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■まだあるぞ! ダイハツブースのワンオフモデル
別記事で東京オートサロン2023・ダイハツブースのTANTO CUSTOM RED/BLACK、ATRAI WILDRANGERを紹介しましたが、まだ他にも造り手の思いがいっぱいに込められたショーモデルが展示されています。
本記事ではこれらをまとめてご紹介しましょう。
●COPEN CLUB SPORTS/HIJET TRUCK JUNBO EXTEND
この2台はセットで展示。まずはCOPENから。
COPEN CLUB SPORTSは、COPEN誕生から20周年を記念し、内外をスポーツ仕立てのカラーリングを施したショーモデル。
おもしろいのは赤の塗り分け方で、フロントとリヤの外側センター同士を位置合わせしながら塗り分ける手法はめずらしくありません。が、この塗り分けを室内中央でも施し、車両センターをフロントからリヤまで、内外赤一直線に貫く見せ方をしているのが特徴です。
「20周年記念」というと、なんだか特別仕様車として販売される予感がしますが、あくまでもショーモデルで、インストルメントパネルセンター上の時計さえワンオフで製作。
とはいえ、実現性は高いですから、コストが見合えば発売の可能性もないとはいい切れません。
いっぽうのHIJET TRUCK JUNBO EXTENDは、現行ハイゼットトラック・ジャンボの荷台を架装してキャビン化。ただキャビン化しただけではなく、二重にしたキャビンを後方にスライドさせて容量をざっと倍に仕立てています。
デザイナーが譲らなかったのはスライド部分。このHIJET TRUCK JUNBO EXTENDでは、架装したキャビンの外側をスライドさせています。
いわく「スライドさせたときにカッコよくしたかった」のだと。
学校の先生が使う指示棒もカメラの三脚の脚も、伸びるのは先端の内側部分。同じくこれまでショーモデルに見たこの種のスライド拡大も、たいていは内筒を後ろに引き出すものでした。
なるほど、HIJET TRUCK JUNBO EXTENDは架装キャビンもアンダー側もきれいな面でつながっていますが、これが内筒スライドだったら、いかにもニュッと出た感じになってカッコよくはなかったでしょう。
その代わり開口部に立てば、奥側が全周ひとまわり小さくなるのですが、サイドと天井は仕方ないとしても、フロア側の段差は別パネルで埋めてフラットにしているのと、なによりも植毛処理の赤い表面部材のおかげで「中に入ってみたい!」と思わせる仕上がりになっています。
ところでお気づきになったでしょうか? HIJET TRUCK JUNBO EXTENDのエクステリアカラーが、さきのCOPEN CLUB SPORTSと同じであることを。
そう、これはレースに出るCOPEN CLUB SPORTSをHIJET TRUCK JUNBO EXTENDがサポートするモーターホームという設定のディスプレイ。だからセット展示なのでした。
「軽自動車だから、これは実現しないでしょうねえ」という筆者のつぶやきに、ダイハツ担当者の方は、「いやいや、この状態では走ってはいけないわけで、停まっているときだけなら…」
ということは、市販の可能性がないわけでは?…いやいや、まさか!
●TANTO FUN CROSS
こちらのTANTO FUN CROSSもショー専用モデル。
2019年8月の現行型発売当初は期待ほど売れず、早々とお買い得特別仕様車を投入してきましたが、昨年2022年10月のマイナーチェンジで、それまでの不振がウソのように人気急上昇しました。
起爆剤となったのはFUN CROSSの新投入。外観をSUV仕立てにし、シリーズのコンセプトをはっきりさせたのが人気回復のキーとなりました。
ブースではTANTO FUN CROSSをベースにしたカスタマイズカーを展示。
特に名称は設けられていませんが、ド派手なスポルトイエローにド派手なアンダーガード&ルーフレール&ストライプ、内装では各部の黄色いアクセントに芝生調処理を施したフロアマットなど。これまでの不振を一気に吹き飛ばすかのような内外装となっています。
中でも芝生調のフロアマットが気に入った! これだけでも売って欲しい!
今回のダイハツは、この東京オートサロン2023のためのワンオフモデルが他メーカーよりも多かった気がします。
「夢ふくらむ、はじけるダイハツ」のフレーズに偽りはありませんでした。
(文・写真:山口 尚志)