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■新型フロントフォークで乗り心地も向上
ホンダは、初心者からベテランライダーまで軽快な走りが楽しめる250ccのスーパースポーツ「CBR250RR」の2023年モデルを発表しました。
新型は、カウリングなどの外観デザインを一新したほか、エンジンの出力アップや最新のSFF-BP倒立フロントフォークの採用、トラクションコントロール「Hondaセレクタブル トルク コントロール」などの最新電子制御を搭載することで走りをグレードアップ。2023年2月20日(月)に発売されます。
●先進装備による動力性能が魅力
2017年に登場したCBR250RRは「CBR1000RR-R」や「CBR600RR」など、ホンダのスーパースポーツ「CBR・RR」シリーズの末弟となる250ccのフルカウルモデルです。
若い初心者ライダーからベテランのリターンライダーに至るまでの幅広い層に、街乗りからツーリング、ワインディングなどのスポーツ走行を楽しめるバイクとして高い人気を誇るのが、250ccのスーパースポーツ。
なかでもCBR250RRは、先進装備を満載した動力性能などが魅力といえます。
搭載する249cc・水冷4ストローク2気筒エンジンは、低中回転域での力強さとスーパースポーツならではの高回転までシャープに吹けあがる特性を高次元で両立しています。
また、スロットルグリップの開度を機械式ではなく、電気信号を介して伝達する「スロットル・バイ・ワイヤシステム」を採用。ライダーのアクセル操作に対しパワーがリニアに出ることで、高いコントロール性などに貢献します。
さらに、車体には鋼管トラス構造のフレームを採用。剛性としなやかさを両立させることで、スーパースポーツらしい俊敏で安定感ある操作性はもちろん、日常走行における扱いやすさも実現しています。
●レイヤー構造のカウリング採用
その最新モデルでは、まず、外観にレイヤー構造のカウリングを採用。カウルを重ね合わせたような構造とすることで、よりシャープでエッジの利いたスタイリングに変更しています。
また、機能面も向上。エアアウトレットにブレードを備えたミドルカウルや、ダクトを設けたシートカウルなど、最新の空力性能技術を投入することで、走行時の空気抵抗の低減や、ライダーへのウインドプロテクション性能を高次元で両立しています。
エンジンは、最新の令和2年排出ガス規制に適合させながらも、仕様の細部を見直すことで最高出力を1psアップ。
圧縮比の向上、インレットポートスロート径の拡大、ピストン摺動抵抗の低減、バルブタイミングの見直しなどにより、従来モデルの41ps/1万3000rpmから42ps/1万3500rpmとしています。
ちなみに、最大トルクは従来同様の2.5kgf-mですが、発生回転数を1万1000rpm→1万750rpmと若干低く設定しています。
足まわりでは、フロントフォークに倒立式のショーワ(日立Astemo)製SFF-BP(セパレート・ファンクション・フロントフォーク・ビッグピストン)を新採用しています。
左側フォークに減衰機構とスプリングを装備し、右側フォークにスプリングのみを装備するこのフォークは、動抵抗の低減と車体の軽量化に貢献。また、減衰機構にはピストン径を拡大したBP(Big Piston)構造を採用することで、あらゆる速度域で安定感の高い減衰力が得られることも特徴です。
●先進の電子制御システムも搭載
最新CBR250RRでは、先進の電子制御システムを採用したこともトピックです。スリップしやすい路面での安心感に寄与するHondaセレクタブル トルク コントロールを新たに標準装備しています。
これは、前後輪の車輪速センサーから算出した後輪のスリップ率と、スロットルポジションセンサーが検出するスロットルバルブ開度に応じて、燃料噴射量を制御。アクセルを開けた際の後輪のスリップを抑制するシステムです。
システムの作動は、メーター内のインジケーターで確認が可能。また、左ハンドルのスイッチでオン/オフができるほか、作動時には制御介入レベルを3段階で調整できます。
ほかにも、新設定のハザードランプは、急制動時に高速点滅することで、いち早く後続車に伝える「エマージェンシーストップシグナル」を採用。急なブレーキング時の被視認性を高めることで、安全性の向上も図っています。
カラーリングには、従来からある「パールグレアホワイト」や「グランプリレッド」のグラフィックなどを変更し、より上質感やスポーティさを演出。
また、同じく先代モデルにあったマット系ブラックも、配色などを変更した「マットバリスティックブラックメタリック」とし、より力強い印象のカラーとしています。
価格(税込)は、パールグレアホワイトとマットバリスティックブラックメタリックが86万9000円、グランプリレッドは85万4700円です。
(文:平塚 直樹)