さらば「カムリ」。トヨタの稀少セダン、次期モデルから海外専用車に!?

■車種削減で「カムリ」の国内販売を終了

年内にフルモデルチェンジが予想されているトヨタのミッドサイズセダン、トヨタ「カムリ」。

次期「カムリ」のエクステリア(筆者予想)
次期「カムリ」のエクステリア(筆者予想)

次期モデルにおいても、スポーティな走りを予感させるスタイリングを継承するようで、年内にも正式発表が予想されている「クラウン スポーツ」似のフロントマスクを採用するようです。

プラットフォームは現行カムリやレクサスNX、RAV4、ハリアー等が使用する従来版「GA-K」に対し、現行のクラウン クロスオーバーと同様に進化版「GA-K」を採用。パワートレーンについても第5世代ハイブリッドシステムに一新。

安全装備も最新のトヨタセーフティセンス搭載が見込まれます。

現行のA25A-FXS型エンジン(2.5L直4178ps/22.5kgm)+モーター(120ps/20.6kgm)に代わり、新型クラウンに搭載の改良版(2.5L直4186ps/22.5kgm)+モーター(119.6ps/20.6kgm)を搭載。

HEV(ハイブリッド)としてのシステム最高出力は、211psから234psへと向上する見込みで、新型プリウスのようなハイパワーバージョンのPHEV登場も期待されています。

●海外専用車として存続へ

そうした中、大手新聞が2023年3月22日、カムリの国内販売終了に関する報道を掲載。国内のセダン需要低迷に伴い、トヨタが各販売店に同車の国内販売終了を通達したとしています。

現行カムリのエクステリア
現行カムリのエクステリア

カムリは1980年に誕生後、2017年開催の米デトロイトショーでデビューした現行モデルで10代目を数えますが、報道内容が具現化すれば国内市場における43年の歴史に幕を下ろすことに。

ミッドサイズセダンの同車は近年のSUVやミニバン人気に押され月間数百台レベルの販売が続くなど、低迷が顕著なため、国内市場での販売に終止符を打ったものとみられます。

一方、米国や中国では広い車内空間や使い勝手の良さで人気があるため、生産・販売を続けるそうで、国内でも輸出用の生産は続ける模様。

●カムリの国内需要は兄貴分のクラウンが担う

現行カムリのリヤビュー
現行カムリのリヤビュー

ちなみにカムリの車両価格は349.5~468.2万円。

クラウン クロスオーバーのエクステリア
クラウン クロスオーバーのエクステリア

一方、セダンからSUVにジャンルを移したクラウン クロスオーバーの車両価格は435~640万円とワンランク上ですが、今後同シリーズにセダンが加わることもあり、同車がカムリの需要を担うことになりそうです。

トヨタでは先日の「パッソ」に関する記事でも触れたとおり、2025年までに国内で販売する車種数半減(約60→30)を目指しています。

思い返せば、クラウンがクロスオーバー化されるとの情報も、新聞報道がいち早く先行しました。

次期「カムリ」のサイドビュー(筆者予想)
次期「カムリ」のサイドビュー(筆者予想)

今回の報道内容もかなり現実味を帯びていることから、カムリの海外モデル化は間違い無さそうで、トヨタのセダンがまた一台、国内から消えることに一抹の寂しさを感じざるを得ません。

しかし、次期カムリの輸出用生産が国内工場で継続された場合、国内市場の反響次第では部分的な導入が検討される余地は残されており、今後も同車の動向から目が離せません。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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