トヨタ「ソアラ」2代目デビュー。ハイソカーブームをけん引した新技術フル投入のスポーティな高級セダン【今日は何の日?1月21日】

■初代の人気を加速して爆発的なヒットモデルに

1986(昭和61)年1月21日、トヨタの「ソアラ」が初めてのモデルチェンジを行い、2代目に移行しました。1981年に誕生したソアラは、スポーティな高級セダンとしてハイソカーブームの火つけ役に、跡を継いだ2代目は、さらにその人気を加速させました。

1986年にデビューして大ヒットした2代目ソアラ
1986年にデビューして大ヒットした2代目ソアラ

●ハイソカーブームの火付け役となった初代

初代ソアラ(Z10系)は、今から40年前の1981年に誕生。スポーティな高級2ドアセダンの先駆けとして、その後バブル時代の象徴となった“ハイソカー(High Society Car)”ブームの火付け役となりました。

1981年に誕生した初代ソアラ
1981年に誕生した初代ソアラ

欧州車にも負けない、最高級スペシャリティカーを目指して開発されたソアラには、当時のすべての先進技術が結集され、国内最高の170PSを発揮する高性能6気筒の2.8Lと2.0Lエンジンが搭載。

また、先進性をアピールするデジタルスピードメーターやマイコン式オートエアコン、エア式のランバーサポート、メモリ機能付きリクライニングシートなど、国内初となる数多くのエレクトリック技術が採用されました。

ターゲットにしたのは40歳代以上のハイステータスのサラリーマンでしたが、高級車ながらスポーティなイメージが強調されたソアラは多くの若者にも支持され、若者の憧れのクルマとして大人気となったのです。

●バブルの勢いに乗って初代以上の記録的大ヒット

2代目(Z20系)ソアラは、初代のイメージを引き継ぎながら、より洗練されたスタイリングを採用。パッと見の印象は大きく変わりませんでしたが、初代にも増して最新技術を積極的に投入していることが特徴です。

ニューモデル速報 「新型ソアラのすべて」第40弾 1986年弊社刊より
1986年弊社刊・ニューモデル速報 「新型ソアラのすべて」第40弾より

新技術は、カラー液晶パネル、4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンション、豪華なスウェード調のグランベールインテリア、七宝製シンボルマークなど、多岐にわたります。

エンジンは、当時最強の3.0L直6 DOHCインタークーラー付ターボ、および2.0L直6 24V DOHCツインターボエンジンを搭載して、他を圧倒する走りも魅力でした。

上品なスタイリングと力強い走り、そして先進技術満載の2代目ソアラは、バブル期と重なったこともあり、400万円を超える最上級モデルが飛ぶように売れたのです。

●3代目、4代目は北米ターゲットとなり、国内は低迷

コンバーチブルに変貌した1991年発売の4代目ソアラ
コンバーチブルに変貌した1991年発売の4代目ソアラ
3代目ソアラのリアビュー。初代、2代目とは異なる丸みを帯びたフォルム
3代目ソアラのリアビュー。初代、2代目とは異なる丸みを帯びたフォルム

大ヒットした初代と2代目に続いた3代目(Z30系)ソアラは1991年に登場。日本のバブルも終焉を迎え、3代目は、北米市場を狙ったさらに上級の3ナンバークーペとなり、V8エンジンを搭載するなど、かつての憧れのクルマとは違う世界モデルになり、日本での販売は右肩下がりになりました。

さらに、2001年に登場した4代目(Z40系)ソアラは、電動格納式メタルトップのコンバーチブルモデルで登場。

先代同様、海外では「レクサスSC」としても販売されましたが、2005年に日本でレクサスブランドがスタートしたことを受け、ソアラの名前は姿を消してしまいました。


3代目、4代目とソアラは続きましたが、多くの人が思い浮かべるソアラは、クリスタルホワイトやスーパーホワイトを纏った2代目の白いソアラではないでしょうか。思わず見惚れてしまうようなクルマでした。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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