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■新ハイブリッドは、IMAと3ステージi-VTCエンジンの組み合わせ
2005(平成17)年11月22日、ホンダは9月22日にデビューした8代目「シビック」に、シビックハイブリッドを追加しました。
ボディサイズが3ナンバーサイズへと拡大された8代目に、新しく開発されたハイブリッドを組み合わせることで、走りと低燃費の両立が実現されました。
●3ナンバーボディでミドルカーセダンとなった8代目シビック
1972年に誕生して以来、シビックはホンダを代表するコンパクトカーとして、すでに世界160ヶ国以上で累計1600万台を販売しているグローバルカーでした。
初代のシビックから33年を経て登場した8代目の最大の特徴は、ボディサイズが3ナンバーへと拡大されたこと。コンパクトカーというポジションは、大ヒットしていた「フィット」に譲り、またアコードがアッパーミドルセダンへ移行したため、8代目シビックはミドルカーのセダンへとステップアップしたのです。
基本的なスタイリングは、ハッチのない4ドアセダンですが、キャビンを前進させ、前後のウィンドウの傾斜を寝かせてスポーティなイメージを強調。
パワートレインは、1.8L直4 i-VTECエンジンと5速ATの組み合わせ。駆動方式はFFのみで、4WDの設定はありませんでした。i-VTECは、VTEC(可変バブルタイミング・リフト制御)機構を進化させ、低負荷時に吸気バルブの閉じるタイミングを遅くする機構を追加した可変動弁機構です。吸気のポンピング損失を減らして、燃費を低減するのが狙いです。
●進化したハイブリッドシステム
2ヶ月遅れで登場したシビックハイブリッドは、“IMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)”と走行状況に応じて3段階のバルブ制御を行う“3ステージi-VTEC”を組み合わせたマイルドハイブリッドです。
IMAは、1999年にインサイトに初めて採用されたシステムで、基本的にはEV走行できない、エンジンをアシストするマイルドハイブリッドです。モーターは、ホンダが自社開発した高効率のブラシレスモーターで、エンジンとCVTとの間に組み込まれています。
エンジンは、1.3L 直4エンジンに新たに開発された“3ステージi-VTEC”を採用。これは、走行状況に応じて低回転、高回転、気筒休止の3段階のバルブ制御を行います。
高効率のIMAシステムと“3ステージi-VTEC”エンジンの組み合わせ、さらにスムーズな変速ができるCVT(ホンダマチック)の採用によって、1.8Lエンジン並みの低速トルクを発揮しながら、31.0km/Lの低燃費が実現されました。
●ホンダのハイブリッドは、IMAで始まって現在はe:HEVに
ホンダのハイブリッドは、マイルドハイブリッドの“IMA”で始まりましたが、簡易で低コストな分、燃費向上率が低いシステムでした。
2013年に、フィットでDCT(デュアルクラッチ・トラスミッション)を利用した本格(ストロング)ハイブリッドの“i-DCD”を開発、燃費は大きく改善しましたが、初期に信頼性の問題で不具合が多発しました。また、同年のアコードには、それまでの1モーターでなく、走行用と充電用の2つのモーターを搭載した2モーター式の“i-MMD”が搭載されました。
その後、レジェンドに採用した性能重視の“SPORT HYBRID SH-AWD”もありましたが、i-MMDが進化し続けて、現在は名称を“e:HEV”に変更して、ホンダのハイブリッドの主流となっています。
シビックは、8代目からグローバルなミドルカーセダンとして位置づけられましたが、セダンの国内市場は冬の時代、残念ながら2020年8月に国内での販売終了となりました。2019年には、月販で200台にも届かないような状況だったので、致し方ないですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。
(Mr.ソラン)