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■ネイキッドタイプで使っていたヘルメットのワナ
原付バイクを含めた自動二輪を公道で乗るには、ヘルメットを装着することが道路交通法で定められていることは、多くの方がご存知でしょう。
道路交通法では、あご紐があって、視野が十分に広くて、重量2kg以下であることがヘルメットとして認められる条件となっています。逆にいえば、バイクの性能に見合ったヘルメットを装着することは、少なくとも法では定められていません。
ですから、200馬力級のスーパースポーツに乗るときに、ハーフタイプのヘルメット(通称:半ヘル)をかぶっていても道路交通法の違反にはならないといえます。
ですから、自分自身で複数所有していたり、家族の所有するバイクを借りることがあったり、などいろいろなバイクに乗る機会があるライダーであっても、ヘルメットはお気に入りのものがひとつあれば事足りると考えがちでしょう。
正直、筆者もそう考えていました。そこで、リターンライダーをする際には、どんなバイクにも合うようにフルフェイスタイプのヘルメットを入手しました。
しかし、それではダメだと実感することがありました。それが、前傾姿勢のキツイ、スーパースポーツモデルに乗ったときです。
ネイキッドやストリートファイターに分類されるバイクに乗るときには、まったく問題のなかったヘルメットで前傾姿勢を続けていると、首の後ろが攣ってしまうほど疲れます。
●カラーリングよりも開口部形状を重視して選ぶべき
結論をいえば、首が疲れる理由はヘルメット開口部のデザインにありました。
あまりにも首が疲れるので、スーパースポーツに似合いそうなレーサーレプリカ的なフルフェイスモデルに変えてみたところ、首の疲労が圧倒的に軽減されたのです。
最初はヘルメット自体の重さが影響しているのかと思いましたが、計測してみるとさほど重量差はありません。そこで交互にヘルメットを変えつつ乗ってみて気付いたのは、開口部デザインの違いです。
レーサーレプリカ的ヘルメットは、前傾姿勢を前提としているのでしょう。上目遣いでちょうど見やすいような開口部デザインになっているようで、それほど首を反らなくとも前方がしっかり確認できます。
一方、ネイキッドなどに合う形状のヘルメットでは、比べるとかなり首を反る必要があることがわかりました。素人目には違いがわからないほどですが、乗っていると大きな差に感じるのです。
それ以外にも、前傾姿勢での重量バランスや空力デバイスなどの違いも大きいのでしょう。いずれにしても、バイクとヘルメットには相性があると実感しました。
●ヘルメットの試着時はポジションも意識したい
ヘルメット選びというと、カラーリングなどにこだわって選ぶ人もいるでしょうし、とにかくコストパフォーマンス優先という方もいるでしょう。ですが、乗るバイクのタイプに合わせて適材適所的に選ぶ意識も大切だといえそうです。
バイク用品店などでヘルメットを選ぶときには、立ち姿勢のままヘルメットを試着して、鏡に映して似合うかどうかを確認することが多いかもしれません。
しかし、自分の体験からお伝えしたいのはバイクに乗る状態に近い姿勢を取るべきということです。少なくともスーパースポーツに乗ることを前提としてヘルメットを探しているのであれば、上目遣いで信号を確認するようなシチュエーションをイメージしてポージングをしてみることをおすすめします。
そうすれば、自分のようにバイクに乗っているだけで首が攣ってしまうようなこともないでしょう。
もうひとつ注意したいのは、メットインタイプのスクーターなどに合わせたヘルメット選びです。モデルにもよりますが、メットインスペースにフルフェイスタイプが収まらないスクーターもあります。せっかくのメットイン機能が使えないのは残念無念ということになりますから、そのあたりも考慮して、個々のケースで最適なヘルメット選びをしたいものです。