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■新色の白×赤はさわやかイメージを演出
ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)は、688cc・直列2気筒エンジンを軽量フレームに搭載するスーパースポーツモデル「YZF-R7 ABS(以下、YZF-R7)」に、新しいカラーリングを追加した2023年モデルを発表しました。
大型二輪へステップアップした若いライダーから、レプリカ世代などスポーツバイク好きのベテランまで、幅広い層が扱いきれるパワーと軽快な走りが魅力のスーパースポーツが同モデル。
2023年モデルでは、ホワイトのボディにレッドのホイールを採用した新色を追加。従来からの「ブルー」と「ブラック」も継続販売し、2023年2月28日(火)に発売されます。
●サーキット走行にも対応する充実装備
2021年5月に欧米で先行発売、国内には2022年2月から導入されたYZF-R7は、サーキット走行にも対応する充実の装備と、スポーツバイク初心者でも乗りこなせる特性を両立したミドルクラスのスーパースポーツモデルです。
大型二輪免許で運転できるスーパースポーツといえば、ヤマハのフラッグシップである「YZF-R1 ABS(以下、YZF-R1)」など、200psを超える強烈なパワーなど、尖った性能を持つ1000ccマシンのイメージがありますよね。
でも、YZF-R7は、ネイキッドモデルの「MT-07」をベースに、扱いやすいエンジン特性や軽量スリムな車体を持つことで、幅広いユーザーがスポーツライディングを楽しめることが魅力のバイクです。
外観は、ヤマハのスーパースポーツ「YZF-R」シリーズの特徴であるM字ダクトを踏襲したフロントフェイスが印象的。M字ダクトとは、フロントカウル中央部にM字型の凹みを設けたもので、YZF-R1をはじめ、250ccの「YZF-R25」や320ccの「YZF-R3」などに採用されている、シリーズ共通のデザインです。
YZF-R1などのM字ダクトでは、走行風を車体内に取り入れて冷却効果を生む機能を持ちますが、YZF-R7では、凹み内にヘッドライトを搭載し、シリーズのイメージを継承しつつも、独特のフロントフェイスを生み出しています。
一方、エンジンなどに走行風を取り入れるエアダクトは、M字ダクトの左右2ヵ所へ新設。ヘッドライト下にはウイングレットとインナーパネルも装備することで、ラジエターの冷却も行う新機構を採用しています。
また、アンダーカウルは車体のスリム化のために、できるだけエンジンに近づける形状を採用。熱対策のために、アルミ製としていることもポイントです。
これにより、YZF-R7のバンク角はMT-07の49度に対し、53度を実現。より深く車体を寝かせるサーキットなどでの走りにも、十分対応したスペックを実現します。
●ブレンボ製ブレーキなども搭載
パワートレインは、最高出力73ps/8750rpm・最大トルク6.8kgf-m/6500rpmを発揮する689ccの直列2気筒エンジンを採用。ギヤの2次レシオをロング化するなどで、より速度が伸びるとともに、高揚感ある走りやスポーティな乗り味に貢献します。
また、A&S(アシスト&スリッパー)クラッチも装備。高速走行から急減速するような場面で、過度なエンジンブレーキの発生を抑止し、後輪の横滑りなどを防ぐ効果を生むことで、安定した走行性を支援してくれます。
さらに、車体にはMT-07と共通のパイプ型ダイヤモンドフレームを採用。左右ピボット(フレームとスイングアーム結合部)部分にセンターブレースを追加することで、車体後部の剛性などをアップしています。
足まわりには、プリロードおよび伸側/圧側減衰の調整が可能なフルアジャスタブルの倒立フロントサスペンションを搭載。マス集中化とコンパクト化に貢献する、リヤのリンク式モノクロスサスペンションと相まって、軽快な走りと高い安定性に貢献します。
ほかにも、このモデルには、フロントブレーキシステムにブレンボ製・純ラジアルマスターシリンダーを装備するなど、サーキット走行にも対応する数々の装備が満載。
高彩度なネガポジ反転液晶画面で高い視認性を発揮するフルLCDメーターなどにより、高い実用性も誇ります。
●モダンで洗練されたイメージのホワイトを採用
その2023年モデルでは、前述の通り、新色としてホワイトを追加しています。
新色は、モダンで洗練されたイメージを表現するベースのホワイトに加え、軽快な足まわりをアピールするバーミリオン(朱色)のホイールを採用。
サイドカウルに大きく配したハイテックシルバーのロゴグラフィックの一部にも、ワンポイントとしてバーミリオンを取り入れることで、大型二輪にステップアップした初心者をはじめとする幅広いユーザーに対応する、さわやかな雰囲気の色調となっています。
価格(税込)は、105万4900円。前述の通り、従来からのブルーやブラックも継続販売し、全3色で展開します。
(文:平塚 直樹)