■「LiDAR」(ライダー)を使用したレベル3自動運転システム
ジェネシスのフラッグシップセダン「G90」プロトタイプをカメラが捉えました。
第2世代となる現行型G90は、2021年に登場したばかりの新型モデルです。改良型には少し早く、このプロトタイプは「LiDAR」(ライダー)を使用したレベル3自動運転システムを搭載したプロトタイプだということがわかりました。
LiDARはレーザー光を使ったセンサーで、対象物の距離をはじめ、位置や形状まで正確に検知する高度センサー技術です。
捉えたプロトタイプは、従来のカモフラージュがなく、フロントエンドだけが黒いプラスチックで覆われています。この黒いプラスチックと布の下に隠れているのが、グリルに組み込まれた多数の新しいセンサーと思われます。このセンサーにより、レベル3の自動運転システムが搭載できるようになるといいます。
ロータスSUV「エレトレ」や、ボルボ「EX90」はルーフにセンサーが取り付けられているのに対し、ジェネシスは大型グリルに装備します。そのサイズは不明ですが、それほど突き出ていないため、LiDARがより適切に統合されているという印象です。
LiDARをフロントエンドに組み込むのはG90が最初ではなく、米EVスタートアップの高級セダン「ルーシッド・エア」第2世代でも採用されています。
ヒョンデグループがレベル3のセットアップを提供するのはジェネシスだけではありません。起亜自動車の「EV9」がハイウェイ・ドライビング・パイロット(HDP)を取得することがすでに確認されているからです。G90では、LiDARが標準装備されるのではなく、オプションでの提供が予想され、搭載モデルのパワートレイン変更はないと見ています。
おそらく最高出力375ps・最大トルク530Nmを発揮する3.5リットルV型6気筒ツインターボエンジンや、最高出力409ps・最大トルク549Nmを発揮する48ボルト「e-スーパーチャージャー」搭載モデルがキャリオーバーされると思われます。
G90のレベル3パッケージとLiDAR搭載には、約5,000ドル(約57万円)の費用がかかると予想されますが、今後数年内には同テクノロジーがコンパクトで手頃な価格帯のモデルに移行することが期待できるでしょう。
このシステムが搭載されるのは早ければ2023年内で、ライバルのレクサス「LS」に差をつけると予想されます。