ホンダ車の「新車を買った時じゃなく後から付けた純正アクセサリー」ランキング。第1位は、ホンダ全車に用意される「キーカバー」

■実は、ディーラーオプションは新車購入時以外でも装着できる

突然ですが、皆さんはディーラーオプションと聞いてどんなイメージをお持ちでしょうか?

「新車購入時に装着してそれで終わり」。

そう。もしかするとそう考えている人が少なくないのかもしれませんね。でも、実はそうじゃありません。

クルマのオプションには「メーカーオプション」と「ディーラーオプション」の2通りがあり、前者は基本的に新車購入時しか選択できません。しかし後者は新車購入時だけでなく、すでに購入したクルマや、中古車にも取り付け可能なのです。

何が言いたいか。新車購入時だけで終わらせていたらもったいない!ってことですよ。

54

もちろん、それをしっかり理解していて、すでに手元にあるクルマにディーラーオプションを追加装着するユーザーさんだって少なくありません。となれば気になるのが、みんながどんなディーラーオプションをクルマの納車の後に装着しているのかってことですよね。

ホンダ車には多くの純正オプション品が用意されている
ホンダ車には多くのディーラーオプションが用意されている

というわけで今回、ホンダ車の純正アクセサリーについて、ホンダアクセスの販売データから「新車購入時ではなく、すでに手元にあるクルマに装着されたディーラーオプション品のランキング」を調べてみました。

ホンダアクセスは、ホンダ車両のアクセサリー(純正のディーラーオプション)を企画・開発、そして販売しているホンダの関連会社。つまりホンダ車を買ったときに装着するディーラーオプションを担っている会社です。

このランキングは、そんなホンダアクセスのデータからまとめたもので、つまりホンダ車のみが対象です。新車装着時に取り付けたと思われるもの、それから消耗品(エアコンフィルターなど)やワイパーブレードなどは除外しています。すなわち消耗品ではなく、新車購入後に取り付けた、ホンダ車用純正アクセサリーのランキングというわけですね。

●ホンダ車ユーザーが「すでに乗っているクルマに装着する純正アクセサリーアイテム」の販売ランキングトップ10を見てみよう

では、10位から見てみましょう。


・10位 ラゲッジトレー

適合車種:軽自動車、ミニバン、SUV各車
価格帯(税込):8,800~1万9,800円

荷室の床に敷いて、汚れるのを防ぐラゲッジトレー。防水かつふちがあるので濡れたものや汚れものも気兼ねなく置ける。
荷室の床に敷いて、汚れるのを防ぐラゲッジトレー。防水、かつ縁があるので濡れたものや汚れものも気兼ねなく置ける
クルマによっては倒した―シート部分まで覆うラゲッジトレーも用意されている
クルマによっては、倒したシート部分まで覆うラゲッジトレーも用意されている


傷や汚れなどを防ぐために、荷室の床へ敷くトレー。縁が高くなっているから、泥汚れや雪などがトレーの外へ漏れ出しにくい。


・9位 ルーフコンソール

適合車種:N-BOX、N-VAN、STEP WGN
価格帯(税込):1万7,600~2万6,400円

頭上空間を有効活用して収納上手になるルーフコンソール
頭上空間を有効活用して収納上手になるルーフコンソール
ルーフコンソールにはボックスティッシュが収まり、そこからティッシュを引き抜けるスリットがあるのも便利
ルーフコンソールにはボックスティッシュが収まり、そこからティッシュを引き抜けるスリットがあるのも便利


フロントウインドウの視界にも影響せず、頭上のデッドスペースを有効活用。ドライバーの手の届く範囲の収納力を高める。


・8位 Honda Dog(ホンダドッグ)シリーズ

適合車種:全車種
価格帯(税込):3,300~2万5,300円


わんこをモチーフにしたアクセサリーから、わんこを車内に乗せる際のシートやサークルまで、ペット愛好家のためのアイテムをラインナップ。愛犬家に好評だという。


・7位 LEDルームランプ交換バルブ

適合車種:全車
価格帯(税込):3,850円

白い光が特徴のLEDルームランプ
白い光が特徴のLEDルームランプ
右側がノーマルで、左がLEDルームランプ
右側が標準装備の電球で、左が純正アクセサリーのLEDルームランプ
LEDルームランプは電球をLED発光のタイプに取り換える
LEDルームランプは電球をLED発光のタイプに取り換える方式


ルームランプの光源を白い光で明るいLEDに交換できるバルブ。ラゲッジルームランプやバックドアランプにも使えるほか、スライドドア車のカーテシーランプ用も用意している。


6位 パーキングセンサー(フロント用)

適合車種:一部車種
価格帯(税込):2万6,400~2万9,150円

「パーキングセンサー(フロント用)」はバンパーに組み込んだセンサーが障害物を検知し、ドライバーに接近を伝えます。
「パーキングセンサー(フロント用)」はバンパーに組み込んだセンサーが障害物を検知し、ドライバーに接近を伝えるもの

車両前方の障害物を検知すると、障害物までの距離によって3段階でドライバーに警告し、接触を防ぐアイテム。リヤに加えて納車後にフロントへ追加するパターンも多い模様。


・5位 オートリトラミラー

適合車種:一部車種
価格帯(税込):1万1,000円

24
ドアロック/アンロックに連動してドアミラーが自動で畳まれ、自動で展開する便利機能のオートリトラミラー
ドアミラーが起きた状態
ドアミラーが展開した状態
ドアミラーが畳まれた状態
ドアミラーが格納された状態


ドアロックすると自動的にドアミラーを畳み、アンロックで自動的に展開。昨今は駐車時にドアミラーを畳む人も多く、そのわずらわしさを解消してくれる有用なアイテム。また、ドアがロックされているかを視覚的に確認できるのもメリット。車両に標準装備されていない車種に対して設定している。


・4位 アルミホイール用ホイールナット

適合車種:全車
価格帯(税込):3,080~3,850円

「アルミホイール用ホイールナット」キャップタイプ
「アルミホイール用ホイールナット」キャップタイプ
足下をドレスアップする「アルミホイール用ホイールナット」ブラック/キャップタイプ
足下をドレスアップする「アルミホイール用ホイールナット」ブラック/キャップタイプ
足下をドレスアップする「アルミホイール用ホイールナット」
足下をドレスアップする「アルミホイール用ホイールナット」


ホンダ車はスチールホイールとアルミホイールではナットの座面が違います。安全なドライブのためにもホイール交換の際には、アルミホイール用ナットをセットで交換しましょう。ナットの錆が気になってきた…なんてときも。


・3位 リモコンエンジンスターター

適合車種:全車種
価格帯(税込):3万800〜3万6,300円

寒い地域で好まれる、リモコンエンジンスターター
寒い地域では必需品、リモコンエンジンスターター


離れた場所からエンジンをかけて暖機運転ができるアイテム。寒い地域では暖機運転とエアコンで室内を温めるために重宝する。納車後、冬になるタイミングで取り付ける人も多いというが、実は夏も小さいお子さんのいる家庭でも便利とか。


・2位 ドアハンドルプロテクションカバー

適合車種:ほぼ全車種

価格帯(税込):5,500~1万1,000円

ドアハンドルまわりのキズを防ぐドアハンドルプロテクションカバー
ドアハンドルまわりのキズを防ぐドアハンドルプロテクションカバー

キズが付きやすいドアハンドルの周りを保護するカバー。さりげないドレスアップになるクロームメッキの「カバー」のほか、同様の機能を持つアイテムとして透明な「フィルム」もある。


・1位 キーカバー

適合車種:全車種

価格帯(税込):1,430~4,400円

樹脂製キーカバーのひとつ
樹脂製キーカバーのひとつ
好みに応じて選べ、リーズナブルだから気軽なキーカバー
好みに応じて選べるキーカバー。リーズナブルだから気軽に着せ替えできる


スマートキーの保護に加えて、アクセサリー感覚でスマートキーをオシャレに見せるカバー。柄を楽しむ樹脂製とシンプルなシリコン製、さらには本革製も用意している。


●後から装着する純正アイテムは、実用品の人気が高い?

新車購入後、しばらくしてからも純正アクセサリーは購入可能
新車購入後、しばらくしてからも純正アクセサリーは購入可能

こうしてランキングにして並べてみると、「なるほど、これは便利だね」という実用アイテムが多い印象ですね。また、ラゲッジトレーやルーフコンソールのように「こういうのがあれば、たしかに使い勝手がよくなる」というアイテムがランクインしているのも、納得です。実際にクルマを使ってみて、「さらに愛車を賢く、便利に使いたい」という人が多いのではないでしょうか。

いずれにせよ、ディーラーオプションは新車購入時だけでなく(在庫さえあれば)その後も購入・装着できるし、もちろん中古車にだって取り付けできます。だから実際にクルマを使ってみたうえで、じっくりとオプションカタログに目を通してみるといいかもしれませんね。

●キーカバーはキーを保護しつつ、アクセサリーとしてお洒落に演出

ところで、気になったのはランキング1位の「キーカバー」と8位の「Honda Dogシリーズ」。せっかくなのでもう少し注目してみましょう。

まずはキーカバー。

キーカバーにはさまざまな種類がある
キーカバーにはさまざまな種類がある

ホンダ車には軽自動車用の小さいタイプ、普通車(登録車)用の大きめのタイプ、そして新型ヴェゼル以降に使われている普通車用の新デザインと、合計3タイプのキーがあります。もちろん、ディーラーオプションのキーカバーはすべてのタイプに適用されています。

合計15柄ある樹脂製(ペットキーカバー[肉球]含む)と、軽自動車用に6色、普通車(登録車)用に4色用意しているシリコン製があり、好みに応じて選択可能。ファッション性の高さも見逃せないポイントです。商品企画を担当しているホンダアクセスの宇戸ひとみさんは、

「樹脂製キーカバーの柄は、定番品を除いて定期的に違うデザインへ入れ替えています。その時々のトレンドを取り込みつつ、長く使い続けても飽きないデザインを心がけています」

といいます。

ホンダアクセスでキーカバーの企画を担当する宇戸ひとみさん
ホンダアクセスでキーカバーの企画を担当する宇戸ひとみさん

ファッション性が高い樹脂製に対して、シリコン製は保護性能が高いのが特徴。

「カバーがスマートキーの全面を覆うわけではありませんが、落としたときには覆われていない面が接地しないように考えてデザインしてあります」(宇戸さん)

保護効果が高い、シリコン製のキーカバー
保護性能が高い、シリコン製のキーカバー

樹脂製は肉球がアクセントの「ペットキーカバー(肉球)」が人気で、シリコン製の肉球部分に触ると、やわらかくて気持ちいい。なんとも言えない感触です。色は「しろ」「くろ」「しば」が選べます。宇戸さん自身も、愛車ステップワゴンのスマートキーに「しろ」の「ペットキーカバー(肉球)」を装着しているそうです。また、昨今はネコ柄の人気も高く、樹脂製の「くつしたねこ」も好評なのだとか。

やわらかい肉球が気持ちいい「ペットキーカバー(肉球)」
やわらかい肉球が気持ちいい「ペットキーカバー(肉球)」

キーカバーはちょっとしたアクセサリー感覚でカーライフが楽しくなるほか、値段もリーズナブルだし、ディーラーによってはその場ですぐ装着できる場合もあるので、とにかく気軽。「点検や車検で販売店を訪れた際に買っていただくことも多いんです」と、宇戸さんは教えてくれました。

また、昨今は一部の車種に、目の前に障害物が無くても急にアクセルを踏み込むと加速を抑える急アクセル抑制機能〈Honda SENSING〉のセットアップをディーラーオプションで用意しています。この機能はキーごとに設定するので、その機能が作動するキーであることが一目でわかる目印として、キーカバーを活用するのもいいかもしれませんね。

●犬と出かけるカーライフをサポートするHonda Dog

Honda Dogシリーズは、愛犬と一緒に出掛ける際に便利なアイテムをシリーズ展開しています。純正オプションとして珍しい取り組みと言っていいでしょう。

商品企画担当の宇戸ひとみさん(キーカバーと兼任)によると、「わんこを家族として一緒に楽しくおでかけする、がコンセプトです」とのこと。

犬との外出をサポートする「Travel Dog」シリーズ
犬との外出をサポートする「Honda Dog」シリーズ

かつては「Travel Dog(トラベルドッグ)」という名称で、荷室に乗せるためのラゲッジマットなども用意していましたが、2017年から「Honda Dog」という名称に改め、愛犬も家族として座席に乗せるような方向に変化しています。

「こだわりは、わんこが安心して快適に乗れること。わんこの快適と、オーナーの使いやすさの両方を重視しています」(宇戸さん)

ペットシートプラスわん2(2万1,450円)
ペットシートプラスわん2(2万1,450円)

快適性を求めた一例が、「ペットシート」や「ペットサークル」に盛り込まれているメッシュウインドウ。わんこが飼い主さんの顔や外を見て安心して乗れるように、また、エアコンの風が届いて少しでも過ごしやすいようにと思ってつけられているのです。

「ペットシートサークル」2万5,300円
「ペットシートサークル」2万5,300円

「あとは安全面ですね。表面に使用する生地は爪が引っ掛かりにくい素材とし、助手席に装着するペットシートプラスわん2は、万が一の際にエアバッグの展開を避ける形状に設計しています」(宇戸さん)

使い勝手面では、はっ水加工で濡れたものが染み込みにくく、汚れてしまっても洗いやすい素材とし、パイプなどを抜いてネットに入れて洗濯もできるなど、かなり実用的なのが嬉しいところです。

「わんことのお出かけは、袋とか消臭グッズとか細かい荷物も増えがちなので、ポケットを付けるなどして、できるだけサポートできるよう工夫しています。開発チームにはわんこを飼っているメンバーが多いので、しょっちゅうわんこを乗せて様々な検証をしています」(宇戸さん)

また、Honda Dogシリーズは実用品だけでなく、肉球をデザインしたエンブレム、室内用のステッカー、そしてシフトノブやセンターキャップなど、ドレスアップアイテムもラインナップ。そちらも大好評だそうです。

●3年6万キロ保証のクオリティ、愛車に装着できるアイテムをWEB上で検索できるシステムも

ちなみに、ホンダ純正として用意されるディーラーオプションが一般の市販カー用品と異なるのは、フィッティングや機能も含め車体と連携した開発がなされ、実用性や耐久性はもちろん、安全性まで考えた品質が与えられている点など。3年6万キロという長い保証は、その高いクオリティの裏付けと言っていいでしょう。

WEB上で愛車に装着できるアイテムを検索できるサイト「d-Happy」が便利。
WEB上で愛車に装着できるアイテムを検索できるサイト「d-Happy」が便利

もしかすると、「そうはいっても、自分が乗っている愛車に装着できるアイテムに、どんなものがあるかわからないし」という人もいるかもしれません。でも安心です。ホンダアクセスでは、すでに乗っている愛車にどんなアイテムが用意されているかを確認でき、車体番号の入力で愛車に装着できるアイテムのラインナップから在庫まで確認できる「d-Happy」というシステムもインターネット上に用意しています。たとえ愛車が現行車種ではないとしても、最新のオプション品を装着できるケースだってあるんですよ。

「ディーラーオプションは新車装着に取り付けるもの」という常識は忘れて、すでに乗っている愛車のホンダ車に、ライフスタイルに合わせてアイテムを追加装着するのが今どきなんです。

(文:工藤 貴宏/写真:ダン・アオキ/MODEL:安西 茉莉)

【関連リンク】

・愛車への純正用品選びをサポートするホンダアクセスの公式サイト
https://www.honda.co.jp/ACCESS/ucar/recommend_items/

・用品適合検索システム「D-Happy」(※登録から9年までの車両が対象)
https://sfh.honda.co.jp/T001

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
続きを見る
閉じる