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■ルノーとの提携後初のスカイラインにスポーティなクーペを追加
2003(平成15)年1月16日、日産自動車の「スカイランクーペ」がデビュー。1年半前の2001年に登場した11代目「スカイライン(V35型)」のスポーティな2ドアクーペで、米国では前年の11月に「インフィニティG35スポーツクーペ」としてデビューして、人気を獲得していました。
●日本で最初のクーペはスカイラインスポーツ
クーペとは、かつては2ドア2人乗りの車高が低いスタイリッシュなクルマを指しましたが、ある時期から拡大解釈されて、4人乗りでも5人乗りでもクーペと呼ばれるようになりました。
日本で最初にクーペを設定したのは、プリンス自動車(後に日産に吸収合併)から発売された「スカイラインスポーツ」とされています。スカイラインスポーツは、1960年にトリノショーで初披露され、1962年に発売されました。デザインは、イタリア人のジョバンニ・ミケロッティで、流麗なクーペとコンバーチブルが設定された、歴史に残るクルマのひとつです。
その後、日野自動車の「コンテッサ1300クーペ」、いすゞ「ベレット1600GT」、トヨタ「2000GT」、日産の初代「シルビア」などが続き、その後は多くの車種でセダンとともにクーペが設定され、若者から絶大な人気を得るようになりました。
●スカイラインのプレミアムスポーツクーペとして登場
スカイラインクーペのベースとなった11代目スカイラインは、ルノーとの提携(1999年)後の初となるスカイラインで、2001年6月にデビューしました。
注目は、セダンと共通のL字型テールランプの中にLEDを丸形に配列して、セダンにはないスカイライン伝統の丸形テールランプを復活させたことです。
パワートレインは、280PSを発揮する3.5L V6 DOHCエンジンと、5速ATおよび6速MTの組み合わせ。駆動方式は、エンジンを全車軸後方に配置するFM(フロントミッドシップ)レイアウトのFRでした。
スタイルも性能も優れたスカイラインクーペでしたが、市場ではあまり評価されませんでした。この頃には、かつての名車スカイライン自体の人気に陰りが見え始めていたのです。
●純粋なクーペではないが、クーペスタイルのSUVやセダンが登場
1970年代~1980年代、トヨタ「セリカ」やホンダ「プレリュード」、日産「シルビア」など、当時はスペシャリティカーやデートカーとも呼ばれて大ブームとなったクーペでしたが、バブル崩壊による市場変化によって、あっという間に市場から消え去りました。
しかし、最近になってクーペのようなスタイルのSUVやセダンが急増しています。SUVの荷室の広さやセダンの居住性を犠牲にしてまでも、クーペのようなルーフ後方から後部にかけてなだらかに傾斜させたスタイルが採用されています。
トヨタ「ハリアー」や「C-HR」、ホンダ「ヴィゼル」など、またセダンの代表格である新型「クラウン」、HVの新型「プリウス」、欧州車でもBMWやメルセデス・ベンツもクーペのようなスタイルのセダンを投入しています。
決して伝統的な2ドアクーペではありませんが、クーペのようなスタイルがSUVやセダンで形を変えて復活していると言えるのかもしれません。
2022年8月に「フーガ」と「シーマ」が生産終了となり、日産の国内で販売するセダンは「スカイライン」だけになりました。初代から65年にわたって多くのユーザーに愛されてきた純ガソリン車のスカイラインですが、電動化して生き延びてほしいですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。
(Mr.ソラン)