ヤマハの安全普及活動「YRA」を担当するのは、オフロード競技にも参戦する元女子バレー選手【ヤマハ発動機ニュースレター】

■高い目標を設定し、子どもたちにも「できたー!」を経験させたい

ヤマハ発動機の広報グループが発信している「ニュースレター」。今回のテーマは、同社の安全普及活動「YRA(ヤマハ・ライディング・アカデミー)」の様子がレポートされています。

ヤマハ発動機 ニュースレター
太田さんの企画で昨年実現した「中高生向けバイク教室」。2023年はレギュラープログラムとして実施の予定

「YRA」で企画・運営を担当するカスタマーエクスペリエンス事業部 企画戦略部の太田晴美さんは「中高生向けバイク教室」を2022年に企画。2023年はレギュラープログラムとして実施される予定。

昨年の中高生向けのバイク教室でも手応えを得たそうです。「子どもたちができたー!と喜ぶ姿を目にすると、私もうれしさがこみ上げてきます。私自身もその瞬間が大好きなものです」と高い目標を設定し、達成感が得られたそうです。

太田さんは高校バレーの強豪校出身で、同社の女子バレー部でもセッターとして活躍していたそう。引退後に二輪車免許を取得し、気の合う仲間とツーリングを謳歌していた時期もあったとのこと。

転機が訪れたのは、デザイン企画部門に配属されたばかりの頃。

「オフロード競技車を担当したのですが、プロジェクトのメンバーは、皆さん、設計や実験など各領域のプロ中のプロ。正直、趣味でツーリングしている程度の私の考えを聞いてもらえる余地はないと感じました。
しかし、バレーボールに打ち込んでいた時から何度も経験してきた高いところに目標を設定し、到達した瞬間を思い描いてエネルギーにすることができました」

と、スポーツで培われた前向きのパワーを発揮できたそうです。

太田さんが掲げた目標は、自らオフロード競技に取り組み、2年後に全日本エンデューロ選手権で優勝するという高い目標設定でした。その日からコーチについてトレーニングに励み、見事実現。冒頭で紹介された子どもたちのように「できたー! やればできる、という達成感が気持ち良かった」と振り返っています。

さらに、2年後にエンデューロ世界選手権に出場する、という新たな目標を立ててトレーニングを継続。2022年10月、ドイツ大会のGPウイメンズクラスに出場し、この目標もクリア。

出場のための各種手続きや車両の手配、また資金の調達など苦労も多かったそうですが「動画配信サイトでしか見たことのない世界のトップライダーたちとスタート地点に立ち、よくここまで辿り着いた」と、充実感を味わったそうです。

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「子どもたちに『できたー!』の喜びを実感してほしい」と太田さん

太田さんが現在「YRA」で担当しているのは、小学生対象の「親子バイク教室」「中高生向けバイク教室」などだそうです。

子どもたちにとって、エンジンが発揮するパワーの迫力、クラッチ操作はかなり難しいそうです。それだけに、そこを乗り越えた時の「できたー!」は格別で、こうした経験を味わってほしいと打ち込んでいます。

最高の舞台である世界選手権では残念ながらタイムオーバーで失格してしまったものの、太田さんがデザイン企画を担当したマシンに乗るスウェーデンの選手から、デザインについて最高の賛辞を受けたそうです。

「そのひと言を聞けただけで頑張ってきた甲斐があった」と話す彼女の中では、すでに新たな目標も芽生えているそうです。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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