「125ccの原付二種なら誰でもコントロールできる」はホントかウソか?【バイクのコラム】

■一般ライダーが扱える限界は原付二種という説

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筆者がバイクに乗る練習用として最初に入手した原付2種のKAWASAKI Z125PRO。

3年前に、四半世紀ぶりにリターンライダーをした筆者ですが、ふたたびバイクに乗るようになってから気になっているのが「一般ライダーが制御できるのは原付二種(125cc)クラスまで」という、著名ライダーなどの発言です。

パワーや重量の面から原付二種が扱いやすいというのは、実際に原付二種クラスのマニュアルトランスミッションバイク「KAWASAKI Z125PRO」に乗っている経験からも理解できます。

そもそも自分がZ125PROを入手したのはリターンライダーをしようと思い立ったとき。大型自動二輪の免許を取得すべく教習所に通っているとき、どうにも二輪の感覚が戻ってこないというか、四輪の感覚が抜けきれないという部分を解消すべく、乗り始めたのでした。

とはいえ、最初に公道を走ったときは、原付二種といってもおっかなびっくり。あっという間に立ちごけするんじゃないかと心配しながらの公道復帰となったのでした。

大型自動二輪免許を取得してから一年以上は原付二種だけのバイクライフを送っていましたが、それには原付二種を不安なく乗りこなせるようにならなければ、リッターバイクなど危なくて乗れるはずもないと考えていたからです。

●125ccのバイクでも性能を引き出せる気がしない

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普段使いとして100ccクラスのスクーターにも乗っています。これでギリギリ乗りこなしているレベルかもしれません。

じつは、冒頭で紹介した「一般ライダーが制御できるのは原付二種クラスまで」という発言を多くの著名ライダーが言っていると知ったのは、リターンライダーをしてしばらく経ってからのことでした。

ライダーとしてのリハビリ用にZ125PROを購入した段階では、そうした意識はまったくありませんでした。単純に、原付二種であれば四輪車の任意保険にファミリーバイク特約をつけることで、リーズナブルに乗ることができるという経済的な理由がメインだったのです。

では、原付二種クラスであれば一般ライダーは十分に扱えることができるのかといえば疑問もあります。

実体験からすると、自分にとっては原付二種クラスであっても性能を引き出せる自信はないと感じているからです。それが正直な気持ちです。

Z125PROで練習会やライディングスクールに参加したこともありますが、パイロンスラロームなどをこなしていると時折ミスをしてしまいますし、リヤブレーキをロックさせてしまうこともあります。まったくもって制御しきれていないというのが実態です。

もちろん、リターンライダーから数年の自分が一般ライダーの平均的なレベルに達していないのも、理由のひとつではありますが……。

自分がバイクを乗りこなせているなぁと感じることができるのは10年以上前のスクーター(スズキ・アドレスV100)に乗っているときくらいです。

そう考えると、たしかに原付二種クラスは”低スキルのライダーでも乗りこなせる上限”の目安といえるのかもしれません。

自動車コラムニスト・山本 晋也

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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