格設定だからでしょうか。
●気になったフルカウルモデルたち
フルカウルをまとったスーパースポーツとして、もっと身近なニューモデルがヤマハ発動機が展示していたYZF-R15です。
原付二種のYZF-R125も発売予定となっていますが、こちらはエンジンをスープアップした軽二輪バージョンといえるもの。
水冷・単気筒エンジンなのでボディもスラっとしていますし、おそらくかなり軽量に仕上がっているでしょうから、身の丈にあったライディングが楽しめそうです。
4気筒エンジンを積んだバイクとして見逃せないといいますか、会場を訪れた観客の多くがチラ見していたのが「白バイ」でしょう。
幸い、リターンライダーしてからはお世話になったことはないのですが、白バイを間近でじっくり見る機会はなかなかありません。
驚いたのは、白バイの車両総重量は365kgもあるということです。それだけ重いボディを自由自在にひらひらと操る白バイ隊員のスキルを考えると、リッタースーパースポーツに乗っていたとしても、白バイから逃げようなどと考えないほうが身のためと、あらためて思ったのでした。