トヨタ、ダイハツ、スズキが1.0Lクラスのミッドシップカーを共同開発?

■手の届きやすい200万円台のスポーツカーを目指す

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トヨタのEVコンセプト「SPORT EV」

販売台数が限られるスポーツカーでは、トヨタ「スープラ」や「GR86」がそうであるように、他社と共同開発することでコストアップを抑制するのが常套手段になっています。

自動車メーカーがそうまでしてスポーツカーを開発する背景には、若者のクルマ離れが進むなか、各社が生き残りをかけて「クルマ好き」の裾野を広げる目的があるようです。

そうしたなか、各種情報によるとトヨタ、ダイハツ、スズキ3社共同による1.0Lクラスの新型ミッドシップ・スポーツ開発が進んでいる模様。

●3社にはライトウエイト・スポーツ開発の歴史が存在

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トヨタの初代ミッドシップ・スポーツ「MR2」

トヨタのライトウエイト・スポーツと言えば、1984年に登場したミッドシップモデル「MR2」が有名ですが、実はダイハツもスポーツカー開発の歴史は古く、コペンの他にも1991年の東京モーターショーで公開された童夢との共同開発によるFR仕様のダイハツ「X-021」が存在します。

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ダイハツが開発したFRスポーツ「X-021」

車両サイズは全長3,585mm、全幅1,660mm、全高1,150mm、ホイールベース2,250mmで、1.6L直4エンジン(140ps/15.8kgm)を搭載する5MT仕様のスポーツカーでした。

専用のアルミ製スペースフレーム採用などで車重を僅か700kgに抑えるなど、本格派のライトウエイト・スポーツでしたが、バブル崩壊のあおりを受けて発売に至らなかった経緯があります。

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スズキのコンセプトカー「Misano(ミサノ)」

一方、スズキは2021年5月、イタリアで「Misano(ミサノ)」を突如公開して大きな注目を集めました。

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スズキ「Misano」のリヤビュー

スズキのデザインセンターとIED(Istituto Europeo di Design)によるコンセプトモデルで、乗員席をタンデム仕様(縦一列配置)とするなど、4輪車と2輪車双方を手掛ける同社ならではの仕様で、その外観はエンジンを車両後方に搭載したミッドシップモデルを彷彿させます。

車両サイズはほぼスイフトクラス(全長4,000mm、全幅1,750mm、全高1,000mm、ホイールベース2,600mm)。

●3社が共同開発中の1.0Lクラスのミッドシップスポーツとは?

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トヨタのEVコンセプト「SPORT EV」

ちなみにトヨタ自動車は2021年12月14日に開催した「バッテリーEV戦略に関する説明会」の場で、ミッドシップ・スポーツの登場を予感させるコンセプトカー「SPORT EV」を出展。

同車はBEV前提でしたが、HEVによるスポーツカー3兄弟(スープラ、セリカ、MR2)ラインナップ復活を匂わせるものでした。

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トヨタのEVコンセプト「SPORT EV」

今回のプロジェクトではトヨタ自動車がヤリス用「GA-B」プラットフォームのフロントサスペンションを活用してAピラー以降を新設。ミッドシップ用プラットフォームを開発する模様。

これをベースにダイハツがコペンで採用している脱着構造「Dress-Formation」により、3社それぞれがオリジナル・デザインのアッパーボディを被せるという計画のようです。

エンジン開発はスズキが担当。クロスビーに搭載されている1.0L直3DOHCターボエンジン(K10C型)をベースに改良を加え、99ps/15.3kgmから120ps/20.0kgmへとパワーアップ。5ps程度のモーターを組み合せたマイルドハイブリッドとする模様。

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トヨタのEVコンセプト「SPORT EV」

予想される車両サイズは全長4,200mm×全幅1,720mm×全高1,220mmでホイールベースは2,550mm。

車両重量は1,000kg程度と軽量で、車両価格が200万円台に収まるように開発されている模様。

共通プラットフォームをベースにしながらも、個性の異なる3社3様のミッドシップ・スポーツが姿を現すのは2025年と予想されており、今後の各社の動きが注目されます。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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