「BMW XM」はM1以来かつBMW SUV初のM専用モデル

■巨大なキドニーグリルと薄目ヘッドライトで迫力満点の「BMW XM」

BMWのスポーツブランド(カタログモデル)として、BMW M社が手がける「Mモデル」があります。

Mモデルには2タイプが設定されていて、サーキット走行も見据えた本格スポーツ仕様の「Mハイ・パフォーマンス・モデル」、サーキットで培われた技術を投入したスポーティ仕様の「Mパフォーマンス・モデル」があります。

2023年1月18日(水)に発表、発売された「BMW XM」は、前者の「Mハイ・パフォーマンス・モデル」になります。なお、デリバリー開始は2023年4月の予定。

BMW XM
新型BMW XMが発売開始

BMW Xシリーズ(SUV)初のM専用モデル「BMW XM」は、オンロードでの走りを重視した「スポーツ・アクティビティ・ビークル(SAV)」に分類されるクロスオーバーSUVです。同時に、BMW M1以来のBMW M専用モデルでもあります。

BMW XM
BMW XMのフロントマスク

エクステリアは、大型キドニーグリルによる圧倒的な存在感が際立っています。キドニーグリルは、外側のエッジに向かって細くなり、八角形のアウトラインがダイナミックなキャラを強調。さらに、クロームで縁取ることで新鮮味のある雰囲気を醸し出しています。

暗闇で光を放つ「アイコニック・グロー・キドニーグリル」が採用されていて、夜間でも目立つ顔つきになっています。

BMW XM
BMW XMのエクステリア

ヘッドライトも特徴的です。BMWのラグジュアリーモデルで採用されている、上下2分割式の「ツインサーキュラー&ダブルライト」が備わり、上部にはターンインジケーターを含むLEDデイタイムランニングライト、下部にはアダプティブマトリックス機能を採用し、コーナリングライト機能も併せ持つLEDヘッドライトになっています。

サイドビューは、ロングホイールベースをはじめ、標準装備される23インチアルミホイールが、伸びやかで力強いシルエットを描いています。さらに、サイドウィンドウまわりに施されたアクセントバンドは、ウインドウ全体を大きく囲み、力強くダイナミックなムードを放っています。

BMW XM
BMW XMのリヤビュー

リヤまわりは、横方向に大胆に配置されたスリムなL字型LEDコンビネーションライトにより、力強さを表現。リヤバンパー内に収められている縦に配置された六角形デザインの「Mデュアルエギゾーストテールパイプ」は、情熱的なMサウンドを奏でるだけでなく、見た目の先進感も盛り込まれています。

●ボディサイズは、全長5110×全幅2005×全高1755mmの巨体

12.3インチのメーターパネル、14.9インチのコントロールディスプレイを一体化させたコクピットは、運転席側に湾曲させた最新のカーブドディスプレイを採用。優れた視認性と高い操作性を実現し、BMW特有のiDriveコントローラーまわりをすっきりとさせることで、運転席まわりの空間を広くし、モダンな印象を放っています。

運転席まわりでは、専用の「Mレザーステアリングホイール」、赤のエンジンスタート/ストップボタンを採用するなど、随所にMモデルらしい意匠やカラー、装備が用意されています。

BMW XM
BMW XMのコクピット

さらに、キャビンはスポーティかつ上質感を備えた独自の「Mラウンジコンセプト」が採用されています。立体感のある彫刻的なデザインがルーフライニング表面に施され、美しいイルミネーションもあって上質な空間を演出。

BMW XM
BMW XMのセンターコンソール

レザーとアルカンターラの大型クッションを組み合わせたシートは、ラウンジソファーのようにサイドまで包まれる感覚が得られるそうです。良好な座り心地をリヤシートにももたらしているそう。

そのほか、意図的に施されたビンテージレザーがインパネやドアトリムに配され、上質で個性的な演出も注目ポイントです。

搭載されるパワーユニットは、最高出力489PS(360kW)/5400rpm・最大トルク650Nm /1600–5000rpmを誇る高効率な4.4L V型8気筒「BMWツインパワー・ターボガソリンエンジン」。さらに、第5世代の「BMW eDriveテクノロジー」が採用されていて、電池容量29.5kWh、197PS(145kW)を発生するモーターが搭載されるプラグインハイブリッドモデルになります。

BMW XM
BMW XMのシートイメージ

組み合わされるトランスミッションは、8速Mステップトロニックで、システムトータルの最高出力は653PS(480kW)、最大トルクは800Nmに達しています。なお、バッテリーEVをのぞき、BMW史上最強のパワーユニットを搭載するモデルのひとつ。約90kmまで電気(モーター走行)のみでの走行も可能になっています。

ハンドリングと乗り心地の両立など、走りの良さも身上としています。

電子制御ダンパーとアクティブロールスタビライザーを備えた「アダプティブMサスペンションプロフェッショナル」により、ロングドライブなどで優れた快適性を実現する「Comfort」、スポーツ走行に適合するボディ剛性を高める「Sport」、ダイナミックな走行を可能にする「Sport Plus」モードが設定されています。

BMW XM
「XM」のロゴエンブレム

さらに、アクティブロールコンフォートを備えた直進走行時の快適性向上に寄与する「アクティブロールスタビライザー」、回頭性と俊敏なレーンチェンジを実現するMモデル初となる「インテグラルアクティブステアリング」「Mスポーツブレーキ」、優れたトラクションを確保するMモデル専用4輪駆動システム「M xDrive」なども用意され、スポーティ走行から快適な日常使いまでこなしてくれそうです。

BMW XM
BMW XMの走行イメージ

装備では、ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能などの先進安全装備が用意されるほか、サーキット走行を想定し、最高速度を270km/hに高める「Mドライバーズパッケージ」を標準装備。

また、品質を高めるため、ビンテージレザーが内装に配置された「BMW Individualフルレザーメリノシート」、最高の音響空間をもたらす「Bowers & Wilkinsダイヤモンドサラウンドサウンドシステム」を標準装備。

BMW XM
BMW XMのエクステリア

「アクティブ・シート・ベンチレーション(前席)」や「マッサージシート(前席)」、4ゾーン式エアコンも標準装備され、スポーティなMモデルであっても充実装備が用意されています。

●ボディサイズ:全長5110×全幅2005×全高1755mm、ホイールベース3105mm

●価格:2130万円

(塚田 勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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