軽スーパーハイトSUVムーブメントに本命登場!? 「デリカミニ」に大注目【週刊クルマのミライ】

■デリカミニは2023年初夏に発売予定

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『デリカミニ』は「DAILY ADVENTURE(毎日の冒険)」をデザインテーマとしている。

三菱自動車が「デリカミニ」のスペシャルサイトをオープンさせ、エクステリアデザインを初公開しました。

初代『デリカ』の発売から55周年となる2023年度初夏に発売される予定で、2023年1月の「東京オートサロン2023」に参考出品されることもアナウンスされました。

公開されているのは前後のスタイルだけですが、十分にデリカのヘリテージを感じさせるもので、非常に魅力的と感じているユーザーも多いのではないでしょうか。

そして、名前が「デリカミニ」となっていることからもわかるように、この新型モデルは軽自動車として誕生します。

たしかに、よく見ていくと特徴的なCピラーの形状やスライドドアなどの基本部分はeKスペースと共通に見えます。つまり軽スーパーハイトワゴンにデリカの名前を冠した本格SUVバリエーションという風に見ることもできます。

●軽スーパーハイトワゴンSUVトレンドの大本命

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軽スーパーハイトのクロスオーバーSUVといえばスズキ・スペーシアギアが人気の中心にいます。

軽スーパーハイトワゴンにおいてSUVとのクロスオーバーは、いまや一大トレンドとなっています。

その代表格がスズキ・スペーシアギアで、フォロワーとしてダイハツはタントファンクロスを生み出したばかりです。じつは三菱自動車もeKスペースクロスというSUVテイストのラインナップを用意していますが、現時点ではスペーシアギアの牙城を崩すには至っていません。

しかし「デリカミニ」というネーミングには、軽スーパーハイトワゴンの市場シェアを動かして行きそうなインパクトがあります。

デリカというビッグネームを用いることで、SUVテイストを持たないホンダN-BOXからもユーザーを奪うことができるかもしれません。

軽自動車マーケット全体にも影響しそうなインパクトのある名前です。「デリカミニ」は大いに注目すべきニューモデルといえます。

●過去にはパジェロミニという傑作もあった

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フロントバンパーとテールゲートガーニッシュの置かれた立体的な「DELICA」ロゴは、伝統のSUVテイストを表現する。

かつて三菱自動車には「パジェロミニ」という、パジェロの軽自動車版といえるモデルもありました。エンジンを縦置きにして、副変速機を持つ本気の走破性はパジェロの名前にふさわしいものでした。

はたして「デリカミニ」が、どこまでデリカの伝統を受け継いだ走り味を実現しているのかは現時点では不明といえますがティザーサイトで公開されている画像のイメージからはデリカD:5と同じくオールラウンドビークルであることが伝わってきます。

そもそも、現行モデルのデリカD:5にしてもエンジン横置きのFFプラットフォームですが、4WDロックモードを与えられた電子制御システムによりFFベースと思えないほどの走破性を実現しているのはご存知の通りでしょう。

eKスペースと同じアーキテクチャーだったとしても三菱自動車の技術があれば、デリカという名前が納得できるだけの走りを見せてくれるはずです。なぜなら、三菱自動車が”デリカ”という名前を安売りするはずがないからです。

デリカ55周年というタイミングで登場する「デリカミニ」に期待が高まります。

自動車コラムニスト・山本 晋也

【関連リンク】

新型『デリカミニ』スペシャルサイト
URL:https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/delica_mini/special/teaser/

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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