EV版Gクラス・「EQG」はガソリン版Gクラスを圧倒する走破性

■最新リチウムイオンバッテリーを初搭載、航続距離が大幅に拡大

メルセデス・ベンツは現在、人気オフローダー「Gクラス」のフルエレクトリックバージョンとなる「EQG」(仮称)を開発中ですが、その最新プロトタイプ2台をカメラが捉えました。

メルセデス・ベンツ EQG 市販型プロトタイプ スパイショット
メルセデス・ベンツ EQG 市販型プロトタイプ スパイショット

北欧で捉えた2台のプロトタイプは、カモフラージュが少しずつ落とされ、徐々に市販型へ完成しつつあるようです。どちらもフロントにはスキッドプレートを初装着、フロントグリルの一部はクローズドスタイルで、フロントバンパーはすべて新設計されています。

また、フェンダーフレアとリアバンパーも刷新、ナンバープレートホルダーを収容する中央エリアが改善されています。足回りでは専用のエアロホイールを装着、空気抵抗を最小限に抑えるのに役立ち、通常のセットに比べて航続距離が伸びるはずです。

メルセデス・ベンツ EQG 市販型プロトタイプ スパイショット
メルセデス・ベンツ EQG 市販型プロトタイプ スパイショット

注目は、初めて捉えたアンダーフロアです。そこには、ショックアブソーバ、コントロールアーム、電動パワーステアリングラック、スタビライザー、ディファレンシャルなどが見てとれます。さらにラダーフレームも見え、Gクラスの走破性を継承することがわかります。

初めて見た白と黒でカモフラージュされたプロトタイプは、フロントグリルにメッシュのカバーを装着、前後バンパーにも若干の違いが見られます。さらに、ブルーのプロトタイプで見られた、リアフェンダー謎のベントも削除されており、これらの変更が異なるトリムレベルを意味するのか、今後明らかになるでしょう。

キャビン内では、ドライバー側からセンタースタックまで広がるワイドなデジタルディスプレイが搭載されています。新設計のフラットボトムステアリングホイールなど、ベースとなるGクラスと非常に似たレイアウトに見えます。

中央にある丸いエアベントと、ボタンのあるクラスターも一見同じですが、Gクラスがオフロード走行のために3つのロッカースイッチを配置するのに対し、EQGでは「ローレンジ」ボタンと「Gターン」機能を有効にするスイッチが収まっています。

メルセデス・ベンツ EQG 市販型プロトタイプ スパイショット
メルセデス・ベンツ EQG 市販型プロトタイプ スパイショット

市販型では、独立したフロントサスペンションとリジッドリアアクスルを装備し、4つの電気モーターを搭載。Gターン(ドーナツターン)モード、およびファンが期待するすべてのオフロード機能も搭載されているといいます。

メルセデス・ベンツは、「巨大な牽引力と制御性を備えている。これは、急な坂道や深い地形でも有利であることを証明している。」と語っており、ガソリンエンジンを原動力とするバージョンを圧倒する可能性があります。

またオプションで、シリコンアノード技術を採用したリチウムイオンバッテリーをメルセデス・ベンツで初搭載すると発表しています。これは、エネルギー密度を20~40%増加させ、セルレベルで800Wh/L以上を可能にするというもので、同じバッテリースペースに多くのエネルギーを蓄電できるようになり、航続距離が大幅に拡大することが見込まれるといいます。

現在、メルセデス・ベンツは「EQ」ブランド廃止に向けて動いている可能性が高く、市販時には「EQG」を名乗るか断言出来ませんが、そのワールドプレミアは2023年内と予想されます。

(APOLLO)

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アポロニュースサービス代表取締役。1965年東京生まれ・世田谷区在住。通信社を経て1996年に独立、レンタルポジ&ニュース配信会社アポロニュースサービスを設立した後、2016年にはカーメディア「Spyder7」編集長に兼任、多数のメディアへ新車スパイショット配信も手掛けております。
通信社入社と同時に新車スクープに関わり、これまで35年間、新型モデル開発を追い続け、現在は新車スクープ原稿を年間800本以上執筆、日本で一番新車スクープ記事を書く男としてギネス申請中!?
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