いすゞの名車「ビークロス」が市販復活。ただし、タイでD-MAXの上級モデルとして【THAI MOTOR EXPO2022】

■タイのモーターショーにはいすゞのブースがあった

日本でも、海外からの再入国に関する諸々の手続きとか面倒なことが緩和されたので、フラりとタイに出かけてきました。

本当はアメリカにも行きたかったんですが、アメリカ方面は今、飛行機代が高いし(往復するとエコノミーでも20万円台後半!)、現地物価上昇のうえに、信じられない水準の円安でダブルパンチ。お財布的に相当厳しいことになってしまうわけですが、その点タイなら飛行機代の面でも物価の面でも、アメリカよりは懐にやさしい(以前より物価は上がっていますが、まだ日本より安い)。

というわけで、タイへGO!

タイモーターエクスポのいすゞブース

目的は、「タイ国際モーターエクスポ」というタイの首都バンコクで開催されるモーターショー。

タイは日本メーカーのクルマが多く走っている(かつては約9割が日本車と言われていた)うえに、日本では売っていない現地向けのクルマも多いので、日本のクルマ好きにとっても楽しいモーターショーだったりします。

……というわけで、前方には「いすゞ」のブースが。

日本では乗用車販売から撤退したいすゞですが、タイではピックアップトラック「D-MAX」や、それベースのSUV「MU-X」など、個人向けの車両も展開しているんです。

いすゞD-MAX
いすゞMU-X
いすゞMU-X

というわけでモーターショー会場のいすゞブースを散策。

「やっぱりいすゞと言えば、歌うヘッドライトだよねー」とか意味不明なことを考えつつ車両をチェックしていたら、化粧プレートのとある文字が強烈なインパクトとともに飛び込んできました。

●あのビークロスがタイで復活していた(名前だけ)

まさかのビークロス復活

えっ、「VCROSS」???

あの「ヴィークロス」???

いや「ビークロス」?

そうです、ビークロスと言えば、かつていすゞが90年代の終わりに日本でも販売した、宇宙船みたいなデザインのSUV。カッコよかったけど乗り心地が悪かったなあ…って話はどうでもいいですが、タイで復活していたんです(名前が)。

衝撃的なデザインで90年代終わりに販売されたいすゞビークロス。

英文字綴りはかつての「Vehicross」ではなく「VCROSS」だけど、細かいことは気にしない。カタカナにしちゃえばいっしょだから(笑)。

21世紀のいすゞビークロス

というわけで、タイで復活を成し遂げた21世紀のビークロスは、SUVではなくピックアップトラック。「D-MAX」の上級グレードとして設定された仕様でした。めでたしめでたし。

そういえば、いすゞはタイでピックアップトラックのシェアがトヨタを超えてナンバーワンなのだそうで。凄いことです。

●ちなみに、現地ではマツダもピックアップトラックを売っている

マツダBT-50

ちなみにタイには、マツダの「BT-50」というピックアップトラックがありますが、実は、いすゞD-MAXとメカニズムを共用する兄弟車だったりします。興味を持っている日本人はマニアだけでしょうけれど。

工藤 貴宏

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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