HW ELECTRO、巨大な荷室を持つEVバン「ELEMO-L」を披露。航続距離は270km【東京オートサロン2023】

■商用はもちろん、キャンパーとしても使える多用途バン

「ELEMO-L」をメインに展開したHW ELECTROのブース
「ELEMO-L」をメインに展開したHW ELECTROのブース

HW ELECTRO(以下:HWE)は1月13日(金)、東京オートサロン2023で100%バッテリーEVの大型商用EV『ELEMO-L』を公開しました。

あわせて、同社は「環境問題」と「社会貢献」の視点から、モビリティを電動化していく「Electric–Mobility–Innovation」を推進中で、商用車の分野での未来を提案していく方針を明らかにしています。

「ELEMOシリーズ」として最初にナンバーを取得して販売をスタートさせた「ELEMO」
「ELEMOシリーズ」として最初にナンバーを取得して販売をスタートさせた「ELEMO」

HWEは2019年、商用EV「ELEMOシリーズ」の製造・販売を行うファブレスメーカー(※製造工場を持たずにアウトソーシングで生産を行うメーカーのこと)として、東京都江東区に誕生しました。

HW ELECTROの軽規格商用EV「ELEMO-K」。ダンプ架装車
販売中の軽規格商用EV「ELEMO-K」にダンプ機構を架装した例

2021年4月に輸入小型の電気商用車として国内で初めてナンバーを取得し、同年7月24日からは「ELEMO」を、11月20日より「ELEMO-K」の販売を開始しています。

『ELEMO-L』の発表により、2タイプの小型EVモデル「ELEMOシリーズ」のラインナップに、初めて大型のEVバンが加わることになります。

●2023年初夏に発売予定

HW ELECTRO ELEMO-Lの荷室
容量7立米を誇る巨大な空間が広がる荷室。リヤドアはツインヒンジの両開きタイプ

『ELEMO-L』は北米セントロ社製で、HWEがオリジナルブランドとして供給を受けることになっています。

搭載したバッテリー容量は43.5kWhで、1回の充電走行距離は最大270km。急速充電を使うと30分で残量30%から80%までチャージできるそう。普通充電の場合は0%から100%が8時間と、一晩で満充電される計算になります。

発売は本年の初夏を予定しており、現時点での価格は未定です。発表された車両は左ハンドル仕様となっていましたが、今後は右ハンドルでの展開も予定しているということでした。

HW ELECTRO ELEMO-Lのコクピット
ELEMO-Lの運転席周り。商用車というよりは、乗用車に近い仕上がり

東京オートサロン2023で公開された『ELEMO-L』は、おっとり顔の優しさにあふれた表情が印象的です。しかし、バンとしての機能は、そんな雰囲気を覆す堂々とした実力を訴えるものでした。

ボディサイズは全長5457mm×全幅1850mm×全高2046mmで、ホイールベースが3380mm(いずれも欧州仕様の数値)と、小型商用車としてはまさにアメリカンサイズ。

カーゴスペースの扉を開けると、そこには荷室容量7立方メートルを誇る巨大な空間が広がっていました。

HW ELECTRO ELEMO-Lのシート
たっぷりとしたサイズのシートが左右に備わるELEMO-L

ステンレス素材にすべりにくい加工を施したフロアはフラットで、使い勝手が良さそう。その雰囲気は、アメリカでよく見かける“工事現場にかり出されているバン”のイメージそのものです。

一方で、これをキャンピングカーとしてカスタマイズすれば、スペースが巨大なだけにかなり面白いものが出来上がるのではないかとも実感。ブース内には、それを具体化したカスタマイズモデルも提案され、EVならではの使い方が提案されていました。

また、2023年春頃にはHWE製トラックをネットワークでつなぎ、AIを活用することで配送ルートの最適化・効率化を追求していく「HW ELECTRO Platform Service」をリリースする予定となっています。

会田 肇

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会田 肇

1956年、茨城県生まれ。明治大学政経学部卒。新卒で自動車系出版社に就職した後、フリーランスとして独立。カーナビゲーションやドライブレコーダーなど車載電化製品を中心にレポートする一方で、自動運転をはじめとするITS分野での取材活動を行う。
読者の立場に立った分かりやすいレポートを心掛けている。趣味は車か飛行機を使った旅行。写真撮影。音楽を聴くこと。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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