■人気の衰えを知らない初代インプレッサ・ノーマル仕様「GC8」に、驚異の変身パーツが登場!
東京オートサロン2023に出展され、大きな反響を呼んだ「クスコ・インプレッサ22B STiバージョン」。
その全貌が明らかになったのでレポートします。
車両名は「22B」となっていますが、実際のベースはノーマルボディの初代インプレッサGC8です。
簡単におさらいしておくと、「22B」とは初代インプレッサの高性能版として、1998年に400台限定で発売されたモデル。ワイドボディ化された美しいフォルムは芸術的で、今でも多くのファンを魅了してやみません。稀に市場に出回ると、ウン千万円で取引されるほどの超レアなクルマなのです。
そしてクスコが今回手がけたGC8インプレッサは、ノーマルの2ドアクーペに社外品(KITサービス製)のワイドキットを装着した、いわば「22Bルック」の仕様となっています。
そもそもなぜ、2023年にクスコがGC8インプレッサなのか? そこをまず聞いてみると、
「まず『原点回帰』という大きなテーマがありました。ラリーをはじめ、GT選手権などで活躍したGC8。クスコとしても深く関わってきましたので、あらためてそのスタート地点に立ち返ってみよう、という思いです。もちろんGC8が今でも人気があり、パーツを作って欲しいとの声が根強いことも、影響しています」(キャロッセ/小山さん)とのこと。
この車両「22Bルック」になっているだけではなく、心臓部はつい最近まで現役だったWRX STI(VAB型)のEJ20水平対向エンジンに換装され、ミッションも同じVAB型の6速マニュアルにスワップされています。
これは、ただ奇をてらったわけではなくて、古いクルマを大事に長く乗っていくために、移植できる部分は新しい世代のフレッシュなパーツを入れたほうがいいだろう、というプラスの発想からです。もちろん、スバル車特有の「古いクルマや違う車種の部品を流用しやすい」特徴もありますが。
さらに、車両にはクスコのオリジナルパーツも数多く装着されています。
サスペンションキットは車高調整式の「ストリート・ゼロA」で、減衰力40段、全長調整の機能も持っています。撮影時はフロント60ミリ、リヤ50ミリダウンのセットアップでした。前後のスタビライザーやラテラルリンクも交換し、足回りを強化しています。
クスコが得意とする駆動系のチューニングでは、前後に「タイプRS」のLSDを組み込み、しっかりとパワーを路面に伝達することができます。
また、新商品としてエンジンルームに「S-MCBストラットバー」も装着。このパーツは、クスコの定番であるストラットバーと、アイシンの技術が詰め込まれた「MCB」(=モーションコントロールビーム)を融合した画期的な補強アイテム。
一言で表せば、『固めつつも、いなしてあげることでしなやかな乗り味を提供できる』のが特徴です。
GC8だけではなく、現行車含めてたくさんのラインアップが予定されているそうなので、正式発売が楽しみです。
令和の時代にあえてクスコが見せた、初代インプレッサGC8リメイクの取り組み。ネオクラブームのさらなる後押しになりそうです。
(写真/文:TOKYO CIAO MEDIA)
<主要各部のスペック>
エンジン:WRX STI(VAB)用 EJ20
ミッション:WRX STI(VAB)用 6速
サスペンション:CUSCO street ZERO A(20万9000円)
スタビライザー(フロント):CUSCO(2万2000円)
スタビライザー(リヤ):CUSCO(2万2000円)
リヤラテラルリンク(フロント):CUSCO(6万6000円)
リヤラテラルリンク(リヤ):CUSCO(6万6000円)
ストラットバー(フロント):CUSCO S-MCB(近日発売)
LSD(フロント):CUSCO type-RS(13万2000円)
LSD(リヤ):CUSCO type-RS(13万2000円)
ボディキット:KIT 22Bボディキット
ステアリング:Prodrive
ハーネス:Prodrive
エアインテークホース:CUSCO(4400円)
バッテリーステー:CUSCO(6380円)
タイヤ:ダンロップ・ディレッツァDZ102(235/35R19)
ホイール:Prodrive GC-012L(19×8.5・35)
ブレーキ:Winmax
マフラー:FUJITSUBO RM-01A
シート:edirb 054V
【お詫びと訂正】※初出時、「モーションコントロールビーム」についての記述が「YAMAHA」となっていましたが、正しくは「アイシン」の誤りでした。ここにお詫びして訂正いたします。(2023/03/16)