ヤマハ発動機がマリン事業の開発力強化を目指し、北欧のITスタートアップ企業「Skipperi」に出資

■戦略的パートナーとして協業することで「マリン版CASE」の推進を目指す

ヤマハ発動機は、ボート、ウェーブライナー(水上バイク)、船外機などのマリン製品にとどまらず、各種レンタルやボートレッスンなどマリン関連でも多彩な事業を展開しています。

同社はこのほど、北欧最大手のサブスク型ボートクラブ「Skipperi Fleet(スキッペリ・フリート)」などを運営するフィンランドのITスタートアップ企業「Skipperi」に出資したと発表しました。

Skipperiが運営するレンタルボート
Skipperiが運営するレンタルボート

Skipperiは、自社開発のデジタルプラットフォームを活用し、ユーザーに快適なマリン体験の場を提供するIT企業。

主力事業である「Skipperi Fleet」をはじめ、CtoC(個人対個人)で直接、船の貸し借りを行うシステムであるP2Pレンタル事業、安全教育事業などを展開しているそうです。

Skipperiが保有するデジタル技術により、船の貸出業務をオンラインシステム化して無人で行うなど、ボートクラブ運営業務の省力化を実現。また、日々のオペレーションにおいてデータ取得とAIを採用することで、継続的にシステムを進化させています。

ヤマハ発動機による今回のSkipperiへの出資は、マリン業界でも加速するデジタル変革などに対応するための開発力強化が目的です。シェアリング領域におけるデジタルプラットフォーム開発を実現し、世界的に市場が拡大するシェアリングビジネスに対応すべく、戦略的パートナーとして協業するとしています。

Skipperiが運営するボートの予約管理アプリ
Skipperiが運営するボートの予約管理アプリ

同社マリン事業の長期ビジョンは、「マリン版CASE」戦略の推進することで、信頼性と豊かなマリンライフを軸にした、海の価値をさらに高める事業に進化させていくことを掲げています。

今後も付加価値の高いサービスや次世代製品の開発を通じて、多様なライフスタイルに合わせたマリン体験の提供を目指す構えです。

日本でもサブスク型ボートクラブや、CtoCを活かしたボートの貸し借りなどが展開されれば、裾野が広がるかもしれません。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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