目次
■キュートで愛らしいデザインで人気コンパクトカーへ
2002(平成14)年3月5日、日産自動車は10年ぶりのモデルチェンジとなる3代目「マーチ」の発売を始めました。
それまでのマーチの基本コンセプトを継承しながら、2代目よりさらに丸みを持たせエッジを効かせたスタイリッシュなデザインで、トヨタ「ヴィッツ」やホンダ「フィット」とともに人気のコンパクトカーとなりました。
●世界に通用するリッターカーを目指して誕生した初代マーチ
初代マーチは、リッターカーのパイオニアとして1982年10月にデビュー。
内外装を著名なデザイナーのジウジアーロがデザインしたことが話題になり、洗練された親しみのあるハッチバックスタイルと運転のしやすさが人気を呼び、ヒットモデルとなりました。
パワートレインは、日産初のアルミ製1.0L直4 SOHCと4速/5速MTおよび3速ATの組み合わせで、駆動方式はFFでした。世界戦略車として位置づけられ、欧州では「マイクラ」の車名で販売され、日本と同様、欧州でも人気を獲得しました。
1992年にモデルチェンジした2代目では、さらに丸みを帯びたデザインに変更して「日本カー・オブ・ザ・イヤー」「欧州カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、マーチの人気を不動のものにしました。
●3代目はキュートなデザインと低燃費・高出力で人気を加速
そして2002年に登場したのが3代目マーチです。それまでのマーチの基本コンセプトを継承しながら、2代目よりさらに丸みを持たせた、愛くるしいキュートなデザインが特徴です。
パワートレインは、新開発の1.0L/1.2L/1.4Lの直4 DOHCエンジンと4速ATおよび5速MTの組み合わせで、駆動方式はFF。可変バルブタイミング機構が装備されたエンジンや、ロックアップ機構付きトルコンATなどによって、超低排出ガス車の認定を受け、低燃費と高出力が高い評価を受けました。
当時はヴィッツやフィットなどもデビューして、コンパクトカーの競争が激化していましたが、3代目マーチの初年度の販売は平均1万台/月を超え、その後も最低でも5000台をキープする人気モデルとなったのです。
●マーチも49年の歴史に幕、EVで復活の可能性は?
マーチは、2010年に4代目、2017年には5代目へ移行。ただし、5代目への切り替えは欧州のみで、日本ではそのまま4代目が継続販売されました。
しかし、この4代目から販売が急速に落ち込み、2022年8月をもって生産を終了し、マーチ40年の歴史は幕を下ろしました。
好調の「ノートe-POWER」にその役目を譲った形ですが、早速2025年頃にマーチがコンパクトEVとして復活するのでは?との噂が出ています。
真偽は確かではありませんが、ノートe-POWERという看板ハイブリッドがあるので、マーチが復活するとしたらEVであろうことは想像に難くありません。
すでに、ハッチバックEV「リーフ」、クロスオーバーSUV・EV「アリア」、軽のEV「サクラ」と投入されており、次はコンパクトEVの番でしょうか、期待したいですね。
マーチが誕生した頃は世界的に燃費に優れたリッターカーが人気となり、マーチはコンパクトカーの中でもよりコンパクトなことが魅力でした。ところが、2000年以降日本では室内が広く豪華な装備を持つ軽のハイトワゴンが人気となり、リッターカーは人気が陰り、存在価値が薄れることになりました。
世界的コンパクトEVがやってくるとなれば、救世主マーチもありえるのかもしれません。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)