三輪バイク「トリシティ」のボディカラーが気になる今日この頃【バイクのコラム】

■ヤマハ独自の三輪バイク「トリシティ」がモデルチェンジ

「TRICITY125」のメーカー希望小売価格は49万5000円となっている。
「TRICITY125」のメーカー希望小売価格は49万5000円となっている

ヤマハ発動機は、独特のスタイルとなっているフロント2輪のLMW(Leaning Multi Wheel)モデル「TRICITY(トリシティ)125」および「TRICITY155 ABS」のモデルチェンジを発表しました。

トリシティ125の発売は2023年2月28日(火)、トリシティ155 ABSの発売は2023年4月14日(金)とアナウンスされています。

上下2本の平行アームにより、フロント2輪として抜群の安定感を実現しつつ、車体を傾けてコーナリングするという、ライディングの楽しさも両立した「のりもの」としてトリシティが誕生したのは、2014年のことでした。もはや、このスタイルは見慣れたものとなっています。

今回のモデルチェンジでは、フレームを新しくすることでフットスペースが20mmも広がっているほか、平成32年排出ガス規制に合致した新エンジンを搭載。アイドリングストップ機構や、滑らかなエンジン始動を実現する「スマートモータージェネレーター」を採用するなど、すべてが新しくなっています。

「TRICITY155 ABS」のメーカー希望小売価格は56万6500円。
「TRICITY155 ABS」
のメーカー希望小売価格は56万6500円

バリエーションは、原付二種の「トリシティ125」と、軽二輪カテゴリーとなる「トリシティ155 ABS」の2つ。

基本的なボディサイズやタイヤサイズは共通で、エンジンが異なっていると捉えていいでしょう。なお、エンジンスペックは次のようになっています。

●トリシティ125
エンジン型式:E34AE
総排気量:124cm3
最高出力:9kW/8000rpm
最大トルク:11Nm/6000rpm

●トリシティ155
エンジン型式:G3T3E
総排気量:155cm3
最高出力:11kW/8000rpm
最大トルク:14Nm/6500rpm

●保険を含めた維持費では125cc版に軍配か?

原付二種となる「TRICITY125」の専用色がグレーイッシュブルー。
原付二種となる「TRICITY125」の専用色がグレーイッシュブルー

いずれも水冷・4ストローク・単気筒となっており、両エンジンともストロークは58.7mmで共通です。排気量の違いはボア径(トリシティ125は52mm、トリシティ155 ABSは58mm)によっているわけです。

ところで、個人的な話をすると、筆者は2014年にトリシティが誕生してからずっと、実は気になっています。

実物は画像イメージより大きく、原付二種とは思えないほどの存在感がありますし、四輪ばりの安定性と、二輪の軽快感の両方を持っているモビリティとして、一度はオーナーになってみたいと考え続けています。

その目線で、新型トリシティを眺めてみると、やはり四輪の任意保険にファミリーバイク特約をつければ、安心して乗れる原付二種は、ランニングコスト面でのメリットを感じます。

エンジンについても、最高出力はたった2kWしか違わないともいえますし、最大トルクは25%以上も太くなっているという表現もできますが、いずれにせよ、155ccバージョンが異次元の走りを見せるというほど圧倒的な差があるようには思えません(実際に乗ってみると、まったく違う感想を持つかもしれませんが)。

●高速道路を走れるだけじゃない155cc版の魅力

軽二輪バージョンである「TRICITY155 ABS」の専用色としてマットベージュが用意される。
軽二輪バージョンである「TRICITY155 ABS」の専用色としてマットベージュが用意される

原付二種版のトリシティ125で49万5000円、軽二輪のトリシティ155 ABSで56万6500円という価格は、けっして手頃とはいえませんから、絶対に買うなどとは口が裂けてもいえませんが、もし自分が買うとなれば、トリシティ125のほう…とは思いつつ、迷ってしまう部分もあります。

エンジンスペックから想像するに、高速ツーリングが余裕というわけにはいかないのでしょうが、それでも三輪モビリティで高速道路を走ってみたいという思いもあるのです。

一般国道であっても、一部のバイパスなどでは原付二種では走行できない道路もありますから、利便性という意味でもトリシティ155 ABSには選ぶメリットがあるとも感じます。

なにより、流行のカーキ系といえる『マットベージュ』は、トリシティ155 ABSの専用ボディカラーとなっていて、トリシティ125には設定されていないのは、大いに迷ってしまうポイントです。

全体としてマットベージュとブラックの2トーンとなってるカラーリングが、新型トリシティのスタイルにはベストマッチと感じているからですが、皆さんはどう感じられるでしょうか。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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