スバル「フォレスター」デビュー。世界最速SUVは最高速度233.341km/hを達成【今日は何の日?2月13日】

■世界最速SUVの称号をもって登場したフォレスター

1997年にデビューした初代フォレスター
1997年にデビューした初代フォレスター

1997(平成9)年2月13日、スバルから乗用車とSUVそれぞれの機能を融合させた新しいタイプのSUV「フォレスター」がデビューしました。

トヨタ「RAV4」やホンダ「CR-V」のような都会派SUVと一線を画して、スバルらしい力強い走りと高いオフロード性能を携えているのが特徴でした。

●フォレスターの始まりは、コンセプトカー「ストリーガ」

フォレスターの起源は、発売の2年前、1995年開催の東京モーターショーで公開された「ストリーガ」というコンセプトモデルまで遡ります。

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1995年東京モーターショーで公開されたコンセプトカー「ストリーガ」

角張ったワゴンボディで、キャッチフレーズは“マルチスポーツ4WD”。当時は、RAV4やCR-Vのような乗用車感覚で乗れる都会派SUVが人気を集めていましたが、スバルはスバル自慢の水平対向エンジンとフルタイムAWSを組み合わせた“シンメトリカルAWD”を採用した、優れた走りのSUVを計画。開発段階で、市場の反応を見るためにコンセプトモデルとして登場したのが、ストリーガなのです。

モーターショーで好評を得たストリーガは、1997年のデトロイトショーでついにフォレスターとして公開されたのでした。

●シンメトリカルAWDで力強い走りと優れた走破性を発揮したフォレスター

フォレスターは、コンセプトモデルのストリーガを引き継いだ角張ったフォルムで、ワゴン色が強いボクシーなスタイリングでした。

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1996年10月、フォレスターは24時間世界速度記録を達成

「インプレッサ」のプラットフォームをベースに、パワートレインは250PSを発揮する2.0L水平対向ターボエンジンとフルタイムAWDを組み合わせた、スバルが誇るシンメトリカルAWDです。

当時のカタログには、“あらゆるシーンでの使いやすさとあらゆる道での爽快な走りを追求、乗用進化型SUV”と記載されています。ハイパワーながら水平対向エンジン特有の低重心などによって生み出される、安定した操安性と力強い走りが自慢でした。

その実力を実証するように、発売前に24時間連続走行で平均速度180.82km/hと世界最高速度233.341km/hを達成して「世界最速SUV」の称号を獲得。他のSUVとは一味違う、力強い走りと高いオフロード性能が、オフロード好きやスバリストを魅了したのです。

●スバルのシンメトリカルAWDの魅力

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フォレスター搭載2.0L水平対向ターボエンジン

シンメトリカルAWDは、スバルが誇る低重心・低振動の水平対向エンジンと、スバルが得意とするAWDを組み合わせた、スバル独自のAWDシステムです。

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2019年発売の5代目フォレスター

低重心のシンメトリカルAWDは、4輪にバランスよく荷重がかかるため、車体が揺れにくく、安定したタイヤ接地性を確保。これにより、4輪駆動のポテンシャルを最大限に発揮でき、ダートや雪路など悪路での高い走破性、さらに雨天時や高速道路でも安定した走りができます。

また、エンジンが縦置きなので、重量のあるトランスミッションが車体の重心近くに配置され、慣性モーメントが小さくなるため、車体が振られることが少なく、コーナリング時やブレーキ時に軽快なハンドリングが楽しめます。

これらの優れた運動性能によって、シンメトリカルAWDは、スバルブランドのコア技術となっているのです。


フォレスターは初代以降、モデルチェンジを続けながら、現在は洗練されたクロスオーバーSUVへと変貌しています。スバルの世界販売台数の30%前後を占める看板モデルなので、“e-BOXER”や様々なAWDシステムなど、常にスバルの最新技術を投入して進化を続けています。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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