■MINIの理由
正直な印象を言えば、MINIは高いと思う。
だって同じクラスの国産車ならもっと安く買えるし、MINIと同じ金額を払うなら国産車であればひとクラスどころか、ふたつか3つも上のクラスのクルマを買うことができる。
「じゃあどうしてMINIを選んだの?」
そんな彼女の疑問はもっともだと思うけれど、理由は簡単だ。MINIには唯一無二の世界があるからだ。
言い換えれば「世の中のクルマは2種類ある。MINIか、それともMINI以外か」というなかで、ボクはMINIを選んだということである。
●惚れちゃったら……
MINIのどこがいいかといえば、その世界観。誰が見てもMINIだとわかる顔つきもそうだし、インテリアも個性的だ。
かつてダッシュボードの中央にあったセンターメーターはいまではカーナビになったけど、こんなに「円」を活用したデザインのインテリアはちょっと他には見当たらない。並んだトグルスイッチだって独特だ。
「MINIは実用性がない」なんていう人もいるけれど、それだって個性のひとつ。惚れたらなんだって許せてしまう。
「それって恋愛と同じだね。惚れちゃったら、すべてが好きになっちゃう」
そんな彼女の感想は、まさにその通り。クルマが好きにとっては、恋愛とクルマ選びって似ていると思う。一目惚れしたら、細かいことなんてどうだっていい。値段だって……ね。
(文:工藤 貴宏/今回の“彼女”:花岡 咲/ヘア&メイク:長谷川 さほ/写真:ダン・アオキ)